九十五層中ボス討伐。フェルノ無双モード
『プギャー大作戦だが、仮にそれを実行しようとなった場合、出来る限り早く、功績がある方が良い』
エルフィナに言われました。
で、それを基に話し合った結果、一体何が起こったのかというと……。
「まさか、俺が九十五層の中ボスをソロ討伐することになるとは……」
「騎士団を追い出されたという属性を持つ君が作戦の軸になっているからね」
「確かにそれなら、シンシアが功績を出すことにこだわる必要はないわね」
「そうですね」
現在、四人は立ってはいるものの、足を動かしてはいない。
だが、地面が動いているかのように水平移動している。
シンシアに言われたのだ。
『フェルノ様。襲撃してきた暗部を一か所に集めていましたが、あれを利用して、私たち四人が乗った地面を動かせば、私たちはダンジョンで歩く必要が無いのでは?』
ちなみに言われたフェルノは『完全な真顔』だったので、フェルノの脳内についてはお察しということで。
「とりあえず、この九十五層の中ボスを倒せば、かなり楽になるからな」
厳密に言えば、この中ボス。『地下大迷宮を攻略する』という点においては、倒す必要性は全くない。
近道で待ち構えているからだ。
しかし、この九十五層は他の階層と比べて『そもそも回り道がとんでもなく広い』ため、スムーズに攻略を行おうとすれば、この中ボスの討伐は必須である。
「……さて、もうそろそろボスだな。ただ、一点だけ問題があるんだよな……」
「ん?」
「その、なんていうか……本気の戦いの最中って、なんか気分が高揚してきて、『お前は戦闘狂か?』って言いたくなるような感じになるんだよなぁ……」
「言い換えれば『黒歴史』ということなのかい?」
「自分でも制御できないんだよね。尊大な感じになるし……動きも結構雑になるし」
「普段からストレスを内側に抱えるようなことをしていたから、その反動かしら?」
「よくわからんが……あんまり、『本気の戦い』を見せたくはないんだよねぇ……」
何か、抑えきれないようなものがフェルノにはあるのかもしれない。
が、功績は必要だ。
加えて、『本気になったフェルノが見たいから』というのが、エルフィナがソロ討伐を推奨した理由でもあるので、見せないわけにはいかない。
「……ま、いっか。とりあえず戦ってみよう」
中ボスは大部屋にいる。
三人には入り口で待ってもらって、フェルノは大部屋に入っていく。
他の階層でもこの手の大部屋はあるのだが、それよりも圧倒的に広い。
そして部屋の中央には、全長さん十メートルはあるのではないかと思うほど、巨大な黒いドラゴンが待ち構えている。
ドラゴンが、フェルノの存在を認識した!
「BAOOOOOOOOOOOOOOOO!」
空気を震わせるドラゴンの咆哮。
「まったく……しかし、やたら翼が岩みたいにゴツゴツしてんな。『飛ばないドラゴン』っていう噂は本当だったわけね」
フェルノは腰から妖刀を抜いた。
だがそれと同時に、ドラゴンは口にエネルギーを集約させていく!
「ほう?一発目からそれか……おもしろい!火力勝負と行こうか!」
フェルノは左手を前に出して、マグマ属性を解放。
手のひらにマグマの球体が出現!
「BAOOOOOOOOOO!」
「『イラプション・バースト』!」
ドラゴンブレスと、噴火のようなマグマが双方から放たれる。
スピードはほぼ互角。
フェルノとドラゴンのほぼ中央で激突する!
そのまま、どちらもエネルギーを放出し続けた。
「フフフッ……全然本気じゃねえんだよ!」
放出する噴火の直径が三倍に膨れ上がる!
そのままドラゴンブレスを容易く押し返すと、ドラゴンの胴体の鱗を焼いた。
「GYAAAAAAAAAA!」
悲鳴を上げるドラゴンだが、踏ん張ると、そのまま自身の爪に魔力を集約させて、それを振り下ろす。
地面に亀裂を入れながら斬撃が放出された。
迫るそれに対して、フェルノは微笑む。
「いいねぇそういうの……」
フェルノは妖刀にマグマを流し込むと、そのままマグマの刃を作り出して刃を延長させた。
「だが、本気でかかってこいや!」
妖刀を振り下ろす。
すると、マグマ色の斬撃を放出されて、三日月のような形となって飛ぶ。
ドラゴンが放出したそれを容易く砕くと、そのままドラゴンの鱗を切断する。
「クククッ……うーん、頑丈さはあるんだが、なんだかなぁ……」
フェルノは妖刀を見る。
妖刀は、折れない。
意思があり、野望があり、『何をなすべきか』が分かっているからだ。
しかし……そのあたりが、『今のフェルノと釣り合っていない』ような感じがする。
「お留守番だ」
妖刀を鞘に納めると、そのまま地面に置いた。
「さてと……行くぜ!」
爆発的な速度で突撃するフェルノ。
ドラゴンは長い尻尾を繰り出してくる。
「いつもなら避けてるが……その必要はねえな!」
振り下ろされる強靭な尻尾。
しかし、フェルノはそれを右手だけで受け止めた。
だが、このままなら、圧倒的に体が小さいフェルノは何もできない。
もちろん、それで済ませる気は毛頭ない!
「マグマエンジン!」
フェルノの全身から、マグマ色のオーラが放出される。
そのまま、尻尾を全力で引っ張った。
すると、ドラゴンの胴体が『宙に浮いた』!
「おりゃああああああああああああああ!」
フェルノはそのまま、自分の体を軸にしてドラゴンの体を一回転させると、そのまま部屋の奥の壁にぶん投げた!
激突して、ダンジョンの全てが震えたのではないかと思うほど、強烈な衝撃が発生する。
「あああああ気持ちいいいいいいいい!」
かなりハイになっているフェルノ。
壁から出てくるドラゴンに向かって突撃する。
そのまま右の拳を構えると、体から溢れるマグマ色のオーラが三倍に膨れ上がり、そのまま右手に集約されて行く。
「GURUAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!」
ドラゴンは本気でブチ切れたような瞳になると、再び、ブレスを構える。
先ほどよりも膨大で、圧倒的なエネルギーが口の中に集約された。
「ほー……なるほどね……」
ブレスが放出され、フェルノに迫っていく。
「火力が違うんだよ!『イラプション・バースト』!」
左手から発生させる『噴火』!
先ほど放出したものよりも太く、圧倒的なそれが放出されてブレスと激突!
しかし、今度はもう競り合うこともない。
ブレスを焼き尽くして、そのままドラゴンに向かう。
「GURU!?」
驚くドラゴン。
だが、その頑丈そうなごつごつした翼を自分の前に交差させて、防御の構えを取る。
「そんな翼で防げると思ってんのか!」
フェルノの噴火攻撃は、そのままドラゴンの翼を二枚とも貫通して、ドラゴンの胴体を焼いていく。
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAA!」
「あー近くに来るとうっせえなそれ……だが、そろそろ終わりだ!」
右手に集約されるマグマのオーラが一気に膨れ上がる。
「GUOOOOOOOOOOOOOOOOOO!」
ドラゴンは長く太い自分の右腕を構える。
そのまま拳を向けてきた。
「そんな構えのなってない拳で勝てると思ってんのか!『マグマエンジン・トップギア』!」
フェルノの体からさらにマグマ色のオーラが吹き出すと、左手にもオーラが集まる。
それを、フェルノは全力で前に突き出した。
ドラゴンの拳と激突して、そのままドラゴンの拳を砕いた!
「いいねえこういうの!自分よりデカい敵を火力で潰すのはやっぱ気持ちいいぜ!」
フェルノは飛びあがると、そのままマグマで焼きまくってボロボロになっている鱗まで肉薄する!
拳を構えるフェルノ。
その背後には、『口を開けたドラゴン』のオーラが出現した!
「竜拳術・我竜・大噴火滅竜撃!」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!!
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!……A、AA……」
作戦もなにもない、単なる『絶大な暴力』
その一撃を叩き込まれたドラゴンは、悲鳴をあげると、数秒後には動かなくなった。
「ククク……っしゃあああああああああ!俺の勝ちいいいいいいいいい!」
フェルノは両手を突き上げて、勝利を宣言した!
「なるほど、普段あんなに落ち着いてるのに、高ぶってくるとこうなるのね……だけど、すごいわね。このダンジョンって、Sランク冒険者でもソロで挑まないようなダンジョンよ?」
「ああ、すごい戦闘力だ。正直、ここまでとは思っていなかったよ」
「純粋な意味で『圧倒的』ですね。素晴らしいです。フェルノ様」
なんとも三者三様な意見だが、まあ、これが現実である。
作品を読んで、
面白い!
続きが気になる!
『マグマ』と『ドラゴン』で『ステゴロ』なんてカッコイイに決まってんだろ!
と思った方は、評価・ブックマークをお願いします!モチベーションがめっちゃ上がります!
執筆の励みになります。
☆☆☆☆☆を★★★★★に!ぜひ。よろしくお願いします!




