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66話 4カ国連合緊急会議 前編


「これより…四か国連合『不死王再封印』についての緊急会議を行います」


私は…目を見張った。彼女の姿を、声を、覚えていたから。それもつい最近出会ったばかりの…


「司会進行は私、帝国代表のリリエラ・ルミエル・アウレリアが務めさせて頂きます」


あのお手伝いシスターさんがまさか…帝国皇女だなんて、誰が想像出来ただろう?



 * * *


 * * *


 * * *



色々あって…落ち着いてきた頃。もうすぐ会議の時間といったところまで迫っていた。


「じゃあ私、会議に行ってくるから…エマ、ルカをお願いね」


「はい、わかりました」


「言うこと聞くんだよ?ルカ」


「はいであります!」


まぁこの二人は大抵別れるとき一緒にしてるからそう心配はしちゃいない。一応師匠の威厳を保つために言っているだけだ。


「それじゃあ……えっと、これでいいかな」


私はフード付きのローブを取り出し、そして羽織った。


「どう?久々に着たけど…悪くないでしょ?」


「なんか…喋ると違和感がありますね」


「魔女様かっこいいです!」


いつもの黒ローブと違って黒の素体に金糸で刺繍の施されているたっかいやつだからね。雰囲気ぐらい変わるもんよ。


「それを着て出席するんですか?」


「あー…うん。まぁね」


「どうしてですか?」


ルカもエマも疑問らしい。


「理由は二つ、一つは顔を見られたくないから」


何のためにここまで秘匿されていたのかを考えれば分かることだろう。


「二つ目が、まぁ雰囲気というか、威厳を出すためだよ」


「…なくないですか?」


「そこは黙るから大丈夫!なんていうかね、お偉いさん等は英雄には相応しい態度をって考えてるのが多いんだよ。面倒だよねぇ」



「うん…だから私もヴォルフにこれ、渡された」


ミツハがひらひらと袖を揺らす。いつもの巫女装束よりも豪華に、それでいて上品な装飾が施されている。


私的にもミツハの年齢が少し上に見えたのでこれなら侮られることもないだろう。


ただでさえ可愛らしいミツハだ。これぐらいでちょうどいいぐらいだよね。


「…着付けが大変そうな服ですね」


「私だと一日坊主になりそうですー」


「大変だったよ…でも、一人で出来たから」


フンフンと期待に満ちた目を向けられたため、頭をなでようと思ったのだが…髪飾りやら何やらでとてもできそうになかった。


代わりにほっぺたをむにむにと揉む。


「…!」


びっくりしたみたいだが満足そうで何より。おお、柔らかいしあったか……これが幼女肌…


「いつまでやってるんですか?」


「そろそろ向かわないと間に合わないですよ!」


「お姉様!馬車の準備が出来ました!」


エマにジトリと睨まれフレアに急かされる。仕方ない、続きはまた今度にして…向かうとしよう。


帝国に来た目的である、四か国連合会議へ…



 * * *



そういうわけで私は今…それぞれの代表者がいい具合に席に着くのを待機室で待っていた。


私の参加は最後になるそうだ。正直緊張するからやめてほしい。


緊張を魔術式を考えることで誤魔化しながら待っていると…扉をノックする音が静かな部屋に響いた。


とうとう出番かと…意を決して開けることを許可した。…が、入ってきたのは予想外の人物だった。


「お久しぶりですしへぶっ!?」


おっといけねぇ。ここじゃこういうのは無し…なんだけども反射的なのは許してほしい。


「なんでいんの…?まさか不法侵入」


「違いますよ!」


爽やかな青年…ユーリが、必死の形相で否定する。


「私は本日王国代表代理のレーニア学院長の付き添い人として参ったのです!」


「ほんとにぃ…?」


「本当です!なんなら他国の代表者に確認してください!」


まぁここまで否定するならそうか…というよりも、こいつ自分の意志でやってた時はなんか気味悪がられたいというかそういう節が見られるから…考えたくもないが言っていることに間違いはなさそうだ。


「…今はいいや、でも王国代表代理がレーニア…ってことは、本来の王国代表は欠席ってこと?」


「えぇ、本来ならば国の代表である王族のどなたかが参加する手筈ですが…何分緊急な上王族の間で病が流行っているようでして…」


「またそんな感じなの…?なんか王族…いつ滅んでもおかしくなさそうなのに未だ続いてるの不思議だなぁ…」


私の記憶の限りだと三年おきぐらいに王族だけの間で病が流行って全員生死の淵さ迷ってなぜか生き残って…を繰り返してるんだよね。


「学院長も頭を抱えていました。まさか代表代理に選ばれるとも思わず…」


「王族が機能しなかったら貴族も大変だし…仕方ないんじゃない?」


「そうだとしても、あの人はどこか自分は平民だから…という考えが過るのでしょう」


…なんかユーリ、随分と丸くなった?レーニアは上手いこと手綱を握っているみたいだね。


「話は変わるんだけど、そのレーニアはどこに?」


「あぁ、はい、今ちょうど席に着いたぐらいなので…恐らくそろそろ師匠の番かと。私は師匠を呼ぶよう命じられたのでここへ」


なるほどね、ちゃんと仕事はしてるわけだ。


一応着てるものに問題ないかユーリに軽く確認してもらい、私も会議の場へ向かった。


おいあんま触んな!



 * * *



「まずは改めまして、本日はお越しいただきありがとうございます。『色彩の魔女』様。」


「……」


唖然としてしまい反応が遅れた。一つ頷いておく。まだいっぱい人いるし…人払いされるまでは黙っておかなきゃ


「そして、皆さまも……一応自己紹介、しておきましょうか」


「ならば我からじゃな?」


「いえ、王国代表の方からです」


なんか安心するポンコツがいた気がするけど気のせいだろう。よくよく考えたらあの子も魔王だもんね。


「…王国代表代理、レインヴェル魔術学院学院長を務めています。レーニアと、申します。よろしくお願いします」


ガッチガチに緊張してる…仕方ない、仕方ないよ。後で何か甘いものでも食べに行こうね


「今度こそ我…」


「入ってきた順番でお願いします」


「ぬぬぬ…」


なんというか以前に比べて明るくなったけどそのせいか少し間抜けっぽく…いいや言わんとこ。


「『ヨウコク』代表ミツハ・ヨウコクと申します、以後お見知りおきを」


おお…さすがは『依姫』として舞を踊ったりするだけあって姿勢も態度も堂々としている。慣れてるんだなぁ…


「やっと我じゃな!『魔族独立領』代表、魔王『ネクシア』ことアルセリア・フォン・ノクティスじゃ!よろしゅうな!」


うん、生き生きとしてて…微笑ましいや。


「はい、ありがとうございます」


あっニコニコ笑った感じすごいリリエラさんだ…




短いです。なんなら次回はもっと…

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