表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
196/247

第195話

 ゲーテとレイクネスの追跡、司とテトラの治療、キュルキオネの今後の生活問題などなど、やらなければいけない事や考えなければいけない事はたくさんあるのだった。


 そして地下でのレイクネス戦や女性受験者救出から時は流れ、リバーシ加入試験期間終了数日後の事である。治療を受けた司はレギュラオンの執務室の扉前に居た。


 この日の午前、司はスーツ姿に身を包んでいた。慣れない格好をしている事で今日が特別な日であるという事をより実感させられる。


 司は頭に包帯を巻き、顔の所々にはガーゼが貼られていた。まるで不良学生が大喧嘩した翌日のような感じだが、実際はレイクネス戦で負った怪我の治療であった為そんな平和なものではない。


「 (ううう……緊張する……!) 」


 どうやら司は今ガチガチに緊張しているようだ。レイクネス戦では熟練の來冥者のような気迫を見せたが、あの時の覇気はどこへやらといった感じである。


 だがそれも無理は無い。


 何を隠そう今日はレギュラオンの執務室内でリバーシ任命式が行われるのだから。司にとってはまさか自分がといった気持ちであり、未だ実感が湧かない。


 途中から彼はレギュラオンが用意した個別の試験を受ける形にはなったが、開花適応を果たした事、界庭羅船相手にも一切怯まなかった事、そして戦況を判断する能力の高さが評価された為に特別枠として合格したのである。


 リバーシはその性質上、任命式も1人1人個別で行われる。故に司は他の合格者が誰なのか、そして他の合格者も自分以外にはどんな人が合格したのか、知る事は基本的にできない仕組みになっている。


 ちなみに任命式の順番だが、どうやら今回司は最後になっているようだ。他の合格者は既に任命式を終え、リバーシ候補生として第一歩を踏み出し始めているのだろう。


「 (いや、いつまでも震えてちゃダメだ。僕はもうリバーシの候補生なんだから、この程度でいちいち緊張する訳にはいかない……!) 」


 意を決した司は扉をノックする。直後聞こえてくるレギュラオンの「入りたまえ」という声を合図に、司は扉を開けた。


「失礼します……って、ええ!?」


 入室してから僅か数秒後の事である。司は目の前の光景に驚いた。


 任命式はレギュラオンと合格者の1対1が基本であり、それ以外の人間が立ち会う事は禁止されている。合格者はいきなり自世界のトップと2人きりという地獄のような時間を味わう事になる訳だ。


 司も当然それを覚悟しており、だからこそ緊張も極限まで高まっていた。


 しかし目の前の光景はそれを否定している。何故かシュレフォルン、氷雨、シア、テトラ、そして何とキュルキオネまでもが居たのだから。


 テトラに至っては司と同じく治療を受けた形跡があり、キュルキオネは肌の露出が抑えられた私服に身を包んでいる。


 さすがに身に着けている衣服がサラシ+スカートだけという、公然わいせつ罪のような恰好で外の世界に連れていく訳にはいかないという判断だったのだろう。


 ちなみにキュルキオネはWPUが保護する事になり、主にテトラたちが彼女の面倒を見る事になったようだ。


 彼らは面食らっている司に対し、それぞれ笑顔で祝いの言葉を送る。


「お! 来たな、司! リバーシ合格、おめでとさん!」


「おめでとうございます。司くん」


「おっめでとう~! 顔つきも凛々しくなっちゃって~もう~!」


「おめでとう! 司くん!」


「司おにいちゃん、おめでと!」


「あ、ありがとう……。えー……っと、え? な、何で居るの?」


 司の疑問はもっともであり、その質問が飛び出てしまうのは当然の反応だろう。だがそれについて答えるよりも先にして欲しかった事があったのか、レギュラオンは相も変わらず不機嫌そうな表情で司に言う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ