勇者6
アシュトン大陸北部
エルフの領域である大陸で、現在行方不明である聖女ハリルララハが住んでいた土地でもあった
この大陸全体でハリルを捜索しているが、一向に見つからない
世界中でも捜索願いを出しているが、何の手掛かりもつかめないでいた
その大陸の隅の方にあるエルン大森林にある国、妖精国家リビオン
妖精王オベイロンによって統治されている妖精の楽園であり、非常に美しい幻想的な場所だ
そこには悪戯の勇者ミリ・ピクシーという小さな勇者がいた
力は悪戯で、イタズラに特化した少し悪辣な力を持っている
本人がイタズラの範疇だと思うことならば大概何でもできるが、本当に可愛いようなイタズラしかしないため、勇者としては最弱の勇者ナナミに次いで弱かった
だが魔物相手にはめっぽう強く、トラップやバッドステータスを与えて敵を倒す先方は大いに国を守っていた
いかに景観が美しく、強力な妖精魔法を使える妖精たちがいる場所でも魔物は跋扈している
彼女は様々な場所に悪意ある魔物や人が通ると発動するトラップを仕掛けていた
しかも一度発動しても自動で元に戻るという特製付きのトラップである
国民はイタズラ者だが優しい彼女を慕っていた
「ミリ、君には旅立ってもらおうと思うんだ」
「えーいやですー。あたしここから離れたくありませんよー王様ー」
「でもねミリ、勇者としての御勤めはちゃんと果たさないと。君の力を世界中のみんなが頼りにしているんだ」
「だってー・・・。離れたら、王様にイタズラ、出来なくなっちゃうもん」
「無事お勤めを果たしたらいくらでもやっていいですから、ね。ほら、飴ちゃんをあげましょう」
「わーい」
飴玉を口いっぱいに頬張って、顔が三倍くらいに膨れ上がるミリ
小さな彼女にとってはヒト族なら簡単に口の中に入れれる飴玉でも、食べるのに一苦労であるが、大ぐらいであるためいつも欲張って口いっぱいにするのが彼女のデフォである
そのためオベイロンも微笑ましくその光景を見ていた
「よーし、王様に飴ももらったし、行くよーあたし!」
「さすがですよミリ、それではこれを」
「これ、何?」
「あなた専用の杖です。妖精魔法の行使には必要でしょう」
「わーいありがとう王様!」
小さいとは言え、この大陸にある世界樹の一部から作られた杖である。魔法の威力を高め、聖なる結界を貼って常に悪意からミリを守る効果もある
「それで王様、どこ行ったらいいかなー?」
「インセクリオンですね」
「それどこー?」
「転移魔法で送ってあげますから、そこで他の勇者と合流しなさい。あとはおのずと道は示されます」
「わかった! でも他の勇者ってどんな人達?」
「そうでしたね、顔合わせの時はまだミリは生まれていなかったのでしたね。みな勇者らしい仁徳者ばかりです。ミリはきっといいムードメーカーになりそうですね」
「うん! 仲良くなるー!」
オベイロンはミリの頭を指で優しく撫で、準備の出来た彼女を転移の妖精魔法でインセクリオンへと送り出したのだった
もちろん転移魔法を使ったのは、全長15センチという彼女の大きさではインセクリオンまであまりにも時間がかかるからである




