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94話

アレクは、迷宮都市に戻って来た。


冒険者ギルドに行き、ミジルとルジンと話をしていた。


「ルジン、結婚はいつするんだ。」

「えっ、はい。すぐにでも結婚します。」

「そうなんだ、じゃぁ、お祝いしないとね。」


アレクはバレーに準備をするように指示を出し、領主館の家臣にも手伝うように伝える。

派手にやろうと、大はしゃぎをしているアレクを冷たい目で見ているバレーがいる。


着々と準備を進める家臣達。


アレクはルジンの結婚相手と会っていた。

「初めまして、アレクスです。」

「ステラ・マルソーです。今回は本当にありがとうございます。」

「ルジンは家臣となったのです。当然のことをしたまでですよ。」

「ステラはこれで、平民になったしまうのか。」

「結婚をすると貴族籍から抜かれますので。」

「そうだよな。ルジン。結婚祝いにお前にオリオン公国の騎士爵を与える。功績の前渡しだ頑張れよ。」「バレー、ということだから衣装の変更をお願いね。」

「・・・師匠おぉぉ、もう勘弁してくださいよ。」 バレー泣きそうだ。いや泣いていた。


結婚の準備の変更はあったが何とか間に合った。


二人は結婚式を挙げた。


その後は迷宮都市を巻き込み大騒ぎであった。

領主のおごりで、町中の酒と食事が無料となり冒険者、領民、その他の人々が大騒ぎをしたのだ。

アレクは、楽しそうに一緒にお祭り騒いでいた。


「うほおおぉぉ、うめぇー。」

「この酒、うまいな。」

「ごはん、おいしいね。」

「タダだぁぁ、美味いなー。」

「うまっうま。」

「さ、最高だー。」



そんな大騒ぎを丸二日行い。3日目は都市が静かになっていた。二日酔いで誰も喋らなかったのだ。



アレクは、この迷宮都市が世界の中心になる。ステータスカード、スキル玉等は迷宮都市の迷宮核から製造される。

迷宮都市の防衛力の強化を計画していた。

この迷宮都市は、山脈の山間にある。空からなら簡単だが、地上からではトンネルを使わなければ難しい。ほとんど攻撃は無理だろうとなる。だが、中にいる者が反乱、動乱を起こせば簡単に陥落はしてしまう。アレクは、迷宮都市の領民以外は、ステータスカードを他とは少し違う物を全員に持たせるようにする。滞在中の者も含めて、すべての人に持たせるようにしたのだ。


トンネルの出入り口には、登録所を設け機人を配置したのだ。この機人、もの凄く優秀であった。それまで迷宮都市内への検査、許可を人が行っていたが、機人が行うようになると行列がなくなった。今まで長い行列に何時間も並び、待たされていた人々は大喜びであった。逆に役人たちは、意気消沈してしまった。

アレクは役人に多少のフォローをしながら、次々と迷宮都市を変えていった。


迷宮内も変更を行った。1層から10層は同じだが、11層から13層までを初心者専用としたのだ。なるべく人が死なない様にするためだ。14層から16層を初心者から中級者用、17層から30層までを中級者以上とした。30層からは上級者以外は入れない様にしたのだ。今までの迷宮でも30層に到達した者はいなかった。これからは魔物の強さと数を減らして宝物・スキル玉等を増やし、お金を稼げるように変更をしていった。30層に到達できる人を増やしていく。

31層からは、各一層ごとに魔物が強くなっていくのだ。種類も増やし冒険者殺しの迷宮となるだろう。

その代わりに、高額で売れる物や、スキル玉も多く獲得出来るようにしたのだ。


スキル玉効果もあり、迷宮都市は宿などが足りなくなり、都市の拡張まで行うようになった。

この迷宮都市は自給自足が出来る都市となっている。人口10万までなら迷宮都市内の農場で食料が供給出来るようにしていた。現在は4万人程度なのでまったく問題なく都市運営をしている。

領民1万人と冒険者、商人他の滞在者が3万人である。


アレクは迷宮都市の改造、変更が終わり、出来栄えに自己満足に浸っていた。自画自賛している。


誰も褒めてくれない。


褒めてほしくて、アレクは冒険者ギルドに向かう。


「こんにちは。」

「あ、アレクス様、どうしましたか。」

「いや、なんとなく来ただけ。」

「アレクス様、周りを見てください、もう大変なんです、忙しいんです。用がないならお帰り下さい。」

アレクは追い出された。


街中も人で賑わっている。冒険者、商人、商人もどきと職人たちで活気に満ちている。

人種も人間、獣人、魚人、ドワーフ、エルフとここには差別もない様に見える。


アレクは、街を一通り見て満足したので、領主館に戻り少しだけ書類の仕事をしたのだった。


後日、ハロルドからローエム王国に来るように連絡がきた。


アレクはガレオン号に乗り込み、ローエム王国を目指した。



「父上、ご用とは何でしょうか。」

「おお、アレクよく来たな。まぁ、座れ。」

「はい。」

「実はな、スキル玉を奪い合い、戦争になった。」

「あぇ、え、戦争ですか。」

「今は小競り合い程度だが、そのうちに大事になる。ローエム王国に各国が仕掛けてきている。ローエム王国を侵略するのだろう。目的はスキル玉だ。迷宮都市を手に入れたいのだ。」

「迷宮都市は、ローエム王国の最南端ですよ。」

「そうだ、だからローエム王国を侵略するのだ。王都を落とせば従うと思っているのだろう。」

「オリオン公国はどうするのですか。」

「だからアレクを呼んだのだ。これから対応を協議する。明日7伯爵と会議を開く。」


翌日



「皆、集まったな。では始めるか。ローエル王国の戦争の件は、もう知っていると思うがもう一度伝える。ローエム王国の隣接国、ドレイブ王国、ルービス王国、イングリット王国が攻めてくる。」


「・・・・・・・」

「あの3か国がよく協力しましたね。」

「仲悪いの。」

「ドレイブ王国とルービス王国は、この間まで戦争をしていただろう。」

「そうだったね、ごめん。」


「ローエム王国が戦場になるのは確実だ。オリオン公国、公爵としての対応を協議したい。皆、何かあるか。」

「公爵としてなら参戦しかないでしょう。ですがオリオン公国としてなら参戦も不参戦もどちらも可能です。」

「参戦するしか選択はありえないでしょう。ローエム王国の公爵でもあるのです。」

「そうだよな。」

「戦争かー。」

「参戦をする前提で話を進めるぞ。」


相手には、3か国同時に相手にしなければならない。国の規模も4か国とも同じようなものだ。ローエム王国が3倍の勢力と戦争をする事になるのだ。どうしても兵力が足りなくなる。


「オリオン家で、1か国受け持っても兵士の数が全く足りませんね。」

「数の力は、どうにもならんな。」

「これじゃ、守り切れないな。1か所でも負けたら、王都まで攻め込まれるな。」

「では、オリオン家を分散させてはどうですか。今より良くなりますよ。」

「そうすると、家の担当する国に押し込まれる、いずれ崩れるな。」

「カンカン、がくがく、がやがや・・・・・・」



「ねー。何で守りの事ばかりを考えてるの。守れないなら攻めようよ、攻撃は最大の防御だよ。」




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