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最弱勇者は吟遊詩人  作者: 神崎柴乃
13/27

勇者会合

仕事が忙しく予定日を過ぎましたが次は予定通り上げます

第1の災厄からさらに数日が経過した。被害地域では復興が始まり、少しずつ悲しみから立ち上がろうとしている人々がいる。


「ねぇ。ユウ、今度南の街で今後の災厄に対する勇者協定の会合があるのだけれど……。」

「面倒くさ……。」

「言うと思った。でも拒否権無いから。私だって行きたくない。あの変態とは会いたくない。」

「そっか。お前も苦労してんだな。」

アリスは一度王都へ戻った。そこで今回の災厄に立ち向かった報酬を受け取ったらしい。あのクソ王は俺の事を完全に忘れていたらしく。今度王都へ近づく機会があれば王城で嫌味を言ってやろうと決意した。

「南……ですか?」

「えぇ。南の国エクセントリックって名前の国。あそこは「科学」が発達してて色々面白いわよ永世中立国だから各国に散ってる勇者が集まりやすいってのも特徴ね。」

「科学とな?面白そうだ。主、どうせ行かねばならぬなら楽しんでしまった方が楽だぞ?」

「……。まぁ、それもそうだな……。」

科学と聞いて色々な事を夢想するが今までの状況を見るに現代日本の技術より遥かに科学力が低いだろう。だが、その分魔法に技術力が注がれているため、地球とはまた違った発展の遂げ方をしている可能性はある。

「会議はいつだ?」

「一週間後よ。」

「ふぅん。リン、そのエクセントリックまでどのくらいで行ける?」

「ん?その気になれば半日ほどだがゆっくり飛んで2日だな。」

「ねぇ。気になったんだけどリンちゃんって何人まで乗れるの?」

「4人だ。」

「じゃあ私とクリスが乗っても平気ね。乗っていい?」

「う?うむ。別に構わないが」

「じゃあ決まりね!」

「それじゃあ明後日移動開始な。」

どうせ行かなくてはならないなら早めに現地入りして他の勇者たちを待つのもいいだろう。何より早めに着くことでウーノに情報を探らせることが出来る。

「わかった。」

「了解です。明日準備してきます。」

その後アリスとは雑談を交わし、各々宿の部屋に戻った。

「さてと、勉強でもするか。」

部屋にある机に向かい一冊の本を取り出す。

「魔法の本ですか?いつの間に……。」

「朝、部屋の前に置いてあった。あと薬草からポーションを作るキットも一緒にあった。」

「街の人達の感謝……かもしれませんね。」

「不振な動きはしていたが敵意はなかったので見逃した。」

「……。今度から敵意がなくても教えてくれ。」

「分かった。そうしよう。」


しかし、俺はこの世界の文字を読んでいる訳では無い。人の動きから何となく宿屋だろうな、飯屋だろうな。と感覚で動いている。故に文字が読めない。


「そう言えば主の魔法適性は何なのだろうな。」

「分かるもんなのか?」

「私の適正は光と水と火ですね。属性としては他に土、風、闇の6種類になります。あと、例外として全てに属さない無属性があります」

「ふぅん。」

「どれ調べてやろう。ルウ、水差しをくれ。」

「水読み式ですか?実物は初めて見ます。」


取り敢えずなされるがまま水差しを手にもつ。軽い金属の器の中には水が並々と注がれそれなりに重い。

「主よ。己が魔力は分かるか?」

「分からん。」

「あー、回路が閉じ切っているのか。主、手を出せ。」

「ほい。」


リンがその手を無造作に掴むと瞬間青白い火花が散った。一瞬の出来事に思わず水差しを落としそうになったがなんとか耐える。

「よし、回路は開いた。あとはそこに水を流し込むイメージだ。」

リンに掴まれた腕をよく見れば微かにだが青白い幾何学的模様が浮かんでいる。そこに水を流し込むイメージ……。

次第に水差しの中の水が変化していくのが分かる。

「ストップだ主。もう止めろ。」

「分かったのか?」

「あぁ。主がやはり桁外れだということがな。」

「は?」

「見てみろ。」


言われてみてみれば水差しから黒く変色した水が溢れ、金属製の水差しが変わった形になっている。

「……凄い。3属性でもこの組み合わせは中々いませんよ?」

「?一体何属性何だ?」

「水、土、闇だな。あまり見ない組み合わせだ。更にいえば先程回路を開いたばかりの奴がここまで水を溢れさせるとは魔力総量も凄いことになっているぞ」

「へ、へぇ。」

「主、文字は読めるのか?」

「いや?全く。俺にはあの象形文字をさらに複雑にしたような文字は読めねぇ。」

「……主今までどうやって宿や飯屋を見つけていたのだ?てっきり看板を読んでいるものかと思っていたぞ?」

「それはまぁ、人間観察の結果だな。」

「……。なら1から勉強するしかないな。」

「そういうリンは読めんのかよ。」

「う、うぐ、古代語なら読めるぞ?」

「古代語?」

「3000年ほど前に消失した都市の公用語の事ですか?」

「何!?そうだったのか?道理で街で見かけないはずだ。」

「お前も勉強確定な。ルウ、教えてくれ。」

「はい!」


いい暇つぶしを得て俺達は予定通りエクセントリックに到着した。

「お、俺……高いとこダメっす。無理っす超怖いっス!」

どうやらクリスは高いところがダメだったらしい。行きの時は何故かリンが毎朝荷物のように放っていた。きっと帰りも同じ事をするかもしれない。

「あぁ。びっくりした。そう言えばリンちゃんってなんの竜なの?」

「我は黒竜だぞ?尾は母上の遺伝で白いがそれ以外は黒かったであろう?」

「黒……竜……はははっ嘘っすよね?この子があの死をもたらすあの黒竜って……。」

「おいお前、流石に聞き捨てならんぞ?」

「……いや……あ、はい。すみません。」

「そんなに凄いことなのか?」

すると今度はクリスが一気に語り始めた。

「いいっすか?竜って言うのは自然界最強の種族で白竜、黒竜、火竜、水竜、土竜、風竜とその属性ごとに分けられるっす中でも黒竜は長年謎とされていて、存在すら定かじゃなかったんすよ」

「へぇ。そうなのか。」

「おい、リン、お前の存在疑われているぞ?」

「我は今ここにいればいい。」

「そうか。まぁ、お前がそれでいいなら別にいいけど。」


宿に着くなり簡単に部屋割りを決め、それぞれの部屋で休む。しばらく机に向かって解読作業をしているとウーノが報告に現れた。


「お、ウーノ。何かわかったか?」

「チッ」


ウーノは俺が最近読めるようになった簡単な文字でしたためた手紙を渡してくれる。そこには現在の勇者の噂や動向が書かれており、明日ナイトの勇者が訪れ、キングとクイーンは自分たちの領地の問題で直接は来ない、ルークは現在行方不明。という事実が判明した。


その日の夜。宿屋に併設された酒場でアリス達と会議を始めた。

「え?脳筋勇者明日来るの?」

「どうもそうらしい。」

「あぁ、我の索敵範囲を広げたらいたぞ。あの脳筋今西の山道で野宿しているようだな」

「ルークの勇者は行方不明なんだが奴は来るのか?」

「さぁ?」

「さぁって……何か聞いてないのか?」

「知らないわよ。」

「まぁ、いいか。アリスは会合まで何かすることあるのか?」

「え?あぁ。特には決めてないわ。のんびりするつもり。」

「まぁ、何も無いとは思うが気をつけろよ。」

「ユウ達は何するの?」

「取り敢えずは勉強だな。この世界を知らなすぎる。」

「へぇ。意外」

「戦場じゃ知らない奴から命を落とすからな。」

「……ねぇ。あなた本当に日本人?本当に私と同郷なの?」

「……同郷。?」

「失礼ね。私の国籍は日本よ。ハーフなの。」

「あぁ、なるほど。」


まぁ、教えてやることは無い。平和で安全な国の裏側事情なんて特に。


酒が入り、少し夜風に当たろうと外に出た。街灯もなく、酒場の明かりしか見えるものがない中唐突に『ソレ』は現れた。目深にフードを被り、体格も顔も分からない。

「やぁ。確か。桜馬悠くんだっけ?」

「誰だお前。」

「名乗るものでもないよ。強いていえばルークとでも呼んでくれ。」

「塔の勇者か?」

「勇者?ふふふっ。あははっ。いや失礼。ボクは別のものだよ。そうだな。君たちの世界の言葉を借りるなら神かな。この世界の管理を行っている。」

「へぇ。その神様が俺に何の用だよ。」

「なに注意喚起さ。次の災厄の日付はもう出ているだろう?」

「あぁ。あと46日か」

「そう。次は気合を入れてくるだろうからね。君もできることは増やしておくといい。次は総力戦だろうしね。」

「そうか。ほかの奴にも伝えておく。」

「信じるのかい?君が?珍しいな。」

「ウソを吐く理由が分からない以上そういう情報もあったと考慮しておくべきだろう?」

「そうかい。中々愉快な奴だ。それじゃ。頑張ってくれよ?」


最後にその人物はフードを取った。暗くて顔まではわからなかったが少しくすんだ銀色の髪が特徴的だった。

「あぁ。それが『俺たち』に対する依頼なら『俺たち』はそれを受理しよう。」

「そうそう。その調子♪」

ソレは嬉しそうに街の闇の中に消えていった。入れ替わるようにリンがルウとアリスを抱え尾でクリスを持ってきた。三人とも気持ちよさそうに眠っている。

「主、今のは?」

「この世界の管理者。神様、名前をルークだってさ。それよりいったい何があった?」

「分らん。」

銀の笛が震える。視界のマップには赤い点が複数現れ、取り囲むように陣取っていた。

「さて、手間取っちまったな。本当はこの宿屋の食い物全てに薬仕込んで全員寝静まったころに金目の物ありったけもらっていく予定だったのによ。まさか平気な奴が2人もいやがるとはな」

「主、どうやら囲まれている。」

「そのようだな。よし、リン命令だ」

「いいぞ」

「今から見るものは明日の朝には忘れろ」

「は」

「『俺たち』の存在は誰も覚えていちゃいけないからな。軽い言霊で縛らせてもらう。」


地獄は割と簡単にその釜の蓋を開く。誰に対しても平等に。

強いて言うならば彼らには運がなかった。

勇者のステータスです。派生スキルは除外しています。


 名前 桜馬 悠


 称号 歩兵勇者 異世界人


 職業 吟遊詩人 Lv.35


 HP 43600/4360 MP 4820/4820


 スキル


 『音界Lv.5』『奏術Lv.8』『付与術Lv.6』『目利きLv.3』『詐称Lv4』

『詐欺師』『虚言Lv.2』『道化Lv.5』『隠蔽Lv.8』

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