11 メスケモランクを上げる3
第五階層
ここが最終階層だ
このダンジョンは初心者向けで、Fランクでもパーティを組んで挑めば難なくクリアできる
僕の場合攻撃方法が激しいから周りを巻き込みそう
だから今はパーティを組まないことにした
ギルドで結構誘われたけど、全員断っちゃった
そもそも、僕の住んでた集落周辺はかなり危険な土地だったみたい
大体の魔物がAランクで、それを父さんや集落の大人たちは一人でも倒せていた
僕も集落を出るころには倒せてたし、そう、そもそもの力量が初心者じゃないんだ
まあ色々知らないことは多いから、そこは学んでいかないとね
「さて、あれがダンジョンボスってやつかな?」
ダンジョンボスを倒し、宝箱のアイテムを取れば自動的に外に転送される仕組みらしい
僕の前にはたぶんゴブリンとかいうやつ
でも図鑑に載ってるのより大きくて、2メートルはありそう
ガタガタの剣を持っていて、盾も構えてる
「よーしいくぞ!」
大剣を構えて一歩前に出る
「グルルル」
うなるゴブリン
そして飛び上がって剣を振り下ろしてきた
「うおっと」
大剣でそれを受ける
「お、重」
一撃がかなり重い。どういうことだろ? 僕でこれってことは初心者じゃこんなの受け止めれないはず
そんな魔物がここにいる?
なんとか押し返し、僕も攻勢に出る
「やぁあ!!」
大剣を横に振ってゴブリンの胴に当てる
ガキィインと金属音が鳴る
「あれ?」
かなりの速さで降り抜いたと思ったのに、ゴブリンは盾でそれを防いでいた
「やるね」
「グアアア!」
ニヤリと笑うゴブリン
そして剣で僕の胴を斬った
「うっ」
痛い痛い痛い痛い
ブシュゥと血が吹き出る
かなり深く斬られてしまった
「か、回復薬!」
すぐに薬を取り出して飲み干す
この薬は母さん特製のもので、手足がちぎれ飛んでも再生できる
すぐに内臓が少し出てたお腹が回復した
「最近こんな強い魔物と戦ってなかったから油断してた。でももう油断はしない」
素早く動くゴブリンを目で追い、動きのパターンを見極める
ゴブリンはふしぎな動きで僕を翻弄し、時折剣術を繰り出してくる
僕の剣術は父さんの自己流だ
それでもゴブリンのちゃんとした剣術について行けてる
父さんの剣技は対魔物用で、人型の魔物には向いてなさそうだけど、アレンジすれば十分対抗できる
「ぐぎゃ!」
ゴブリンが飛んで僕から離れる
「ぐぎゃぎゃ、ギャアア!!」
何か話して、いや、唱えてる?
ゴブリンが何かを唱え終えると、剣と足が光り始めた
「これって、強化魔法?」
ギルドの魔導書に書いてあった強化魔法
それとよく似ている
ゴブリンが視界から消えた
僕はすぐに振り向いて、振り下ろされた剣を受け止めた
「う、お、重いぃいい」
僕が力負けしてる?
ギリギリと相手の剣が僕の頭に迫る
「ぐぎゃっ」
笑ってるなこいつ
「負けるかぁ!!」
力をさらに込めてゴブリンの剣をはじいた
「少し本気で行くよ。チャージ!」
足を地面にドンと打ち付けて大きく深呼吸する
チャージは僕の身体能力を上げる、能力?って感じかな?
父さんに教わったものだ
僕のスピード、力、頑丈さは一段階上がる
「剣技、追い猫!」
猫のようにしなやかに、柔軟に
これは僕の剣技
父さんに教わった剣技を基盤に、猫種のしなやかな関節の動きを使って繰り出す剣技だ
シュルリとゴブリンの剣を避けて懐に入り、横に薙ぐけど、ゴブリンはそれを縦で防ごうとした
そこをさらにスルリと剣の軌道を変え、ゴブリンを袈裟斬りにした
「ぎ、ゲ」
彼はニヤリと笑い、そして消滅した
「倒、せた」
僕はドサッと尻もちをついた
チャージは体に負担がかかる
今まで二段階までしか挙げたことはないけど、一段階目で、長距離マラソンしたくらいの疲労が襲ってくるんだよね
少し休んでから出現した宝箱を開けてみた
中に入っていたのは防具セットだった
「おお、これはちょうどいいや」
さすがにパンツが見えそうなほどのミニスカだったから、僕はそこに入ってた防具に着替えた
おお、僕の巨体にもぴったり
というか勝手にサイズが変わった?
まあでもこれで外に出れ、ない?
宝を取ったのに全然転送される気配がない
しばらく待ってみたけど全然だめだ
仕方ないから五階層の入り口に戻った
「え? 階段が消えてる!?」
これじゃあ来た道を戻って帰ることもできない
壁を探ってみたけど何もないな
宝箱の所に戻って空箱になった宝箱をどかしてみる
するとその地面が動き始めて、下に降りるための階段が出て来た
「うーん、降りるしかないか」
おかしいな、ここに強い魔物がいたこともだけど、五階層をクリアして出れないどころか、さらに下の階層への階段が出て来るなんて
でも今はもう進むしかないか




