プラネタリウム
時は三月。ある街ではプラネタリウムが大盛況だ。
かつてのプラネタリウムは、会場の真ん中に投映機があって、頭上に星空を映す方式だった。
が、現在はそれだけではない。映画館のような座席配置で、ななめ前方に映す方式のプラネタリウムが増えてきた。
さらに、これまでのプラネタリウムは、「無数の穴に光を通して星空を再現」する『光学式』だった。
それが現在では、「星空のハイクオリティ映像をそのまま映す」という『デジタル式』のプラネタリウムが増えてきた。
新しい『デジタル式』の投映機には、大きな強みがある。その一つとして、星空以外の映像も映し出すことが可能なのだ。
普段はクラッシック音楽がかかることの多い、このプラネタリウムの会場。そこに今日は大音量で、地元球団の応援歌が流れていた。
お客さんの多くが、球団のレプリカユニフォームを着ている。応援グッズを持っている人も少なくない。
ななめ前方に映し出されているのは、地元球団が直近で日本一になった時の映像だ。そこに至るまでの軌跡、そのダイジェスト版である。
そして、激闘の末に、日本一だ! 胴上げだ!
歓喜の瞬間に思わず立ち上がる人々。
ある程度のファンならば、自宅で繰り返し見た映像だが、やはり大勢の仲間たちと一緒に見るのは最高だ! 日本一最高っ!
しばらく喜び合ったあとで、球団の応援歌がやんだ。
これで終わり? いやいや、このあとに『第二部』があるのだ。
すぐにクラシック音楽が流れ始める。
ななめ前方には星空が映し出された。流星群の映像だ。
大量の流れ星に向かって、ファンは今年の優勝を祈願する。
この街では、これがプロ野球開幕前の名物になっている。
参考文献:
プラネタリウムの疑問50 (みんなが知りたいシリーズ) 20
五藤光学研究所/編
成山堂書店
次は『すごい選手がやってきた』というお話です。




