勇者5
ニュアトラン大陸
人間達の国に―アディリア聖教国
女神ニャードリーアの加護を受けた土地に建てられた宗教国家で、神聖魔法の使い手を世界中に派遣して人々の安寧をもたらしている
国の運営は全てお布施で成り立っており、税金は一切かからず、さらには貧しい者からの治療費は取らないという方針を掲げている(金持ちからはしっかりとる)
犯罪者は一切入れないため、治安もかなりいい
人々の幸福度としては世界でもかなり高い
そんな国には聖勇者と呼ばれる少女がいた
名はアリア・ラランメイル
聖剣セイントフェルドを持つ覚醒している勇者だ
勇者としての力は聖
聖なる力に関することならどんなことでも出来る
主に回復系が得意で、少しぽっちゃりしている温和でほんわかした性格の少女だ
聖剣の力はただビームが出るだけだが、それを必要としないほどに剣技が洗練されており、達人と言ってもいい
そんな彼女は間もなく旅立つ準備をしていた
「いいですかアリア、困ったときは各地の聖人や聖女を頼りなさい。それから教会もです。あと他の勇者のこともしっかり面倒見るのですよ。それから、それから」
「大丈夫ですよお教皇様あ、私は人々を守る勇者を癒せるような勇者になりますう。癒う者ですねええへへえ」
「ああ、心配です私の可愛い子。いいですか? 人を守るのは勇者の使命ですが、あなた自身も大切なこの世界の一人なのです。そして、わたくしにとっては、とてもとても大切な、たった一人の娘なのですから」
教皇アナベル・ラランメイル
アリアの実母にしてめがみニャードリーアに信頼されている数少ない人物
戦闘力は皆無だが、神聖魔法全てを治めており、この国全体に魔物避けの結界を貼っているのも彼女だ
十代後半で教皇になり、二十代前半で娘のアリアを産み、現在四十代だが、見た目は二十代前半にしか見えない
隠れファンクラブがあるほどに人気の教皇でもあった
「教皇様あ、そろそろ私行きますねえ」
「ああ心配だわ心配だわ」
「・・・。大丈夫ですママ、私は決して、めげないし負けません。必ず厄災を退けて、無事帰ってきますから」
「アリア・・・」
アナベルはアリアを抱きしめ、旅支度を手伝った
そして翌日
国を挙げての旅立ち
アリアは顔を赤くして照れながらもその盛大な見送りの後旅立った
まず目指すはインセクリオン
最近覚醒したという蟲人族の女王にして勇者に会いに行くためだ
勇者ネットワークによってすでに情報はいきわたっており、他の覚醒した勇者もインセクリオンに来る予定である
未だ覚醒の兆しが見えないナナミを勇者たち全員で一気に覚醒に導くため、ひとまずインセクリオンに集結するというわけだ
これから旅を共にする仲間である
幼いころに会っているとはいえ親しい間柄ではない
これを機に仲良くなって勇者同士結束しようと考えるアリアであった




