表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
190/200

第189話

 ゲーテの立てた計画は失敗に終わり、更に界庭羅船が介入した状況下であるにも拘らず死者を1人も出さなかったのは偉業と言える。


 それだけではない。今回の戦いでは残念ながら戦力にならなかったが、キュルキオネを味方にする事ができたのも非常に大きなアドバンテージになった事だろう。


 だがキュルキオネ周りに関しては1つ謎が残っている。


 ずばり何故レギュラオンはゲーテの計画内容を知れたのかという部分だ。


 彼女はテトラに対し、もしもアンデッドに襲われるような事があったら片っ端から排除する事で完全体キュルキオネを味方にするよう指示を出した。


 その思考はゲーテの計画を知っているからこそできるものだ。しかしゲーテは秘密裏に進めていた事に加え、自身の計画を悟られないように動いていたはずである。


 さすがのレギュラオンもそんな手掛かり無しの状態から、まさかキュルキオネの誕生を企んでいるのかなどという突拍子も無い考えは浮かばないだろう。


 だがとある調査を進めた結果、レギュラオンはゲーテの計画を知れたのである。


 全てはレギュラオンがシュレフォルンたちにとある調査指示を出した時に遡る。あれは司たちに地下やアンデッドの存在を教え、作戦内容を伝えた後の事だ。




『シュレフォルン、氷雨、シア。聞こえるか? 飯を食べた後で構わん。お前らに1つ調査して欲しい事がある』


 この時はまだキュルキオネの『キ』の字も無かった頃であり、レギュラオンもそれとは無関係の事柄に対して調査をお願いしたのだ。だがこの調査が功を奏し、結果ゲーテの計画も併せて知れた訳だ。


 当時レギュラオンは続けてこんな指示を飛ばした。


『リバーシ加入試験初日にゲーテと一緒に行動を共にしていた女についてだ。こいつの正体を探れ』


 レギュラオンは今回のリバーシ加入試験がどこか異質である事を感じていた。


 まずはゲーテが初日のポーカー勝負で一緒に行動していたプレイヤーDの女性。彼女はゲーテが内通者である事を知っていながら行動を共にしていた点から、同じく内通者である可能性が高いが、そうであるならば一緒の卓で勝負していたというのはエンペル・ギアが定めたルールに反している。


 更に周りの従業員は当然誰が内通者か知っている状況な訳だが、そんな彼女の行動を一切咎めないのも不自然極まりない。


 以上の不自然な点に対してレギュラオンは1つの推測をした。それはプレイヤーDの女性=一般受験者に扮したレイクネスなのではないかという事だ。


『は……? 何でそんな女について調べなきゃいけないんだよ』


 当然の反応をするシュレフォルン。レギュラオンは彼のそんな返しを予想していたのか特に不満を募らせる様子を見せずに淡々と説明をする。


『クオリネの話によると、お前たちと接触した時には既にレイクネスが試験会場に侵入しゲーテを護衛しているという事だったろう? 私の予想ではゲーテと共に行動していたその女こそ受験者に扮したレイクネスであると踏んでいる。レイクネスであった場合は一緒に行動している理由にもなり、ただの受験者に扮しているのであれば内通者で無いが故に周りの職員も彼女の行動を特に不審には思わないだろうからな』


『ああ、なるほどな。仮にその女が本当にレイクネスだったら、元々参加していたであろう本物の受験者が居るはずだからそいつを見つけて状況を確認しなきゃなんねーし、その女を見張る事で今後も動きやすくなるって事か』


 レギュラオンの言いたい事をすぐに理解してくれた事に内心感謝しつつ、レギュラオンは執務室内で1人頷いた。


『その通りだ。それとこの件について司とテトラには何も伝えるな。もしも違った場合が厄介だ。その女と会った時に意味の無い警戒や委縮をしてしまう事態になりかねん。最悪無関係の者に注意を向けすぎてしまい、ゲーテの言動観察に支障が出る可能性があるからな。分かったか?』


『ああ、それで良いぜ』


『シュレくんに同じく!』


『私も異論はありません』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ