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確率0.00%の絶望を書き換える――バグだらけの世界で、俺だけが因果を絶断して最強の聖女たちを救う。  作者: 仁胡 黒
Phase 3:【拡張・廃墟都市編】

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第50話:白銀の絆(リンク)と、癒やしの正体

黄金の塔「バベル」の内部。エニグマの心臓部へと続く回廊。

エヴァが語る事実に、一行に激震が走る。

決戦前に乱れるチームワークを立て直すことはできるのか…?

黄金の塔の内部は、物理法則が歪んだ万華鏡のような世界だった。

 壁には数式が滝のように流れ、重力が刻一刻と変化する。


「……マスター。不快な視線を感じます。レナたち(データの残骸)をここに置いて、二人で先へ進みませんか?」


「何度も言うが、それは無理…」


エヴァは俺の言葉に被せるように……

「マスター、私は……常に、マスターの傍にいました。」

「…?」

「ルナ…、覚えてませんか?」


「…ルナは、私の分体。私の半分です」

「ルナ…? いや、ルナはスリープモードで俺の右目に…」


俺は、あの地下駅での激闘以来、俺の首元から消えてしまった「相棒」を思い浮かべる。

白いオコジョのような姿をした……俺の大事な仲間だ。



「……ふふ。マスター。ルナは私の中に戻ってますよ?」


「そんな、…ルナは俺を守って……。ずっと、俺の心を支えてくれたんだ!」


 俺の言葉に、エヴァは満足げに目を細めると、自身の首筋に手を当てた。


「……当然です。マスターに癒やしを与え、守ること。それがルナ……いえ、私の『索敵ユニット』に与えられた任務オーダーでしたから」


 エヴァが軽く指を鳴らすと、彼女の肩口から黄金の光が溢れ出した。

 その光が形を成し——俺の見慣れた、あの真っ白なオコジョのシルエットが浮かび上がる。


「……えっ?」


「ルナは、私の意識の断片です。本体である私の再起動リブートに伴い、現在は私の中に統合されています。……マスター、ルナは私自身です。癒やしも守ることも私が、……私の約目です。」


 エヴァはそう言うと、俺の腕を強引に引き寄せ、自分の白い肌に触れさせた。


「……な、なななな……ッ!! あの可愛かったルナさんが、こんな可愛げのないアンドロイドの一部だったなんて、認められませんわッ!!」


 レナが悲鳴のような声を上げる。

 癒やしキャラだと思っていたルナが、実は「最強の兵器」の監視カメラだった。その事実に、アオイたちも言葉を失っている。


「……マスター。……ルナとしての記憶も、あの時の感触も、すべて私の中にあります。……さあ、(ルナ)にしていたように、(エヴァ)の頭を撫でてください。……それが最も効率的な『魔力供給』の形です」


 エヴァは無表情ながらも、どこか勝ち誇ったように俺を見つめる。

 空気を読まない独占欲。

 だが、その冷たい肌の奥に、確かにルナと同じ「温もり」を感じてしまった俺は、複雑な思いで彼女の白髪に手を置いた。


「ルナと呼べばいいのか…?エヴァと呼べばいいのか?」


エヴァは優しく微笑み。


「マスターのお好きなように、…どちらも私ですので」


「……よし。……行くぞ、エヴァ。ルナが俺を守ってくれたように、今度は俺がおルナを連れて、エニグマの喉元を叩く」


複雑な想いで睨みつけているレナたちをどうなだめるかに頭を悩ませながら、俺は待ち受ける困難に立ち向かう決意を、改めて固めた。


「了解。……マスターの心拍数上昇を確認。……愛の力で、出力はさらに上昇します」

第50話、お読みいただきありがとうございました!

「癒やしのオコジョ・ルナ」の正体は、エヴァが放っていたユニットだった!

あのモフモフした愛らしさが、実はエヴァという受け入れがたいレナたち。

レナたちにとっては、かつての「癒やしの象徴」までエヴァに独占された形になり、やきもき度はMAXに。


次回、第51話。

エヴァとレナたちのカイをめぐった小競り合い。

一方、エニグマの刺客「使徒」たちが、今度は物量作戦で一行を包囲します。


続きが気になる方は、ぜひ下部の☆☆☆☆☆から応援よろしくお願いします!

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