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41話 ゴルド商会


翌朝 剣の稽古を終えコアルームに戻る。


昨日来た探索者達は全員ホテルに泊まっているようだ。



そりゃそうだよな。王都に転移するお金でここのホテルに泊まれて食べ放題だ。


もし銀貨1枚払って王都へ帰ったとしても、さらに宿と飯代を払わないとならないし。



どう考えてもここのホテルに泊まったほうが安上がりなのである。



そして今確認してて気が付いたのだが、


「セバスよ。このホテルに泊まった奴らが監禁ボーナス状態になってるんだが?」


「鍵を掛けて部屋に閉じ込めるといった状態が監禁とみなされたようでございます」


「いや、鍵をかけたって自分達でかけたんだけど・・・」


「こちらとしてもホテルを建てるようなマスターは(かつて居なかったようなので私も初めて知りました」


「ああ、そうなんだ」



じゃあ仕方ないね。



「これ監禁状態ってされてる方に何か影響は出るのか?」


「とくに影響はございません」



と言う事は増える分には問題なし!



さぁ王都へ行こう!




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




王都の屋敷に転移する。


今回の同行者はセバスとガーシュの2人。



さて今回の目的は何かというと、それは商人の囲い込み。


探索者はこれから口コミで増えていくだろう。


王都や町に探索者が少なくなると買い物や酒、宿の需要が無くなる。


そんな商売人達を我が町に引っ張り込むのだ。



王都が(さびれる?我が町の努力の(たまものですよ。




最初に先ず向かうのはゴルド商会。



そう、ガーシュが元会長だった商会だ。


なので今回ももちろん仮面装着(認識阻害付)済みのガーシュである。




通りからお店を見ると人がそこそこ見える。



ユウ:ガーシュ、結構流行ってるんだな。


ガーシュ:そうでございますね。私はもう関係ないのでどうでもいいのですが。



まぁ、居なくなってもしっかり回ってるなんて嫌な気分だよな。



ガーシュ:それよりユウ様、周りの店の様子がおかしいのですが。



周りの店?ふむ、そう言われればたしかに活気はない。


だが近くにこのゴルド商会があったのでは近くの店は大変なのは火を見るより明らかだが。



ユウ:近くにこれだけ大きな店があったら仕方ないな。


ガーシュ:いえ、私がやってた頃はしっかり専門ごとに分け、それぞれ差別化をしていたのです。まさか・・・!



俺達はその店に入っていく。そこは庶民用の女性服を売っている店だった。



「こんにちは。見せてもらっていいかい?」


「ああ、いらっしゃい。珍しいね、お客さん王都には最近来たのかい?」


「ええ、昨日着いたばかりです」


「そうかい、買うなら早めに決めたほうがいいよ。ハァ」




ユウ:ガーシュ、自分で聞いてみるか?何だか様子が変ではあるが。


ガーシュ:申し訳ありません。まだ顔を出す勇気が・・・。


ユウ:そうか、まぁ気にするな。




「なぁ、女将さん。結構いい商品が並んでるけどお客さん少ないのはなんでだい?」


「そんな事が聞きたいのかい?あまり時間はないと思うがね・・・」



ん?さっきから会話の様子が変だな。時間がない?



「何かあったんですか?」



「ゴルド商会さ。前の会長さんの時はみんなで力を合わせてやってきたってのにさ!その会長が追い出されて跡取った番頭が全部独占するような事を始めちまったのさ。


前の会長だってあいつらが仕組んで追い出したに決まってる。その証拠に追い出した途端に奥さんとくっついちまった。


そのうえ商売を広げてギルドに圧力掛けてさ。根こそぎ仕入れちまうし、周りの店に客が入ると人相悪い奴らがやってくるのさ。ゴルドのおかげでこっちは商売になりゃしないよ」




「おいおい、ばーさん。聞き捨てならねぇな。誰がゴルド商会だって?」


ごつい3人がいきなり会話に入ってきた。


まぁ気配察知で来てるのはわかっていたけどな。



「あんたらだよ!客が来ると必ず来やがって、それで何も買わずに帰るじゃないか!」


「客に向かって失礼だな。たまたま(・・・・)気に入った服がなかっただけだぜ?」


「ここには女物しかないのにお前らの気に入る服があるかい!」


「あーやだやだ。おい、お前らもこんな店で買うのはやめとけ。あっちの店なら俺が頼んで値引きもしてやれるぜ?」



そう言って暗にゴルド商会に連れて行こうとする。やっぱりグルじゃねーか。



「これはご親切にどうも。でもここで買うから遠慮するよ」


「おいおい、言うこと聞いておいた方がいいぜ?かわいい顔に傷がついちゃうかもなぁ」



ニヤニヤとこちらを見ている3人組。ふむここで暴れても店に迷惑掛かるだけか。ここって店の中って意味じゃないよ?そんな野蛮人じゃないよ?



「それは嫌だなぁ。セバス、ガ・・・おい、行くぞ」



あっぶね、思わずガーシュの名前呼びそうになっちゃったよ。



俺達は店を出て、そのままゴルド商会に向かう。




「いらっしゃいませー」


愛想のいい挨拶が飛んでくる。



まぁたしかに品物はいいかもしれないけど高くないか?



ユウ:ガーシュ、この値段って適正なのか?大銅貨5枚と聞いてたポーションが大銅貨12枚だぞ。


ガーシュ:明らかに高いですよ、何ですかこれは。これじゃ一般庶民は気軽に手が出せないじゃないか。




だよなー。さっきのお母さんの店にあったのと同じ服もあるけど倍近く高いし。



それもこれも相場よりも高いらしい。


そうやってグルグルと見回っていると男が近付いてきた。



「ようこそゴルド商会へ。わたくしここで会長をやってます"ハン"と申します。何なりとお申し付けください」



ユウ;こいつか?


ガーシュ:はい!絶対に許せません!私の事はどうでもいいのです。一般の庶民まで騙し食い物にした事は許せません。


ユウ:まぁ、任せろ。



「ねぇ会長さん。ここの商品は全部値段が高くないですか?」


「あぁ、良い物にはそれなりに値段を付けませんと作る者の気持ちが入りませんので。我々は製作者の事も大切に考えているのです」



よくもまぁぬけぬけと。


「え?ギルド経由で仕入れではなく直接の仕入れですか?」


「中にはそういった取引もございます」


「前の会長さんの時はもっと安かったのになぁ」


「・・・・お知り合いですか?」



お、様子が変わったな。


「ええ、直接お店には買いに来ませんでしたがよく知ってますよ」


「・・ではこれからはうちとの取引をお願いします」


「ええ、王都で一番大きな店ですしねぇ。そうしたいのですがどうも値段が・・・」


「・・・ではうちとは取引は出来ないと?高いといっても貴族様なら大した値段ではないのでは?」


「え?私は貴族なんかじゃないですよ?」


「えっ?従者2人も連れてるのに?」


「ええ、違いますよ」


「ではどこかの商店の御子息で?」


「いや、ただの一般庶民だけど」


「庶民かよ・・・ちっ!」



本性駄々漏れしてんぞ、おい。




「おい、君。こちらのお客様のご案内を頼む」


慌てて女の人が近寄ってくる。


すれ違う時に「適当にやれ」って言ったの聞こえてるからな。




「ご要望はございますか?」


「いや適当に見るからいいよ。あんたも大変だね、会長っていつもああなの?」


「私達にとっては素晴らしい会長でございます」



ふーん。従業員には優しいのかな?


鑑定っと。



△▼△▼△▼△▼△▼△▼△


【NAME】メア

【CLASS】人族


【LV】7

・・・・

・・・・

・・・・

・・・・



【称号】ハン商会長愛人



△▼△▼△▼△▼△▼△▼△





愛人かよ!!


そりゃ素晴らしい会長だろうよ!!




もういいや、こんな店出るぞ。




「ガーシュ、知ってる従業員は居たか?」


「いえ、私と懇意(こんい)にしていたものは見掛けませんでした」


「そうか」



帰りに武器コーナーでカイに合いそうな剣があったので買っていくことにした。


会計の時に強面から言われた値引きの話をしたら嫌な顔された。



もういいや、と剣をマジックバッグに入れ店を出ようとしたところで



「お客様!もしかしてそのバッグはマジックバッグでしょうか?」


「そうだけど?」


「是非当店にお売りください!!」


「いや、無理」



即答にあっけにとられるハン。しかし持ち直しも早く



「そこをなんとか!」


「いや無理だって」



無制限のバッグなんて渡してしまったら騒ぎどころの話ではない。こんなことならLv1の小の方を持ってくればよかった。


どうせ収納に入れてしまうのだからバッグの容量なんて関係ないし。



「どうしても無理でございますか?」


「無理だと何度も言ってるでしょ」


「何ならあなた方に商品を盗まれたと警備兵を呼んでもいいのですよ?」


「へぇ、そこまでするんだ。いいよ、呼びなよ」


「ぐっ!いいからそれを売りやがれ」



売ってもらう人の態度じゃないな。



「欲しけりゃ奪い取れば?じゃあな」




ハンはギリギリと歯を噛みしめている。





さてどんな仕掛けをやってくるかな?




いつもお読みいただきありがとうございます。

ブックマークや評価の☆☆☆☆☆も押してくれると喜びます。

今後もよろしくお願いします

m(_ _)m

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