10 メスケモランクを上げる2
「や、やってしまった・・・。これは大ピンチかもしれない。今までこんなことなかったのに、どうして今日に限って」
溶岩の横に置いておいた僕の服が燃えてしまった
気が付いた時にはメラメラと
どうして? ちゃんと離して置いておいたのに
「どうしよう。袋の中には変えの下着くらいしか入れてないのに。着替えはほとんど宿だよ」
下着だけても一応入れておいて良かったけど、パンツと上の肌着しかなくて、ブラがないよ
どうしよう、あれないと浮き出ちゃう
そんな恰好で街に戻ったら変態じゃん
「あそうだ」
さっき手に入れたマシラの毛皮。これを少し加工して上着とスカートくらいは作れるかも
普段は下着が見えないようにパンツスタイルだけど、小さい頃はスカートも履いてたから、特に抵抗はない
それに裁縫は母さんから習ってたからある程度はできるし、普段着もほつれてたら自分で直してる
糸と針を出して繕い縫い、簡単な服を作った
「よしよし、上出来かな」
僕がさっきまで来ていた服も一応自分で作ったものだ
まあビッグラットって言う大きな鼠の皮を使った簡単なものだけどね
ビッグラット自体Fランクの魔物で、素材自体は珍しくもない
少しの物理攻撃耐性があるだけの何の変哲もない鎧だった
でも集落にいたときから使ってたから、何気に愛着がわいてたんだよねぇ
あ、ちゃんと洗濯はしてあるよ
匂いには敏感だからね
「さてと、先に行くか」
マシラ製の服を着て、四階層目に降りて行った
第四階層
今度は打って変わって寒い
周りが凍ってて、この格好だとさすがに寒い
まあ毛がある分多少はマシだけどね
「お、さっそくかな」
大きな氷の塊がゴロゴロと転がってくる
多分あれはアイスマジロだろう
硬い氷の鱗に覆われたアルマジロのような魔物で、転がって突進してくる攻撃には要注意って図鑑に書いてあった
火の魔法が効果てきめんで、簡単に倒せるんだけど、僕魔法って使ったことないんだよね
使い方も知らないし・・・。まあまた調べてみよう
魔法が無くても松明なんかで攻撃すると、鱗の氷が溶けて普通の剣なんかの攻撃が通りやすくなるらしい
まあ氷を砕けるなら普通に剣やハンマーでも倒せる
「かかって来い!」
大剣を構え、転がってくるアイスマジロを一刀両断した
「あら」
意外なほどあっさり、まるでバターのように斬れてしまった
次に来たアイスマジロも、その次もその次も、大剣で簡単に斬れた
何だろう、この大剣想像以上に切れ味も鋭いし、硬い
特に店で売ってる大剣と違いが分からないくらい普通の大剣だ
鉄の大剣と何ら変わりない
「僕の剣術も父さんから教わった父さんの自己流剣術。そこまですごいものだとは思えないしなぁ。もしかして伝説の剣ってのも本当なのかな?」
大剣をジッとみるけど、やっぱり何の変哲もない大きい剣だ
「気にしても仕方ないか」
アイスマジロも出てこなくなったし、寒いだけだから急ごう
少し走って今度はアイススケート場のような大きな広場に出た
そこで大きなアイスマジロが転がり回っている
「あいつを倒せば最終階層に行けるのかな?」
大剣をクルクルと回して切っ先をマジロに向ける
「よし! いくぞマジロ!」
相手もこちらに気づいてすでに臨戦態勢だ
チャージするかのようにその場で回転し始めた
あれがあたれば僕も少し痛いかもしれない
その回転攻撃は、あのラピッドマイマイにも引けを取らないほどに速かった
「うおっと」
避けると壁にぶつかって壁にひびが入った
「よし、あのスピードならもう見慣れてる。来い!」
大剣をいったん置いて再び転がってくるマジロを迎え撃つ
足を開いてしっかりと固定し、筋肉に力を込めた
ガシィ!
相手は僕を押しつぶそうと本気だ
「どりゃああああああ!!」
回転を止めて腕に力を込めて足を踏ん張る
「ふんぐぅううう!!」
結構重い、けど
「どっせい!」
持ち上げてジャンプし、地面に思いっきりたたきつけた
ぐじゃっと潰れて大きなアイスマジロを倒した
「ふいー、汗かいちゃった」
いい運動になったな
次はいよいよ第五階層か




