野球場の笛吹き男
むかーし、むかし。
ある国の野球場に、悪いネズミが大発生した。野球のバットやグローブをかじるのだ。
困った球場関係者は、一人の男に助けを求めた。
ネズミ退治の名人だ。その方法はかなり独特である。
男は野球場に行くと、さっそく笛を吹き始めた~♪
すると、不思議なことが起こった。
悪いネズミが集まってきたのだ。
男は歩き出す。そのうしろから、ネズミの群れもついてきた。
こうやって、悪いネズミたちを野球場の外に連れ出した。
この時、街の一角では、ネコのマフィアたちが抗争をしていた。『マグロ組』対『カツオ組』。
その場所に男は、悪いネズミの群れを連れていった。
これに気づいたネコたちは、抗争をやめた。ネズミ退治のために共闘する。
こうして野球場の悪いネズミは駆除された。ネコのマフィアたちも仲良くなり、街に平和が訪れたのである。めでたし、めでたし。
さて、男は野球場に戻る。ネズミ退治の報酬を受け取るためだ。
ところが、球場関係者の中に小ずるい者がいた。約束の報酬を渡すのが、惜しくなったのだ。
なので、ケチる。
もともとは、「銀貨一〇〇枚」と「街で一番の美人と結婚」のはずだった。
それを、「百円玉一〇〇枚」と「街で売れ残っている美少女フィギュア」に、勝手に変更したのである。てへぺろ。
笛吹き男は怒った。約束と全然違うじゃないか。
「はて? 何のことですかな」
なめた態度をとる球場関係者。
「ならば、こちらにも考えがある」
これ以上の交渉は無意味だ。
男は笛を吹きながら野球場を出ていく~♪
すると、不思議なことが起こった。
そのうしろからは、野球のボールがぞろぞろぞろぞろ・・・・・・。
この野球場にあるボールすべて、それらを引き連れたまま、男は他の野球場の方へと歩いていった。
当時はちょうど、野球用品の値段が高騰していた。特にボール。
なので、そっちの球場関係者は、男を大歓迎した。
すぐさま「応援団のトランペット隊長」として、専属契約を結ぶ。
報酬は、「金貨一〇〇〇枚」と「街で一番人気の美少女フィギュア」と「この野球場の年間シート」と「新品のトランペット」と「悪いネズミたちの報復から身を守るためのボディーガード」と・・・・・・。
そういうわけで、めでたし、めでたし~♪
次回は「野球道具」のお話です。




