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大好きなメスケモになりました  作者: 香草(かおりぐさ)
2章

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勇者2

 世界は平和だ

 ナナミの勇者としての仕事もないほどに

 魔物の被害はあるが、冒険者たちでことたりる

 それでも彼女は研鑽を積むことをやめない

 毎日のように依頼を受け、毎日のように自分の倒せる敵より少しだけ強い敵と戦い、毎日毎日毎日毎日

 ナナミは努力を怠ったことなど一日もなかった

「よし、今日も倒せた!」

 相手はAランクに近いBランクの魔物オオキリムスビというカマキリとカミキリが合体したような大型の魔物

 硬い甲殻と鋭い鎌と牙を持つ危険な魔物だが、食用に適しており、その身は大トロのような味がするという

 そのため需要も高く、討伐依頼も出るのだが、ナナミが戦ったのは偶然出てきた個体だ

 彼女はそこまで金払いのいい依頼を受けてはいない

 本当に困っている人の依頼を見極めて受けているのだ

 そのためオオキリムスビの依頼は受けておらず、おかげで臨時収入が舞い込んだ

 すでにお金の付きかけていた彼女は喜ぶ

 自分が小さなころに亡くなった母親にもらった収納袋にその死体を入れ、スキップをしながらギルドに戻った

「今日は美味しいものを食べよ。何にしようかなぁ。やっぱり魚かなぁ」

 大好物の魚のことを思い浮かべ、ギルドから買い取りのお金を受け取る

 彼女は生活のお金が尽きそうになるとこのように幸運が舞い込んでくる

 そこに彼女の勇者としての力のヒントがありそうだが、本人はそのことに全く気付いていない

「よし、今日はお刺身だー!」

 ギルド近くの大衆食堂

 そこは異世界から来た男が料理人を務めており、刺身が食べれる世界でも数少ない場所となっている

 ナナミは初めてその刺身を食べたとき一瞬で虜になってしまった

 大衆食堂に置くには高くはあるが、たまの贅沢にナナミは楽しんでいた

「今日のおススメの刺身は・・・、お! あたいの好きなアカシマダイの刺身!」

 刺身の盛り合わせのセットを頼んで堪能する

 彼女は食べ終わったあとふうと一息ついてお金を払い、大衆食堂を出た

 そのあとは家に帰り、一人で反省会をする

 本来ならば勇者には仲間がいるものだ

 しかしながら彼女はまだこの街から一度も出たことがない

 もちろん仲間もおらず、それどころか友達もいない

 両親もすでに亡くなっており天涯孤独ではあるが、周りの龍人に可愛がられているため寂しくはないようだ

 友達がいないのも、ただ単に同年代がいないだけである

 旅に出ればいずれ仲間もできるだろうが、彼女を過保護なほど守っている龍人族は、どこの馬の骨ともわからないものを仲間とは認めないだろう

 それ故に、ナナミは旅に出ても龍人に守られ仲間ができないかもしれなかった

「うーん今日は牙の攻撃に油断しちゃったのが危なかったな。でも避けれない速度じゃなかった。油断しないようにしないとね」

 反省会を終え、お風呂に入り、歯を磨き、就寝するナナミであった


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