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【書籍化決定!】ダンジョン湖畔の休憩地 〜限定オリジンスキルで始めた小さな宿屋に、探索者たちが帰ってくる〜  作者: 小狐


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閑話 湖畔休憩地で働く二十人(異界人材プロフィールです)

本編に登場する20人のプロフィールです。

あの人だれだっけ?どういう役割だっけ?と思った時にみるといいかも。

 湖畔休憩地で働く異界人材は、正式オープン後の追加採用によって二十人になった。

 全員が一般人材枠の人間であり、魔物と戦うために呼ばれた者はいない。


 勤務は午前6時から午後2時、午後2時から午後10時、午後10時から午前6時までの三交代制。

 決まった十人が昼、残りの十人が夜という分け方ではなく、営業状況と休養に合わせて担当を組み替えている。


 現在の仕事は、受付と案内と売店、厨房と食堂、清掃と備品管理、入口確認と夜間巡回の四部門に分かれていた。


 彼らが暮らしていた国や町の名は、禁忌事項に触れるため普段の会話では語れない。

 それでも、どのような土地で育ち、どのように暮らしていたのか、その輪郭までは人材情報に残されている。


 ◇ 受付・案内・売店担当


【笹原こより《ささはら こより》】


 年齢:18歳

 身長:159cm

 一日あたりの消費:50ポイント

 主な担当:受付、館内案内、売店補助


 ピンク色の髪をポニーテールにした、小柄な女性。

 湖畔休憩地で最初に召喚された異界人材で、二十人の中では一番の先輩になる。


 明るく元気な返事は変わらず、利用者へ最初に声をかける役がよく似合う。

 慌てると「はわわわっ!」と声が出るところも健在だが、正式営業を経験した今では、入場券の確認や館内案内を一人で進められるようになった。


 生まれ育ったのは、小さな畑と牧草地に囲まれた村。

 祝い事があれば村中を回って人を呼ぶ役を買って出ていたらしく、知らない相手へ話しかけることに抵抗がない。

 自分の失敗も笑い話にして新人へ教えられる、素直で裏表のない性格だ。


曽布川姫乃そぶかわ ひめの


 年齢:22歳

 身長:160cm

 一日あたりの消費:50ポイント

 主な担当:受付、予約確認、館内案内


 栗色の髪を肩口でそろえた、明るい表情の女性。

 街道と川が交わる町で、旅人向けの店を手伝っていた。

 客から土地の話を聞くのが好きで、相手が話し始めると急かさず最後まで聞く。

 明るいだけでなく、こよりが説明を飛ばした時には自然に不足分を補える、面倒見のいい女性である。


若井譲司わかい じょうじ


 年齢:27歳

 身長:178cm

 一日あたりの消費:55ポイント

 主な担当:売店、会計、在庫確認


 朝倉より少し背が高い、細身の男性。

 短い茶髪と細い茶色の目が特徴で、落ち着いた敬語を使う。


 露店と常設店が並ぶ市場町で、商店を手伝いながら育った。

 値切り合いの賑やかさは嫌いではないが、自分から大声で客を呼び込むより、必要な物を聞いて選ぶ方を好む。


 金額や数が合わないまま先へ進むことを嫌う、几帳面で実直な性格。

 売店ではその性格が在庫管理に生きているが、同僚の小さな数え間違いを責め立てるような狭量さはない。


比志野祥子ひしの しょうこ


 年齢:24歳

 身長:165cm

 一日あたりの消費:50ポイント

 主な担当:宿泊予約、問い合わせ対応、受付事務


 背中まである黒髪を後ろで一つにまとめた女性。

 ぱっちりとした茶色の目と丸みのある顔立ちで、実際の年齢より少し若く見える。


 以前は、大きな街道沿いに建つ宿泊施設で働いていた。

 幼い頃から人の顔と名前を覚えるのが得意で、一度泊まった客の好みまで覚えて周囲を驚かせたという。


 見た目は実年齢より若いが、性格は落ち着いている。

 誰かが困っていてもすぐに答えを押しつけず、何を求めているのかを聞いてから手を貸すタイプだ。


犬飼路美いぬかい みちみ


 年齢:21歳

 身長:158cm

 一日あたりの消費:50ポイント

 主な担当:受付、宿泊客案内、入場券確認


 茶髪をポニーテールにした、親しみやすい表情の女性。

 共同井戸を囲むように家が並ぶ町で育ち、幼い頃から近所の大人たちに混じって水汲みや子守を手伝っていた。


 思ったことが顔と口に出やすく、遠回しな言い方は苦手。

 定休日にも湖畔へ残った理由を尋ねられた時も、明るい部屋と清潔な水があるこの施設の方が快適なのだと率直に答えた。

 こよりとは賑やかな者同士で気が合うが、二人だけになると話が横道へそれやすい。


柔木姫香やわらぎ ひめか


 年齢:24歳

 身長:164cm

 一日あたりの消費:55ポイント

 主な担当:予約確認、問い合わせ対応、館内案内


 淡い金髪を顎の辺りで切りそろえた、細身の女性。

 石壁に囲まれた町で、宿泊客の予約を書き留める仕事をしていた。


 話し方は穏やかで、相手が苛立っていてもつられて早口にはならない。

 自分の記憶を過信せず、分からないことは確かめる慎重な性格だが、決断そのものを人任せにするわけではない。

 休み時間には窓辺で本を読むことが多い。


和井路礼司わいじ れいじ


 年齢:29歳

 身長:172cm

 一日あたりの消費:60ポイント

 主な担当:夜間受付、会計、宿泊客対応


 黒髪に眼鏡をかけた、細身の男性。

 城門近くの宿で宿直をしており、夜明け前に出発する旅人を何人も見送ってきた。


 夜の静けさを苦にせず、起こされた直後でも機嫌を顔へ出さない。

 にぎやかな会話では聞き役に回ることが多いが、冗談が嫌いなわけではなく、珍田の生真面目な受け答えへ時折さらりと冗談を挟む。

 夜間受付を任されているのは、経験だけでなく、この気質によるところも大きい。


 受付・案内・売店担当七人の一日あたりの消費は、合計370ポイントとなる。


 ◇ 厨房・食堂担当


海路快人うみじ かいと


 年齢:29歳

 身長:173cm

 一日あたりの消費:100ポイント

 主な担当:調理、仕込み、献立開発


 短い茶髪を整えた、朝倉と大きく変わらない背丈の男性。

 実家は料理屋で、父の知人が営む宿場の食堂へ修業に出ていた。


 普段は落ち着いているが、料理の話になると試したいことを次々と口にする。

 失敗した料理を隠すことはなく、どこが悪かったのかを確かめ、次の一皿へつなげる職人気質だ。

 ロックホーン肉の魔力戻しも、その粘り強さで朝倉と完成させた。


 なお、苗字は決して《かいろ》ではない……。


【花森チカ《はなもり ちか》】


 年齢:23歳

 身長:171cm

 一日あたりの消費:80ポイント

 主な担当:配膳、盛りつけ、洗い場、調理補助


 金髪で、小坂より少し背が高い女性。

 果樹園の多い土地で育ち、収穫期には町の料理店を手伝っていた。


 のんびりした話し方をするが、周囲を見ていないわけではない。

 皆が肉料理へ夢中になる中で、食後の甘味が足りないと気づけるような、少し引いた位置から全体を見る女性だ。

 新しい料理を味見する時も大げさに褒めず、良いところと足りないところを同じ調子で伝える。


来戸輝らいと あきら


 年齢:32歳

 身長:181cm

 一日あたりの消費:95ポイント

 主な担当:焼き場、肉料理、厨房設備確認


 短い黒髪をした長身の男性。

 昼夜の寒暖差が大きい高原の宿場で、厨房の焼き場を担当していた。


 口数は少ないが、教わったことを素直に試し、納得するまで繰り返す。

 火の前では慎重で、急かされても焼き上がりを早めることはない。

 湖畔施設では部屋の温度が一日中ほとんど変わらず、夜も寒さで目を覚まさないことに驚いていた。


五里蔵壮介ごりくら そうすけ


 年齢:36歳

 身長:186cm

 一日あたりの消費:90ポイント

 主な担当:精肉、大鍋調理、食材運搬


 赤茶色の髪と大柄な体格が目を引く男性。

 家畜市の開かれる町で育ち、若い頃から肉の解体と大鍋料理を手伝っていた。


 二十人の中で最も年上だが、年齢を理由に威張ることはない。

 体格に似合わず細かな作業も丁寧で、包丁を研いでいる時に話しかけられても嫌な顔をせず手を休める。

 食事は大勢で食べる方が好きらしく、まかないの席が空いていると、離れて座った新人へ声をかける。


森野蜜香もりの みつか


 年齢:25歳

 身長:154cm

 一日あたりの消費:80ポイント

 主な担当:副菜、甘味、盛りつけ補助


 栗色の巻き髪をした、小柄な女性。

 木の実と蜂蜜がよく採れる土地で育ち、祝いの日に出す焼き菓子を習った。


 新しい味を考えるのが好きで、気になる食材を見つけると少量だけ別に取り分けて試したがる。

 一方で、甘い物ばかりをすすめるのではなく、食事全体の量と組み合わせには細かい。

 海路とは試作の方向性を巡って意見が分かれることもあるが、遠慮せず言い合える関係になりつつある。


 厨房・食堂担当五人の一日あたりの消費は、合計445ポイントとなる。


 ◇ 清掃・備品担当


井瀬川湊いせがわ みなと


 年齢:20歳

 身長:182cm

 一日あたりの消費:65ポイント

 主な担当:備品整理、リネン管理、清掃確認


 黒髪を肩より下まで伸ばし、眼鏡をかけた長身の女性。

 風の強い山あいの町で育ち、倉庫の品物と帳面を合わせる仕事をしていた。


 必要なことだけを話すため素っ気なく見られやすいが、困っている相手を放っておけない。

 こよりが言いすぎれば止め、新人が道具を探していれば言葉より先に保管場所まで連れていく。

 礼を言われると目をそらすため、照れ屋なのではないかとチカから疑われている。


熊谷真久くまがや まさひさ


 年齢:31歳

 身長:184cm

 一日あたりの消費:70ポイント

 主な担当:客室清掃、リネン回収、備品運搬


 肩幅が広く、大柄な男性。

 街道沿いの大きな宿泊所で、客室の整備と荷運びをしていた。


 立っているだけなら近寄りがたく見えるが、本人は自分の体格をよく理解している。

 誰かを驚かせないよう後ろから声をかけ、狭い場所では小柄な者を先へ通す、細かな気遣いのできる人物だ。

 子供にはなぜか懐かれやすく、宿泊客の幼い子を肩へ乗せた経験も多いという。


阿武原玲奈あぶはら れいな


 年齢:26歳

 身長:168cm

 一日あたりの消費:50ポイント

 主な担当:共用部清掃、浴室清掃、洗濯補助


 髪を高い位置で束ねた、切れ長の目の女性。

 湧き水が豊富な町で、共同浴場と洗濯場の手伝いをしていた。


 はきはきとした丁寧語で話し、好き嫌いも分かりやすい。

 汚れている場所を見つければ放置できず、休憩に入った後でも片づけに戻ろうとするため、井瀬川から止められることがある。

 仕事には厳しいが、失敗した新人を人前で叱るようなことはしない。


珍波弦ちんば げん


 年齢:34歳

 身長:179cm

 一日あたりの消費:65ポイント

 主な担当:浴室清掃、リネン運搬、共用部清掃


 刈り上げた髪と広い肩幅を持つ男性。

 川船が集まる町の浴場で働き、濡れた床の清掃と薪の運搬をしていた。


 口調はぶっきらぼうだが、怒っているわけではない。

 頼み事をされれば文句を口にしながらも最後まで手を貸し、重い物を持つ相手がいれば黙って半分を引き受ける。

 同じ珍の字を持つ珍田と名前を取り違えられると、毎回訂正するのが少し面倒らしい。


熊野真希くまの まき


 年齢:30歳

 身長:174cm

 一日あたりの消費:60ポイント

 主な担当:客室清掃、洗濯、リネン交換


 濃い茶髪をまとめた、長身の女性。

 冬の長い土地にある宿で、客室清掃と洗濯をしていた。


 細かな違いによく気づき、前日と置き場所が変わった備品まで覚えている。

 屋内で温水を浴びられ、使った水が床へたまらず流れていく設備には、今も感心している様子だ。

 普段は実務的な話が多いものの、柔らかな寝具へ入る瞬間だけは、少し楽しそうな顔を見せる。


秘山静香ひやま しずか


 年齢:27歳

 身長:162cm

 一日あたりの消費:55ポイント

 主な担当:清掃後確認、備品補充、忘れ物確認


 黒髪を顎の下でそろえた、細身の女性。

 物資が貴重な山間の宿で、備品の補充と忘れ物の管理をしていた。


 人前では控えめだが、気弱なわけではない。

 足りない物や清掃漏れを見つけた時には曖昧にせず、相手が年上でも必要なことを伝えられる。

 使える物を捨てるのが苦手で、空になった丈夫な箱を残しておけないか、若井へ相談することもある。


井田洋いだ ひろし


 年齢:23歳

 身長:170cm

 一日あたりの消費:60ポイント

 主な担当:屋外清掃、廃棄物回収、休憩所確認


 茶色のくせ毛をした、中背の男性。

 雨の少ない草原の町で育ち、家畜小屋や市場の片づけを手伝っていた。


 年上にも物怖じせず話しかける、人懐こい性格。

 元の暮らしではこれほど大きな湖を見たことがなかったらしく、休憩時間になると水辺を眺めている。

 その一方で、景色の中にごみが落ちているのは我慢できず、勤務外でも見つければ持ち帰る。


 清掃・備品担当七人の一日あたりの消費は、合計425ポイントとなる。


 ◇ 入口確認・夜間巡回担当


珍田伴吾ちんだ ばんご


 年齢:33歳

 身長:180cm

 一日あたりの消費:70ポイント

 主な担当:入口確認、館内巡回、夜間の宿泊客対応


 刈り込んだ黒髪に太い眉、角張った顔立ちの男性。

 城壁に囲まれた町で門番と夜回りを務めていた。


 生真面目で、仕事と休みの切り替えがあまり上手くない。

 休憩中にも物音がすれば入口を見てしまうが、同僚へ同じ緊張を求めることはなく、自分が気にしすぎなのだと理解している。

 堅い見た目に反して甘い物が好きで、森野の試作品を頼まれる前から味見していることもある。


 安全地帯の外へは出られず、魔物と戦う警備員ではない。

 それでも、館内で何かあれば最初に自分が利用者の前へ立つつもりでいる。


 入口確認・夜間巡回担当の一日あたりの消費は、70ポイントとなる。


 ◇


 受付・案内・売店担当が370ポイント。

 厨房・食堂担当が445ポイント。

 清掃・備品担当が425ポイント。

 入口確認・夜間巡回担当が70ポイント。


 二十人を一日雇用するために必要なポイントは、合計1,310ポイントとなる。


 二十人は全員、最低契約期間を終え、現在は一日単位の継続契約へ移っている。

 三交代制のため、同じ担当者が毎日同じ時間に働いているわけではない。


 彼らは普段の会話で、出身地や以前の暮らしについて自由に話すことができない。

 人材情報から分かるのも、土地の気候や仕事、日々の暮らしといった大まかな内容だけである。

 町や国の名が伏せられ、名前だけが日本人と同じように表示される理由は、朝倉にもまだ分かっていなかった。


 それでも、二十人が持つ料理、接客、会計、清掃、荷運び、警備の経験は、確かに湖畔休憩地を支えている。

 最初の十人が研修を始めた頃とは違い、今では一日に三百人を超える探索者を迎える施設だ。


 売店が増え、食堂の新しい料理も控えている。

 二十人の仕事も、湖畔休憩地と一緒にこれから増えていくのだろう。


読んでいただきありがとうございます。

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