鬼の姫様メスケモと出会う
無事逃げきれた一行
恐らく戦えばお互い無事ではすまないだろうとアマノは考える
それに今は大切な家族が真横にいる
やるなら一対一でだ
「ハァハァ、大事ないですか?」
「大丈夫だよ姉様」
「はい、私もです」
「コミネは?」
「私も大丈夫です姫様」
三人の無事を確認して一息つくアマノ
彼女が力を使って転移してきた場所は、トウゲンの城、父の目の前だった
「アマノ、いきなりどうした? お前が息を切らして戻ってくるなど、何があった?」
「アルスランド王国に行ってきました」
「む、ヴァシュルア教の本山か。どうだった?」
「教祖はやはり、元勇者のラルズラールで間違いありません」
「・・・そうか」
キンゲツ王はそう言うと、アマノの後ろに声をかける
「ネネコ姫すまないな。修行はここまでだ」
「えと、先生、その方たちは?」
「俺の娘たちだ。どうだ? 可愛いだろう?」
「はい、可愛いですね」
キンゲツはネネコの答えを聞き満足そうにうなづいた
「じゃなくてですね先生。何があったんですか?」
ネネコの質問に答えるため、アマノが前に出た
「お初にお目にかかりますネネコ姫様。私はこの国の姫である虹鬼、アマノ・キビツでございます。こちらは妹のコミネ、クロハ、ハクラです」
「えっと、初めまして、僕はネネコです。一応プラウディアの姫ってことになってます」
自己紹介もそこそこに、アマノは経緯を語り始めた
未だ怪しいヴァシュルア教を調べるため、本山に戻ったアルスランド王国に行き、そこで新教祖を確認しに行ったアマノ
獣人の雉種の姫であるフワイの情報から、その新教祖の素性を探ろうとしたのだが、その新教祖はかつて世界を救い、奴隷制度をなくした勇者ラルズラールであることが分かり、アマノはそれが本当にラルズラールであるかを確認するために向かったのだった
ネネコは時折うなづきを加えつつ話を真剣に聞く
「あれは間違いなく勇者ラルズラールです。顔立ちもそうですが、あの私にも負けずとも劣らない力。初めて自分と同等かそれ以上の存在を見ました」
アマノに勝てる者はこの世界に皆無と言ってもいい
しかしラルズラールは歴代最強の勇者だ
アマノでも勝てるかどうかというところだと、彼女は不安を覚えていた
「ラルズラール、聞いたことがある。確かクレナイさんの旦那さんですよね」
「ああ、クレナイさんに会ったことがあるのでしたね。あなたのおかげで妖怪族は再び姫に会うことができ、喜んでいましたよ」
「それはよかったです。でもその勇者ラルズラールって確か、数千年前に元の世界に帰った人だから、すでに亡くなってるって話で下よね?」
「ええ、そのはずです。いくら異世界とこちらが時間の流れが違うとはいえ、数千年という時間はあちらでも人間が十分生きて死ぬ時間何週か分のはずです」
それでも現にラルズラールは戻ってきている
理由も原因も、今は何もわからないことだらけだ
「今は、何もできることはないと、それだけでも分かっただけ行幸です。あのままあそこにいたなら、妹たちが被害を受けていた可能性が高いですからね」
ひとまずアマノはネネコに会えたことを喜び、その日は話に花を咲かせた
そして無事同盟はなされた
実を言うと実質この島の実権を握っているのはアマノであった
そのためここに正式にネネコは認められたというわけである




