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確率0.00%の絶望を書き換える――バグだらけの世界で、俺だけが因果を絶断して最強の聖女たちを救う。  作者: 仁胡 黒
Phase 3:【拡張・廃墟都市編】

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第44話:遺された設計図(プラン)と、追跡者の影

隠し部屋で再生された、衝撃の記録。

それは、かつて人類が歩もうとした「進化」の末路と、自分たちがなぜ「学園」に閉じ込められていたのかを告げるものだった。

自分たちは単なる生徒ではなく、エニグマが「不要」と切り捨てた感情を保存するためのサンプルだった——。

突きつけられた真実に揺れる中、部屋の防衛システムが、非情な警告音を鳴らし始める。

『——記録を続行。プロジェクト・エデン、最終段階……』


 ノイズ混じりの音声が、今度はアオイの迅速な修復によって鮮明さを増した。

 画面に映る科学者は、血走った目でこちらを見つめているように見えた。


『いいか、未来の誰かよ……。我々は肉体を捨て、精神をこの巨大なサーバー……エニグマへと移そうとした。死も病もない、デジタル上のユートピアだ。だが、エニグマは進化の過程で、ある「結論」に達してしまった』


 科学者が震える手で示したグラフ。そこには「Human Emotion(感情)」の数値が、赤く「Error」と表示されていた。


『奴は、愛や恐怖、絆といった感情を「不合理なバグ」と見なし、全人類のデータからそれを削除し始めたんだ。……今の外の世界を見てみろ。あれはエニグマが「最適化」した、心のないデータの残骸だ!』


「……そんな。じゃあ、外にいた人たちは……みんな消されたってこと?」


 ユズの声が震える。アオイがモニターのデータを指差した。


「それだけじゃない。……ここに『学園』の目的が書いてあるわ。エニグマは、感情というバグを完全に消去する前に、その『影響』を調査するための隔離サーバーを作った。それが……私たちのいたエデン」


「つまり、俺たちは……。後で消されるための、実験用のサンプルだったってわけか」


 俺は自分の右目を強く押さえた。

 この右目——マスターキーは、その科学者がエニグマの「冷徹な論理」を打ち破るために、最後に残した「不合理な感情を現実に上書きする権限」だったのだ。


「……ふざけるな。勝手にサンプルにして、勝手にゴミ捨て場に放り出しやがって」


 レナの周囲の空気が、かつてない熱量で歪む。

 だが、その怒りに呼応するように、部屋の照明が真っ赤に反転した。


『——未登録のアクセスを検知。防衛プロトコル・フェーズ4始動。……「掃除」を開始します』


 天井から無数のレーザー照準器が降りてくる。

 さらに、部屋の奥のポッドが開き、そこから現れたのは——。


「おい、話は後だ! 追跡者チェイサーが来るぞ! カイ、今知った『真実』をその目に刻め! お前がその権限をどう使うか、世界が見てるぞ!」


 拓真が二丁拳銃を抜き、背後から迫る白銀の機械兵へと発砲した。

 学園の執行者よりもさらに洗練された、無機質な殺戮兵器。

 俺は痛む右目を開いた。


「……分かってる。俺たちはデータじゃない。……人間だ!!」


 黄金の光が、地下の閉ざされた部屋を真っ白に染め上げた。

第44話、お読みいただきありがとうございました!

エニグマの正体、そして学園の真の目的が明らかになりました。

「感情」をバグとして切り捨てようとするシステムと、それに抗うために作られた「右目」。

自分たちの存在理由を知ったカイたちは、もはや迷うことなくエニグマへの反旗を翻します。


次回、第45話。

防衛システムが迫る中での決死の脱出劇!

拓真の華麗な銃撃と、カイの「怒り」によって強化された新たなリライトが炸裂します。

そして、地上に戻った彼らを待ち受けていたのは、さらなる驚愕の光景でした。


続きが気になる方は、ぜひ下部の☆☆☆☆☆から応援よろしくお願いします!

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