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67話 4カ国連合緊急会議 後編

「それでは始めていきますね。今回の議題は『不死王再封印』について、主に獣人族領における『不死王の骨』、それが予兆なく開放されたこと」


ミツハに視線が向く。説明が求められているようだ。


「聖獣祭1日目…舞の予行が終わった頃に、不死王の骨が第一開放されました。夜中『森の戦士』等国家部隊により足止め…後、私と『聖獣』様によって再度封印が為されています。また、想定外な出来事だったのが大きかったようで…私は今『聖獣』の力を失っています」


「ありがとうございます、お辛い話をさせて申し訳ありません。」


「必要なことですから」


いつもの甘々なミツハを見ているせいか違和感がすごい。処世術なんだろうけど…うぬぬ…


「では、ここからは未然にそのようなことを防ぐための対応策について話し合いましょう」


本題だ。私はきっとこのために呼ばれたのだろう。


「私は年々…あまり近づくことさえできませんが呪いが強まっていると考えています」


リリエラが言葉を始めた。他の人が話しやすくなるようにするためだろう。


そして効果はあったようでアルセリアが頷き、口を開いた。


「そうじゃな…我も今回初めて再封印に挑戦したが……同伴者曰く、呪いが強くなっていたそうじゃ」


「私もそう思います」


ミツハもアルセリアも肯定。私から見てもそれは明らかだったしそもそもとして再封印の周期が早くなっているように思う。


実際に体験してきた二人とは違い残る二人は再封印の場に居ることすら叶わない。だからか自然と人族の領域の再封印を行っている私へと視線が集まった。


「『色彩の魔女』様。意見に相違は無いでしょうか」


喋らなくていいような質問の仕方助かる…頷きながら、リリエラの方へ視線を向けた。


「そうですか…ここからどうすればよいのでしょう…」


神妙な顔でつぶやくリリエラ。後半部分は多分傍聴席の人たちに聞かれないよう小さめの声だった。


それを好機としたのかは分からないが、ようやくレーニアが口を開いた。


「…リリエラ様、少し…人払いをしては?」


「!……そうですね」


周りに威厳を見せつけるための舞台は終わり、本当に大事な話し合いをするための場が設けられる。


その始まりの合図だった。



 * * *



傍聴席の人が居なくなったのを確認してから頭まで被っていたフードを脱ぎ、結んでいた髪紐をするりと解く。


「やはり…」


私の顔を見て、リリエラがポツリと漏らした。


ま…そうだよね。私にとってもあの時はぐらかされた答え合わせのようなものだ。


でも今は…それよりも言わせてほしい。


「あっつかったぁ…」


「…少し空気の入れ替えと…休憩にしましょうか」


狭い空間に何人も人が居て季節的に寒い人が多いから暖かくしている…のはいいがフードが邪魔だった。


少し蒸れている…はぁ…


「主、大丈夫?」


「ミツハは?」


「私は平気」


流石に私とミツハの関係は知れていなかったようで軽く会話を交わすミツハに他の面々も驚きを見せた。


そんな中、アルセリアは真っ先に口を開いたが。


「久しぶりじゃの、フィーナ」


「うん、久しぶり、アルセリア。よくやっているみたいだね」


栄誉である「フォン」を名前に貰っている。そこから察するにアルセリアはきちんと魔王としてやってこれているみたいだ。


まだ少し抜けているところもあるがご愛敬だろう。


「あの…フィーナさん…」


「ん?どうかした?レーニア」


「いえ…その…ただ、本当にあなたが『色彩の魔女』だったんだなぁと…いえ!悪い意味じゃありませんよ!」


身から出た錆を急ぎ取り繕う。緊張が解けちゃったのかな。


「あら…皆様とお知り合いだったのですね」


「そうだよ…教会のシスターさんともね」


「…何のことでしょう?」


これはわかってても聞くなという暗示!…相手が別の話題を口にするのを待機。


「これで三度目になってしまいますが、改めて…お初にお目になります。リリエラと申します。フィーナ様」


「そんなに堅苦しくしなくていいよ…むず痒い」


「なんというか…噂とはこうも人物像を変えてしまうのですね。」


まぁそうだね…特に私は…そう感じられるだろう。


「…先の話、そして皆様との関係性から察するに、アルセリア様のおっしゃった同伴者、そしてミツハ様のぼかした国家権力等というのは貴方のこと、ですね?」


「主、バレてる…」


「鋭いね」


「なぜこうも関わってしまっているのか…きっと因果。いえ神のお導きなのでしょうね」


リリエラはほんわかした雰囲気に反してところどころ鋭い推理を見せている。そもそもとしてさっきまでの態度すらも情報を得るためなんじゃないかと思えてくる。


「雑談もこれぐらいにしておいて…そろそろ本題に入りましょうか」


互いを知るための話はどうやらここまでのようだ。ようやく私も自由に話せるようになったわけだしここは私がしっかりしないと!


「まず呪いが年々力を増している件についてですが…」


「それに関しては私が」


…と、口を挟もうとした直後…


─────一瞬の静寂、後に…『それ』が開いた。


『議論なんて必要あるか?原因は…ただ一人だというのに』


議論を打ち壊す青年の声が会議場に響く。



天使を象徴する白き翼が羽ばたいた。



帝国編終わりです。

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