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ダンジョン湖畔の休憩地 〜限定オリジンスキルで始めた小さな宿屋に、探索者たちが帰ってくる〜  作者: 小狐


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第56話 退職願と運営管理アプリ②

 その日の夜。

 仕事を終えた俺は、自宅のローテーブルにノートPCとスマホを並べていた。

 向かい側には小坂が座り、昼休みにまとめると言っていた資料を広げている。


 だが、まずは営業計画より先にスキルの確認だ。

 俺はカーテンを閉め、玄関の鍵を確認してから【休憩地】を意識する。


 視界の端に、いつもの半透明の表示が浮かんだ。


 ――――――――――――――――――――

 【休憩地】★通知:新規解放あり

 スキル区分:オリジンスキル

 表示種別:基本スキル情報

 登録名:湖畔休憩地

 休憩地Lv.9

 現在状態:未展開

 登録地点:十階層湖・北側草地

 範囲:直径200メートル以内

 最大維持時間:72時間(魔石維持式)

 維持コスト:最大展開時・C等級魔石1個/24時間

 安全判定:展開時有効

 進化ルート:宿泊型

 

 <メニュー>

 ・範囲詳細

 ・登録済み設備

 ・成立コンボ

 ・食事提供ログ

 ・運用実績

 ・従業員管理

 ・区画管理

 ・休憩地倉庫

 ・ポイントショップ

 ・休憩地運営管理アプリ

 

 通知:新規解放あり

 ――――――――――――――――――――


 「Lv.9に上がってるな。そして通知も来てる」


 「先輩、早く通知開いてください」


 「分かった、分かった。そう焦るなよ」


 「焦りますよ。今、一番欲しい機能が来てるかもしれないんですから」


 俺は通知の部分に意識を向けた。

 表示が一度だけ揺れ、別の画面へ切り替わる。


 ――――――――――――――――――――

 【休憩地】

 スキル区分:オリジンスキル

 表示種別:成長通知

 登録名:湖畔休憩地

 成長結果:休憩地Lv.7 → 休憩地Lv.9

 到達理由:宿泊施設営業実績、複数従業員運用、宿泊利用実績、食堂満足度、区画追加運用

 

 ★新規解放★

 新規解放:休憩地運営管理アプリ

 表示対象:管理者、権限付与済み従業員

 対応種別:休憩地内効果付与型/スマホ閲覧型

 主要区分:受付、厨房、設備、清掃

 スマホ閲覧:管理者権限者のみインストール可

 決済連携:探索者向け受付・決済アプリと連携可

 補足:権限範囲に応じて表示項目と操作可能項目が変化します

 ――――――――――――――――――――


 「おお! これって」


 「今一番欲しいって思ってた機能です!」


 小坂が身を乗り出した。

 ローテーブルに置いていたカフェオレのカップが倒れかけ、俺は慌てて指で押さえる。


 「落ち着け。こぼれる」


 「こぼれてる場合じゃないです。詳細、詳細見てください」


 「はいはい」


 俺は休憩地運営管理アプリの項目を開いた。


 ――――――――――――――――――――

 【休憩地】

 スキル区分:オリジンスキル

 表示種別:機能詳細

 機能名:休憩地運営管理アプリ

 

 機能区分:

 ・休憩地内効果付与型

 ・スマホ閲覧型

 

 休憩地内効果付与型:

 従業員、受付担当、厨房担当、清掃担当、設備担当へ、担当業務に必要な表示と補助を付与します。

 有効範囲は【休憩地】展開中の安全地帯内に限ります。

 

 スマホ閲覧型:

 管理者権限者がスマホへインストールできます。

 未展開時でも、営業計画を中心に各種管理情報を確認できます。

 

 基本カテゴリ:

 ・受付

 ・厨房

 ・設備

 ・清掃

 

 権限階層:

 最上位管理者:朝倉歩

 管理者:未登録

 従業員:登録済み従業員

 ――――――――――――――――――――


 「管理者、未登録になってますね」


 「小坂を管理者登録すればいいのか」


 「いいんですか?」


 小坂が真面目な顔で聞いてきた。

 昨日は冗談交じりに笑っていたが、今は違う。

 管理者という言葉の重さを、ちゃんと分かっている顔だった。


 「ああ。昨日言っただろ。一緒にやろうぜって」


 「……じゃあ、お願いします」


 俺は従業員管理から小坂由真の登録情報を開く。


 ――――――――――――――――――――

 【休憩地】

 スキル区分:オリジンスキル

 表示種別:権限設定

 対象者:小坂由真

 現在権限:運営スタッフ

 変更候補:管理者

 

 管理者権限で可能な操作:

 ・受付管理

 ・予約管理

 ・利用区画権限付与

 ・従業員担当範囲設定

 ・在庫確認

 ・客室利用状況確認

 ・清掃状態管理

 ・厨房注文状況確認

 ・営業データ確認

 

 制限:

 最上位権限、スキル進化選択、支店候補登録、契約解除の最終承認は所持者権限を必要とします。

 

 確認:小坂由真を管理者として登録しますか?

 ――――――――――――――――――――


 「最上位は俺のままだけど、運営管理はほぼできるっぽいな」


 「十分です。というか、これ以上渡されても怖いです」


 「登録するぞ」


 「はい」


 俺は確認を押した。


 ――――――――――――――――――――

 【休憩地】

 スキル区分:オリジンスキル

 表示種別:権限設定完了

 対象者:小坂由真

 変更結果:運営スタッフ → 管理者

 スマホ閲覧型アプリ:インストール可能

 権限反映:完了

 ――――――――――――――――――――


 小坂はスマホを取り出した。

 画面に見慣れないアイコンが一つ増えている。

 湖を簡略化したような青い線と、小さな家の形。


 「来てます。湖畔休憩地アプリ」


 「俺のにも出てる」

読んでいただきありがとうございます。

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