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確率0.00%の絶望を書き換える――バグだらけの世界で、俺だけが因果を絶断して最強の聖女たちを救う。  作者: 仁胡 黒
Phase 3:【拡張・廃墟都市編】

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第49話:1000%の共鳴(シンクロ)と、乙女たちの戦線異常

地下深部で目覚めた白銀の遺産、エヴァ。

彼女の唇から注ぎ込まれた「マスター登録」の光は、カイの右目に眠る権限を爆発的に増幅させる。

地上を覆う黄金の消去波が迫る中、カイはエヴァの誘導に従い、初めて「世界のルール」を根底から書き換える一撃を放つ。

しかし、その驚異的な力の代償は、戦場に不釣り合いな「密着」と、ヒロインたちの激しい嫉妬だった。

地下駅から地上への出口。そこには、俺たちを逃がすまいと待ち構える三体の「使徒」が、透明な剣を掲げて立ちはだかっていた。


『無駄な足掻きを。……マスターキーの波形を確認。即刻、デリートします』


 使徒たちが一斉に跳躍し、空間を切り裂く熱線が放たれる。

 だが、俺の前に立ったエヴァは、眉一つ動かさずに右手をかざした。


「……マスター。左手を私の腰に。右手を私のうなじへ。皮膚接触による伝達効率を98%まで引き上げます」


「えっ、あ、ああ……!」


 俺が戸惑いながらも彼女を抱き寄せるような形になると、エヴァは満足げに俺の胸に体を預けてきた。

 戦場の緊迫感など、最初から彼女のプログラムには存在しないかのようだ。


「……リライト・同調シンクロ。出力、1000%まで強制解放」


 ドクンッ!! と、心臓が跳ね上がった。

 右目から溢れ出した黄金のノイズが、エヴァの白いドレスを回路のように駆け巡り、凄まじい光の柱となって空を貫く。


「リライト——『存在否定アンチ・データ』!!」


 俺が指差した瞬間、放たれた熱線どころか、使徒たちの存在そのものが、まるで消しゴムで消されたかのように「虚空」へと消え去った。

 爆発も、残骸もない。ただ、そこにあったはずのデータが「最初から存在しなかった」ことに書き換えられたのだ。


「……嘘。あの使徒を、指先一つで……?」


 背後で見ていたアオイが、解析結果の数値を見て震えている。

 だが、その驚愕を打ち消すように、レナの鋭い声が飛んだ。


「ちょっと! カイ、いつまでその泥棒猫と抱き合ってるんですの!? もう敵はいませんわよ!」


 俺が慌てて離れようとすると、エヴァはさらに強く俺の腕に絡みついてきた。


「不許可。……マスターの脈動が安定するまで、冷却クールダウンが必要です。……データの残骸レナは、静かにしていてください。マスターの耳が汚れます」


「だ、誰がデータの残骸ですって……! 私の炎でその安っぽいドレス、焼き尽くしてやりましょうか!?」


「無駄です。……エヴァの防御膜は、マスターの出力を1000%に保つために最適化されています。……あなたの熱量では、エヴァの表面温度を0.1度上げることも不可能です」


 勝ち誇ったように胸を張るエヴァ。

 レナは顔を真っ赤にして拳を握りしめるが、先ほどの圧倒的な力を見せつけられては、強く言い返すこともできない。


『……ほう。ゴミ溜めの中に、まだそんな「イレギュラー」が隠されていましたか』


 空にそびえる黄金の塔から、エニグマの不快な声が降り注ぐ。

 だが、その声には先ほどまでの余裕はなく、微かな「苛立ち」が混じっていた。


『いいでしょう。その人形ごと、世界の塵へと変えてあげます。……塔の内部へ来なさい。そこが、あなたたちの墓標です』


「……行くぞ。エヴァ、塔の内部へ入るルートは?」


「マスターが望むなら、最短距離を算出します。……ただし、移動中は常に私と手を繋いでいてください。ブーストを維持するためです」


「……わかった」


「ちょ、ちょっとカイ!?」


 レナたちの悲鳴に近い声を背に、俺はエヴァの細い手を握りしめ、黄金の塔へと歩き出した。

 拓真さんが命を懸けて守ったこの命。……必ず、エニグマに叩きつけてやる。

第49話、お読みいただきありがとうございました!

エヴァの「1000%ブースト」による、使徒を一撃で消去する圧倒的なカタルシス。

しかし、その代償(?)として、戦場での密着を要求し、ヒロインたちを挑発し続けるエヴァ。

「データの残骸」呼ばわりされたレナたちのストレスは怒髪天ですが、エヴァの能力があまりに高すぎるため、今は従うしかないという「やきもき」した展開です。


次回、第50話。

ついに黄金の塔「バベル」の内部へと侵入!

そこはエニグマが作り上げた、狂った論理が支配する異空間。

そしてエヴァの独占欲はさらに加速し……!?


続きが気になる方は、ぜひ下部の☆☆☆☆☆から応援よろしくお願いします!

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