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第190話

 レイクネスが受験者に扮していた場合、その受験者の行方が気になる所だ。さすがに入れ替わりの為だけに殺害するといった事はしないと思われるが、試験が無事に終わるまでどこかに監禁されている可能性はある。


 いずれにせよ本当に入れ替わりが行われていたら、その女性受験者には時期を改めて再受験の機会を与えるかどうかを考える必要が発生する。レギュラオンが一番気にしている所はそこなのかも知れず、実に彼女らしい。


『では頼んだぞ』


 レギュラオンから仕事を1つ頼まれた彼らは食事を早々に済ませる事に。


『了解。そんじゃあ氷雨にシア。とっとと調査に出るぞ。お前ら飯は食い終わったか?』


『あ、ちょっと待って! このパフェ食べ終わってから!』


『まったくあなたは……何でそんな大きなの頼んだんですか』


『大きなパフェ食べるの夢だったんだもん! ……とは言え、さすがにこの量を今すぐ食べきるのは厳しいかも。シュレくんとひぃちゃん! 食べるの手伝って!』


『ったく仕方ねぇな。俺甘いのそんな得意じゃないんだけどな』


『私の体重が増えたらダイエットに付き合ってもらいますからね』


『……まぁ、何だ。腹は下すなよ。それでは何か分かったら私に報告しろ。以上だ』


 3人の返答を待たずしてレギュラオンは一方的に通話を切った。彼らとは仲間ではあるが友達という関係性では無い。今の会話にこれ以上混ざる気など毛ほども無かった。


 司とテトラは知らなかったが、実はこんなやり取りが裏では行われていたのである。


 食事後に調査に乗り出た3人はまずエンペル・ギアへと戻り、今回の参加者について調べ始めた。WPUの肩書きを使い、レギュラオンからも許可を貰っていると伝えたら簡単に情報を提供してくれたのだから、やはり肩書きというものは便利である。


 その際にはゲーテ以外にもシャックスのメンバーがエンペル・ギア内に居た場合を考慮し、シャックス担当のWPUメンバーと連携を取りながら進めていった。


 その結果どうやら1人の女性受験者が内通者であるゲーテと妙に一緒に行動しているという報告が上がっている事実に辿り着いたのだ。


 エンペル・ギアの職員が言っている女性はゲーテが内通者だと知っているかは不明であるが、もしも気付いていないようならその受験者を潰せと指示が飛んでいたようである。


 事情を何も知らないが故に他の職員たちはいつも通りに仕事を進め、裏ではそのような連携や報連相が行われていたのだろう。


 シュレフォルンたちはゲーテと一緒に行動を共にしていた女性こそ、レギュラオンが口にしていた調査対象の人物だと確信する。早速エンペル・ギア職員に協力してもらい、顔写真含め確認してみたがレイクネスとは程遠い印象を与える女性であった。


 果たして性格が真逆としか思えないこの女性にレイクネスは化ける事ができるのかという疑問が最初こそ浮かんだが、ウィッグや化粧の仕方、そして雰囲気次第でそんなのいくらでも誤魔化せると結論付けられた。


 こうなると問題なのは本当にこの女性とレイクネスは入れ替わっているのかどうかだ。


 実際に試験会場に乗り込んで会場中を探し、縛られている所でも見つける事ができれば一発なのだが、変に動いてゲーテやレイクネスを刺激する訳にもいかない。


 どうするのが最も最適解なのかと頭を悩ませていると、そこに1人の男性が現れた。


 彼の名はソルヴァ。今回のリバーシ加入試験でゲーテの挑発に乗った挙句、不合格第1号となった哀れな元受験者である。


 よく見なくても彼の手には包丁が握られていた。嘘のような本当の話だが不合格にされた事に納得がいかず、復讐にやって来たとの事。まだ数日すら経っていないのに何という行動力だ。


 本来であればパニックになりそうな場面だが、そこはさすがのエンペル・ギア。シュレフォルンたちが対処せずとも、駆け付けた数人の職員が簡単に彼を取り押さえ、あっけなく牢政送りとなってしまったのである。


 プチ事件に巻き込まれてしまったシュレフォルンたちであったが、このすぐ後3人は怪しい男が居る事に気付く。


 ソルヴァを取り押さえた複数名の職員の内の1人が、シュレフォルンたちがWPUの人間だと知るや否や驚愕の表情になり逃げるようにその場を去って行ったのだ。


 当然そんな怪しい挙動に気付かないシュレフォルンたちではない。3人は頷き合うとその男を追いかけ、ソルヴァに対して彼がそうしたように、同じく取り押さえた。

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