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最弱勇者は吟遊詩人  作者: 神崎柴乃
16/27

次の旅路

投稿遅れてすみません。

仕事の都合でちょっと最近忙しく……(言い訳)

できるだけペースを乱さないようにしていきますが少し間が開くかもしれません

勇者会議を終え、変な連中に絡まれた後「レベリングをする」と言って追い払ったがそれで引下がるような連中ではない。確認すると総勢9人体制で尾行がついている。アリスの方にも2人割かれ、国境の門にも相当数割かれている。

「なぁ、消耗品とかの在庫ってどうなってる?」

「食料が少々物足りないかと。あとは問題ありません。」

「ふむ、食料か」

うちのパーティの大飯食らいは現在俺の背中で眠っている。

「じゃあ昼くらいで切り上げて食料を調達したあと別の場所に行くか?」

「では一度王都に戻って伯父に武器を調整して貰っていいですか?」

「そうだな。そうするか」

次の目的地を決め、国境を超える時衛兵に声をかけられた。

「お、お兄さん方、どちらへ?」

「外の森の方まで行って昼頃には戻るつもりだが?何か問題でも?」

「あぁ、いや、今朝アーガスの連中がオタクらの事嗅ぎ回っててね。」

「アーガス?」

「ユウ様、今朝来た人たちです。」

「この街で指折りの組織さ。『盗』『女』『賭』『金』『暴』と分けられた組織がいるらしく、そのうちの『盗』の連中が今朝方殺されていてね。」

「へぇ。そうなのか。それで?出国審査は?」

「んあ?あぁ、問題無しだ。それじゃ。」

「あぁ。じゃあな。オタクも月の無い夜道は気をつけな。」

「忠告感謝するよ。」


国境を過ぎてしばらく経ち、緑が増えてきた頃リンが声をかけて来た。

「おい、主、良いのか?あの守衛恐らく奴らの仲間だぞ?」

「何だ。起きてたのかよ。起きてたのなら歩け。」

「嫌だ。目的地に着いたら降りる。」

「あっそ。因みにあの守衛はまずアーガスの手先で間違いない。だが、おそらく派閥が違うんだろうな。」

「戻って食料を調達しようにも戻れば奴らに伝わるぞ?」

「戻る予定は伝えてあるし、問題ないだろ。」

「うーでも……。」

「ユウ様?森が見えてきました。」

「あ、あぁ。」

「ユウ様……勝手を承知で言いますが、どうかこのまま王都に戻りませんか?」

「そうはさせられねぇな。偉大な勇者様?」

「もう遅い。囲まれてる」

「な、いつの間に……」

「お前が喋り出した頃には既に居たぞ?」

「人間風情が何人集まろうと我に傷一つ付けられないと言うに……。」

「油断するな?宿屋で喋った男がいない。恐らく別班だ」


リンを背中から降ろし、周囲を確認すると20人がヒットした。ずっとこの辺りで隠れていたのだろう。茂みの向こうには何人かの遺体がヒットした。

「リン、竜形態で相手してやるなよ?あと殺すな。」

「了解だ。」

「ルウ、2時の方向と10時の方向、あと7時方向と4時の方向にそれぞれ5人ずつ。7時と4時は魔法使える。殺すなよ?」

「了解です。鞘打ちにします。」

そして俺は速度上昇と防御力上昇の旋律を奏でて準備完了。なんか相手が『暴』の幹部サルジオンとか名乗り上げていたがそんな事はどうでもいい。


「1つ忠告してやる。『この業界』で長生きしたけりゃまず相手の力と自分の手札を考えな」

「は?お前こそ考えてみろよ。この数を相手にして五体満足でいられると思うなよ」

「……はぁ。リン、ルウ、くれぐれも殺すなよ?」

「分かっている」

「私もです」


真昼間の森の中しばし戦闘音が響いた。

しかし、すぐにその声は悲鳴とうめき声に変わり、雰囲気を感じとった魔物達は近寄ろうともしなかった。


「ひ、ひぃ。お、お助け……ガフッ」

「何だ?助けが来ると思ったのか?さっきまでの威勢はどうした?雑魚。」

リンが罵りながら尾や爪で攻撃し、投げ飛ばしていく。

「風よ、我が敵を斬れ『風刃』!」

魔法による不可視の攻撃をルウは剣の鞘で切り捨てるとそのまま魔法使いとの間を詰め、薙ぎ払う。

「ご安心を。加減はしてますから。」

口ではそう言いながら倒れた魔法使いに対し鳩尾に一撃加え、顎を打ち砕いている……。ルウやリンは怒らせない方が良さそうである。

「さて、お前は……えーとサル?」

「さ……サルジオン……だ。」

「お前達には向かうべき道が3つある。ここで死ぬか。仲間に『俺達』に関わらないように生きろと伝えるか。報復する為に再度死にに来るか。どれにする」

「くそったれめ……。こんな事して……タダじゃ済まねぇぞ……。」

「遺言はそれだけか?」

腕をキメ、関節をねじ上げる。

「グァァァ……。」

「呻いてばっかじゃ分かんねぇなぁ。」

「ま、待ってくれ。お前……ナイトの勇者か?」

「……どうしてそうなる?」

さらにきつく締め上げるとゴキッという音と共に関節が外れる。

「グァァァ!!」

「あの脳筋と一緒にするなよ。」

「す、すまねぇ……。あまりに強いものでよ……。」

「そりゃどうも。残念な事に俺はポーンの勇者だ。それで?無駄話をしても俺たちに得はねぇ。どの道を選択する?」

「……。『盗』の一味をやった奴を探してる。上はドロを塗られたと血眼だぜ?懸賞金までかかってるが俺達はもうあんた達に関わらない。仲間にもそう伝えておく。」

「そうか。」

「だが……。」

「?なんだよ。」

「プルーシュだけは気をつけろ。奴は俺らが言って聞くやつじゃない。」

「あそ。どうでもいい。さっさと失せな。次は殺す。」

「くっ」

「リン、ルウ、話は着いた。もう行くぞ。」

「うむ。」

「はい。」


一日にどれだけ濃い時間を過ごしているのか分からないがまだまだ昼前なのだ。戦闘訓練と運動をこなしてさくっと帰ろうか……それともこのまま野営して明日街で買い物するか……。悩ましい選択が迫っていた。

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