39話 バトルロイヤル
「「それはバトルロイヤルなのです。」」
詳しい話は全員で合流してから改めてする事にした。
・バトルロイヤルは最大100人参加のデスマッチ。勝者は一人。
・優勝商品は豪華。今日はマジックバッグ中である。
・勝利数や勝率、撃破数、棄権数、敗退数によって独自のレーティングが出されランキングが発表される(ランキングボードで随時更新)
・今は階級が一つだが、参加者が増えたらLvで階級を分けるらしい。
・各階級上位5人までが先ほどの部屋に無料招待される。(その日のバトルが終わった時点での上位5人)
・その上位5人はPTや友達9人まで同室させられる。本人含む最大10人。全員無料であるがランキングは1日ごとに変わるので連泊は無理。
・次の日もランキング上位に入ればまた泊まれる。
この話を聞いて男達は闘技場へと走っていった。PTの女性に蹴り飛ばされて向かう人もいた。
(あの蹴りのダメージもDPになってるんだよなぁ。)
そう思ったハルキであった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
闘技場の受付では今日来た探索者達が我先にと行列を作り参加受付を済ませている。
一方俺達専用ルームでは、
「ユウ、本当に参加されるのですか?」
「セバスよ。俺の名はベイダーだ。間違えるな。」
「そう言うなら私もルークでございますよ。」
ああ、そうだったな。
俺がバトルロイヤルに出ると決めた時セバスは反対した。死ぬ事じゃなく目立つ事を心配したのだ。
じゃあバレないようにと仮面を付け武器は刀ではなくライトソードにし、衣装は黒一色の衣装にマント付きである。
それを見たルーリが「ベイダーだわ!」と言いだしたのが名前の由来だ。ルークという名もルーリが付けた。
フルフェイスの仮面だと視界が狭かったので、仮面を少しいじって面頬と呼ばれる顔の下半分を覆うものに魔道具作成スキルで認識阻害をMaxで付与する。
これで多少目が出ていても俺だとばれる事はない。俺から正体をバラさなければな。
セバスは完全にフルフェイス仮面である。お狐様だ。
ルーリも出たがったのだがもう少し人が増えてからということにした。
だってあいつ魔族の姿で出るっていうんだもん。偽名はパドメだと自分で言ってた。全力で俺を倒したいらしい。
さて記念すべき第1回バトロワ参加者は俺も含め40人である。
ハルキ達はもちろん参加していない。俺が参加するのを見て辞退した。
ちなみに優勝賞品は「マジックバッグ中」である。大きさが中なのではなく容量が中(Lv3)だ。
商品を見て探索者が参加に飛びついたのだ。
ざっと鑑定したところ一番高くて51、低くて19,20といったところ。平均だと30ちょいくらいだろうか?
さて60万DPのお仕事といこうか。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
闘技場の舞台に立つ。将来を見越して大きめに作ったから参加40人では広すぎる感じだ。
探索者達は全員俺の方を見ている。それはそうだな、俺だけ知らない顔だし。顔隠してるからめっちゃ怪しいし。
場内ではルールが説明されている。
・腕輪の着用義務。緑色の確認。
・死ぬ事はない。(スタッフによるデモンストレーション済み。赤変化)
・場外は負けにならない(30秒以内の舞台復帰)
・武器は何でもOK。魔法もOK。アイテムも使用OK
以上、簡単なルールだ。
ちなみにダメージの数値は【HP+VIT-(ダメージ部位×(STR+武器の攻撃力))】ではじき出される。
ダメージ部位については詳しい部位や数値は教えられないと言われたが、例えば頭や心臓といった急所なら○倍とか、首などは○倍などと決まっているらしい。
腕や足を切断された場合は例えHPが回復しても生えてくる事はない。目や耳も同じことが言える。潰されたら終わりだ。(完全回復スキルは欠損回復可能)
多分心臓や脳ももしかしたら○倍とかじゃなく一撃死とかになるのかもしれないな。
それと腕輪を付けた腕を切り落とされた場合だが、あくまで腕に付けているというだけで腕輪自体は心臓とリンクされているらしい。それで心臓が止まったり、即死状態になったら発動するとセバスが教えてくれた。
落ちた腕輪を壊されたら?運が良ければコアに移動してもらってリバイブで生き返れるだろうな。
もし運が悪くても大丈夫。ちゃんと今まで通り生活してくれるよ。これならみんなニッコリ。
さて心配もなくなったところで舞台に集中しよう。
場内アナウンスではカウントダウンが始まる。
『開始5秒前、4、3、2、1、戦闘開始!!』
じゃあ行こうか。
手始めに目についたやつの首を刎ねる。返す刀で横のやつも刎ねた。ライトソード切れ味抜群だな。
そちらに気を取られてるやつらも次々刎ねていく。剣道を人型と戦う事を想定し独自に昇華させた剣術と高AGIに誰もついてこれない。
しかも剣に裏も表もないので非常に扱いやすい上、DEXと高速思考によって思ったように体が動く。
ユウ:救護室、大丈夫か?
エルフ:はい。素敵ですユウ様。どんどん送ってきてください。
リバイブを習得したエルフからは余裕の返事だ。
腕輪での復活だからあいつらが余裕なのは当たり前だった(笑)多分モニターでも見てるんだろう。
次々と倒していくと全員が俺に向かって武器を構える。
バトルロイヤルなのになぁ。あ、乱戦ならみんなで強いやつを倒すのは定跡か。
なら仕方ない。気分は一条寺下り松だ。
背後から来る剣を半身させて避け、そのまま横薙ぎにする。
後ろから襲う時は声出しちゃダメでしょ。
まぁ声出す前に気配察知とAGIで余裕で避けられるんだけどな。
同時に3方向から3人が掛かってくるが足りないな。
一人と間合いを詰め首を刎ねる。向かってきた2人に向き直りその間に入り込む。
横に凪いでから反転し相手が振り返ったところで首を刎ねる。
さてこれで残りは20人弱か。
面倒だし、魔法でいっか。と次々レーザー発射。
残ったのは盾士と剣士。この中で一番レベルの高かったやつらだな。
レーザーを盾で受け止められる。
お、やるな。じゃあ間合い詰めて剣で――。
これも盾で受け止められた。
「そんだけ首を狙ってくればタイミングさえ分かれば防げる・・・。」
いや、魔法剣も盾で受けられるのか。
ああ、ファイヤーボールなんかも盾で受けるの(漫画で)見た事あるし、そんなもんか。
あまり力は入れてないのだが相手の顔は結構きつそうだ。もう一人が向かってきた、ここでフラッシュ。
「「ぐあっ」」
2人まとめて食らってくれたようだ。
必死に首を守っているので鎧の継ぎ目から剣を刺し込みとどめを刺した。
『 勝者 ベイダー! 』
アナウンスが場内に響き渡る。
観客はほとんどいないが手を上げて歓声にこたえる。ほとんど身内みたいなもんだったが。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
※ ジョー視点 ※
「なんなんだあいつ。めちゃくちゃな強さだったぞ。」
隣で起き上がるジェイク(盾士)にそう愚痴る。
「ああ、かなりの強さだ。しかも魔法も無詠唱だったし、見た事のない魔法を使っていたな」
そうだ、武器も初めて見たが、あんな魔法見たことも聞いた事もない。
弓の様な攻撃でしかもほとんど予備動作もない。指を向けられただけだ。
最後もいきなり光って目の前が真っ白になって、今ココだ。
「だが本当に一瞬で救護室に居るんだな。勇者様ってのは不思議な力を持ってるもんだ」
腕輪を見るとさっきまでは緑に光っていたが、今は赤く光っている。
「本当にそう思うよ。」
いつもの通りジェイクが冷静に返答をしてくる。
「あー!マジックバッグ欲しかったんだけどな!」
「みんなそうさ。次に出てくるのに期待するとしよう。その時は負けないよう鍛えておこうぜ。」
ベッドから立ち上がり救護室を出ると参加賞でポーション1本貰えた。これはこれで嬉しいのだがバッグが欲しかったなぁ。
歩いて行くとクレアとハルキが待っていた。
「惨敗だったわね」とクレア。
「ああ、次は絶対負けねぇ。」
それよりもだ。
「おい、ハルキ。あんな強い奴が出てくるなんて聞いてないぞ。」
「いやーすいません。今回の商品がマジックバッグ中だったんで参加してきたのかもしれませんね。」
「あいつの事をしってるのか?」
「はい。勇者様の師匠か先生だったはずです。名前はベイダーさんです」
おい、勇者の師匠って。そりゃ強いはずだよ・・・・。
でも次は無理でもいつかは追いつきたい。いや絶対追いつくんだ。その為には剣術Lv10を目指さなければ!
よし、コイン貯めよう!!カジノいこうぜハルキ!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
さて第1回というか、プレオープンのバトルロイヤルが終わったな。
結果から言うと俺強い。いきなりの速攻がきいたのかもしれないが速度についてきてなかったもんな。
「セバスさんや。あ、ルークさんや。これでもまだ心配だと言うつもりかね?」
「心配が増えました。これに味をしめてまた参加するつもりでしょう?」
ぐはっ、ばれてる。
そうなのだ。直接俺が殺しまくったおかげで経験値がウハウハだったのだ。
Lvも37になった。
【NAME】ユウ
【CLASS】人族
【LV】37/100
【HP】11849/11849
【MP】12978/12978
【STR】1467
【VIT】950
【INT】1693
【AGI】1080
【DEX】1296
【LUC】118
スキル
迷宮創造
剣術 Lv10
身体強化 Lv10
料理 Lv3
高速思考 Lv10
魔道具作成 Lv10
翻訳
不老
格闘術 Lv10
気配察知 Lv10
状態異常無効
物理耐性 Lv10
回避 Lv10
収納 Lv10
鑑定 Lv10
偽装 Lv10
無詠唱
完全回復
隠密 Lv10
並列思考 Lv10
リバイブ
転移
光魔法 Lv10
HP回復強化 Lv10
MP回復強化 Lv10
これでもう少しLvの高い奴が来たらもっと美味しいのではないだろうか?
「ユウ、ここに配下の魔物も紛れ込ませたらいいんじゃないでしょうか?Lvアップもしますし」
そう言って俺に参加させない気だな??
「そうだなそのうち参加させよう、そのうちな。」
「配下の前に私の出番もね!ユウ以上に華麗に切り殺してやるんだから!」
一人危ない奴がいるがスルーしておこう。
こいつ魔族化?人化解除?すると身長が今の155cmから170cmと俺より大きくなるし、目が赤くなって羽と角が生えるし、般若面頬つけるとマジ悪魔なんだよね。
顔も大人っぽくなるんだし髪の毛も金髪から黒髪に変わるんだし仮面いらないだろって言ったら、
「正体不明の美少女仮面よ!悪のベイダーを倒した後に初めて仮面を取って正体をあらわすのよ!」
悪って・・・お前。俺は一応 勇者の師匠だからな?
パドメ役のお前の方がどう見ても悪役だろうが。ダークサイド堕ちてるだろうが。
それに何だよ美少女仮面って。目しか見えないんだから美少女も何もわからんだろう。
「おかめでいいだろ、おかめで。」
「絶・対・い・や!!」
おかめ知ってるんかルーリ!
負けるつもりはないからルーリが楽しければいいんだがな。
いざという時の切り札はまだいくつも隠してあるし。
こうしてこっそりプレオープンのバトルロイヤルは幕を下ろした。
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