90 メスケモ鬼姫たちに鍛えられる2
一日目~七日目
まずは妖術の扱いに慣れるためにとにかく撃ちまくる
海なら影響が少ないため海に向かってひたすら朝から晩までずっとずっと
それは一週間続いて、とにかくお腹がすく作業だった
妖力は体に馴染んでるから枯渇してしまうことはない
でもそれは僕の体からエネルギーを得て妖力に変えているわけであって、それはつまり、腹が減るってこと
本当に、滅茶苦茶にお腹がすくからいつも以上にお腹がすいちゃって、一回のご飯の量が十倍くらいに膨れ上がった
元々大食漢な僕の食費がうなぎ上り
でもそのかいあってか妖術はさらに定着した感じがする
狙いも正確になったし、ピンポイントを攻めるにはもってこいな感じかな
それにピンポイントを狙わなくても大規模領域をつぶしたりもできるようになった
因みになんだけど、ついでに魚もたくさん取った
この力、潰したりするだけじゃなくて、空間を持ち上げて、任意のものだけを運ぶなんてこともできることに気づいた
まてよ、この力、それができるならかなり幅が広がるぞ
攻撃手段がこれだけでいいってくらいに、防御手段がこれだけでいいってくらいに!
任意のものだけをこの空間に隔離したり、空間から拒絶したりできる
つまり、隔離すればそのまま潰せて、拒絶するなら何物も寄せ付けない防御に
「気づいたようですね。その力の特製に」
「アマノ師匠は分かっていたんですか?」
「分かるわけがないでしょう? 真剣な顔をした後ひらめいたって顔をしていたので、吹っ掛けて見ただけです」
師匠はこういうおちゃめな一面があるっぽい
妹以外のことで無表情だから勘違いされやすいけど、この人かなりおふざけが好きな人だ
父親のキンゲツ先生に対してはそれが顕著だから、かなりお父さんのこと好きらしい
本人は多分気づいてないけどね
「さて、一週間よく頑張りましたね。頭を下げてください」
「え? あはい」
僕が頭を下げると、師匠はヨシヨシと頭を撫でてくれた
本能から思わず喉のゴロゴロが出てしまった
八日目
「さて、今日からはその力を使って妖魔を倒してもらいます。相手はアヤカシです」
「え、それって、特定危険魔物にも指定されてる化け物じゃ? まだランクの低い僕じゃ無理ですよ」
「無理なんてものはありませんしそのような言葉は消えてしかるべきです」
この人、理性があるように見えて結構脳筋だ・・・
でもやるしかない
アヤカシはここに来るまでの道中死体を見たけど、相当な大きさがある
アレに比べたら僕なんか塵芥に等しいくらいに小さいよ
とても普通の攻撃が通ると思わない
「あれ? そう言えばアヤカシってもう死んでたみたいですけど」
「アヤカシは海がある限る不滅です。死体も数日で復活します」
「なにそれ、倒せないじゃないですか!」
「確かに、完全消滅は難しいですね。私ならできますが」
「じゃあなんで消滅させなかったんですか?」
「誰かの修行で使えるでしょう? 現にあなた含め、妹たちにも倒させましたし」
「あれを? この小っちゃい子たちが?」
「ネネコー、小っちゃいって言わないで! ムゥー!」
プリプリ怒ってるハクラちゃん可愛い
でもこんな小さくて可愛い子がよくあんなのを倒せたもんだ
これは僕も負けてられないな
同い年とは言え、僕は一応ビーストでは成人してるからね
「師匠! 僕頑張ります!」
「はい、船を用意しますので、行ってきてください」
師匠はニコリと、とても怖い笑顔で送り出した




