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第191話

 尋問の結果分かった事は、彼がゲーテと同じくシャックスのメンバーであるという事であった。


 例えシュレフォルンたちがシャックス担当でなくとも向こうからしてみればそんなの関係無い。WPUの人間が目の前に居ると知れば逃げたくもなるだろう。


 3人は即座に男をレギュラオンの元へと連れて行く。連行されている際の男はレギュラオンを前にしたゲーテと同じく、死刑宣告をされたかのような絶望と恐怖顔だ。


 シャックス構成員だろうと異世界出身の人間だろうとエンペル・ギアで働いている人間である以上、レギュラオンは畏怖の対象として映っているのだろう。


 既に報告を受けていたレギュラオンは執務室内にその男を招き入れると、挨拶代わりに腹パンを1発食らわせた後に両手両足を手錠で拘束する。何故当たり前かのように人を拘束する道具を持ち合わせているのかは考えない方が身の為だろう。


 満足に動けなくなった男は横たわった状態のまま必死にもがくが、全て徒労に終わる。その様は打ち上げられた魚のようであった。


 レギュラオンは「私の尋問が拷問に変わる前に全て吐け」というあまりにも恐ろしい発言で圧を掛け、恐怖に屈した男はペラペラと口を割った。


 結果レギュラオンはゲーテの計画を知ったのだ。神聖なリバーシ加入試験を私的な目的に利用しようとしている事を聞いた時の彼女がどれほどの怒りを感じたかなど想像に難くない。


 だがそれと同時にゲーテの計画は上手くいかない事をレギュラオンは瞬時に悟る。彼女は今回の試験にあたりアンデッドの事を調べ上げ、キュルキオネについても完璧ではないにしろ理解していた部分もあった。


 そしてその甲斐あってか、計画を成功させる上で非常に重要な知識をゲーテが持ち合わせていない事に気付き、逆に利用してやろうと考えたのだ。


 いずれにせよ彼が今回の試験に拘り、セレーナに固執している理由はこれで判明した。


 となれば次に問題となるのはレイクネスの件だ。


 彼女たちが得たゲーテの計画に関する情報は言わば副産物のようなものであり、真に知りたいのはレイクネスが本当に女性受験者と入れ替わったのかという点だ。


 彼曰くレイクネスは任意の受験者と入れ替わり、その後ゲーテと行動を共にする事で不自然なく側に居られる状況を作り出すようだ。この話から例の女性受験者とレイクネスが入れ替わりを果たしている事はほぼ確定事項となった。


 だがその本物の女性受験者が今どこに居るのか、この部分に関してシャックスメンバーの男性は把握していないみたいだ。


 女性受験者に関して得られる情報はもう無いと踏んだレギュラオンは、間髪入れずシュレフォルンたちに第2の指示を飛ばす。


 それは本物の女性受験者の居場所を特定する事。


 一般人、それも界庭羅船や護衛対象に一切の危害を加えていない無害な人を殺害するような真似はしないだろうから、仮に彼女が監禁されていたとしても衣食住は保障されているはずである。しかしだからと言って女性の居場所を特定しない訳にはいかない。


 理不尽にも事件に巻き込まれた女性受験者が監禁されているのであれば、一刻も早く救出すべきだ。だが闇雲に探すのは危険な上に効率が悪いだろう。


 ここで着目すべき点はいつレイクネスは入れ替わりを成功させたのかである。この部分を知る事ができれば過去のレイクネスの足取りを追う事ができ、調査範囲を大分絞れるはずだ。


 そう考えたレギュラオンは捕らえたシャックスの男性をシュレフォルンたちに渡し、思わず耳を疑いそうな事を口にしたのだ。


『シャックス担当のWPUと連携を取り、現シャックスのボスと接触しろ。クオリネ曰くレイクネスの護衛対象はゲーテだが、実際に依頼したのは現ボスの方だからな。そいつから当時の状況を聞き出せ。この男を人質にした状態でな。もしも厳しいようなら私に連絡しろ。直々に出向いてやる』


 司を仲間に加えた時もそうだったが利用できるものはとことん利用する辺り、非常に彼女らしいと言える。


 レギュラオンの指示の元、女性受験者救出作戦が本格的に動き出した。この作戦で一番の壁はシャックスのボスと接触する事だ。

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