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楽して勝って笑いましょう  作者: 未出舞
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仕事はきちんとこなしましょう

遅なりやしたぁ

 爆発騒ぎから数日後、エラとオーラムはギルドに来ていた。例のやらせクエストを受けるためにだ。色々と準備やタイミングの関係で今まですることができなかったがついに今日決行の時が来たのだ。

 さて、ではタイミングとは何か?そう、それは勇者アランの来訪である、この国の不正を彼に暴いてもらうのだ(というかそうなるように誘導する)その為にこのクエストを受けた流れでこの国に亡命したヴィリアーズ家を一網打尽にしてやろうという訳だ。


「さて、ではクエストを持ってきました」


 クエストの内容は地下水路の調査となっている。地下からネズミが大量発生しているのでモンスターが湧いた可能性があるので調査して欲しいとの事、これは毎年どの国においてもどこかで必ず発生すると言われているクエストでなおかつ簡単なクエストなのでお小遣い稼ぎのために学生や初心者ハンターのためのクエストと言える。


「この僕がこんなくだらないクエストを受ける事になるとは」


「確かにそうですねー、ハルマさん捕まえた時のお金がありますもんね」


「あれは全部やつの食費のために消えたよ……あいつのエンゲル係数はやばいぞ。あいつだけで国費の0.5%はあったとか言われてるぞ……」


「うぇ、まじですか?」


 2人はなんでもない会話をしながら下水道の入口に来る。さて、ここで改めて確認だ。


「さて国の不正を暴きましょう。では不正とはなにか、単純ですね。戦力均衡のバランスとフルオートの銃です」


「そうだね、えーと確かそもそもフルオートの銃は見つかった場合は各国で報告し合う事にしてその上で生産する量を調整するんだっけな」


「よくご存知で、というわけで前回こちらの国に乗り込んだ時に判明したことですが明らかに多かったらしいです、銃」


「んでもってどうやってアランは連れてくるんだ」


「はい簡単です。ステップ1わざと施設に迷い込む、ステップ2わざと見つかる、ステップ3アランのところまで逃げる、ステップ4アランに施設を発見させる」


「わーい、アランを見つけるまで生き残れる可能性は?」


「……アランはビスマスが誘導するので大丈夫、行きましょう」


「ちゃんと聞け!」


「いいんですよ、これは作戦の第1段階なんですから、適当で。いいですか?本来の目的はヴァリアーズ家を確保することですからね!ここはたまたま見つけただけなんですよ」


「知ってるよ、ビスマスが余計なことするからだろ」


「全くです」




 そんなこんなで施設の目の前まで来たわけですけど、急展開とかではなくて護衛が誰もいなかったのだ。多分中にはいるんだろうけど。


「……中にも護衛がいなかったらどうする?」


「うーん、普通に出てってアランに伝えるとかでいいんじゃないですか?」


 何はともあれ中を覗くと広い広い倉庫になっていて所狭しとコンテナのようなものが置かれている。それだけではない


「エラさん、護衛の手元を見てください」


「おいおい……まじかよ、あれAKか?」


「……見た目は似てますけど中身は元の銃より品質が悪いですね。劣化版でしょうが機能するのは間違いないです。まぁ、いくらなんでも限界があったのでしょう」


「それにしたってだ」


 機能するとはつまり充分な殺傷力があるってことなわけだ。それにここにあるだけでもアスカと対等にやり合うだけの戦力があるように見える。


「おい、お前の能力で調べらんねぇの?」


「調べました……2000丁程度です。我が国と対峙するのに丁度いいですね……」


「念の為コンテナを1つ回収しておくか?」


「そうですね、“念の為”ですね。私用に2つお願いします」


 オーラムもちゃっかりしてるみたいだ。


「エラさんに言われたくないです。このコンテナが主に銃火器ですね。こっちに弾が入ってます」


 とりあえず指定されたコンテナをポケットに詰め込んでいく。


「青いタヌキみたいな入り方しますね。そのポケット」


「言っとくが僕しか取り出せないししまえないからな?」


 私服を肥やしたところで仕事の時間だ。仕事はきちんとこなすよ。目の前をちょうどいい具合に兵士が2人組で歩いている。その片割れの頭を三八式で吹き飛ばす。


「エラさん、ナイスショットです!」


「朝飯前だよ」


「敵襲!!」


 警報が大きな音を立ててなると奥からぞろぞろと兵士が出てくる。もれなく全員突撃銃(アサルトライフル)を装備している。


「よっしゃ!命知らずのデスゲームの始まりだぁ!」

「いっやっほーい!!」


 オーラムをおんぶしてすぐさま身体をうかして颯爽と飛び去っていく。ただし相手が見失わない程度に。

 オーラムはと言うと飛んでくる弾丸を雷の魔法を使って次々と撃ち落としていく。


「いやぁ、ポトポトと落ちていきますよ。気持ちいいですねぇ」


 多分こいつの能力は時代が時代なら無双してたに違いない。情報戦だけが取り柄かと思ったが銃弾すら防げるとは。さてそろそろ出口である。


「ビスマスも外で待機してます。そろそろやりますかね〜」


「じゃあ、そろそろ降りなすってくださいな」


「キャッ!」


 オーラムを地面に叩きつけると2人で普通に走り出す。2分もしないうちに出口の光が見える。


「では覚悟を決めて」「やっぱエラさんも嫌なんですか?」「もちろん」「身体に当たらない事を祈って」


 そのセリフとともに立ち止まり、魔法による迎撃をやめる。


 かわいた発砲音と共に血飛沫が舞う。


「……ッ!!足は、何とか。腕と肩が……」「……クッ!お、揃いですね……」


 2人とも運良く方と二の腕ら辺を撃たれただけ済んだようで運がいい。そして直ぐに外に出る……と目の前に懐かしい顔ぶれ、アラン一行が見える。


「な!?あれはエラちゃん!?」


「ゆーしゃ様、お久しぶりですね……ちょっとやばいんで助けt……」


 何が起きたかは分からないが、助けを求める前に後ろにいた兵士がバラバラになった。ということだけは理解した。バラバラになった死体が時間差でボトボトと音を立てて落ちる。


(ひぇ〜、エラさんみました!?こ、こわわわわ……)

(さすが勇者だな……)


「ちょっと行ってくる」


「アラン!?」「俺らも行くしかねぇか」「ッスね〜」「ちょっと!アラン様勝手な行動は困ります!」


 アランとその仲間たちが次々と下水道の中に消えていく。消えていく直前に背中に杖をしょった女の人にポーションを渡される。


「結構良い奴だから大事に使ってね。お嬢さん」


「……どーも」「いや〜ありがとうございます!」


 アランが突入してから5分


「さて、後は結果報告だけです!」


「1人見た事ない男がいたな。あれがビスマスか?」


「そうです!よく分かりましたね。って勇者一行には前に会ったことあるんですもんね」


「まぁな」


「さてと、ビビッと来ました。勇者一行が施設にたどり着いて……あー虐殺の限りを尽くしてるそうです……あららららら?すんごい魔術師もいますねぇ、瞬殺です。あれ王城に迎え入れられてもおかしくないレベルなんですが?勇者って凄い……」


 オーラムからその映像を見せられる。うん、何人かは生きてるし、施設のリーダーみたいなのも生きてる。上々ですな。


「ま、無事終わったならいいよ……?」


 突如として映像が途切れる。なんだ?何が起きた?


「おかしくないか?」「緊急事態かもしれませんね」


 さらに10分ほど待つと下水から足音が聞こえる。下水の入口から2人で距離をとって待つと中から出てきたのはビスマスだった。


「エラさん!オーラムさん!勇者を殺しt……」


 次の瞬間オーラムの胸から刃物が飛び出していた。


「あらあら?」「お、ビスマスの後ろを取るとはやるねぇ」


 顔周りの光をねじまげて自分とオーラムの顔を真っ黒にする。


「仲間が殺されているのに冷静ですね。なんと冷たい方たちでしょうか」


 相手はまっ黒タイツで顔に仮面を被っている。趣味の悪い黒い骸骨のマスクだ。さて、どう殺してやろうか?


「そう?殺そうとした本人が何言ってるんだか」


「殺そうとした?どうやらまだ現実が受け入れられてないみたいですね。いやはや嘆かわしい……彼女はもう死にました」


「女であることは見破ってたのか?お前なかなかやるな。じゃあおつかれ」


 その瞬間にM37をポケットから取り出すと容赦なく弾をぶち込む。だが暗殺者は飛んでいく弾を短刀で弾く。


「うむ、良い反射神経である。なるほどね、まぁ多方予想通り?」

「ですねぇ、これはまた面倒くさそうですね」

「エラさん頑張って」

「え!僕だけなん!?戦うの?」


「……ちょ、ちょっと待て!なんでそいつが生きている!?」


 エラさん頑張って、と言ったのは元の姿のまんまのビスマスだった。


「あ、もう出てきたの?もうちょっと黙ってればよかったのに。彼の最後の仕事ぐらいは成功させてあげればよかったのに」


「プンプンスカスカ!いいじゃないですか、私を殺そうとしたんです」


「今日テンション高いね」


「久しぶりの鉱石部隊の女子全員での女子会です。少しくらいはしゃいでもいいじゃないですか」


「団長は?」「団長さんは?」


「「「それはないな!」」」


 3人のセリフが揃って思わず笑い声が出る。暗殺者はと言うと下を向いてプルプルと震えている。西野カナかな


「……私を…私をよくもコケにしてくれたな!」


「きゃー!こわーい笑」


「オーラムうるさい」「お前が戦え」


「おまえらぁぁあぁあああぁぁぁあ!!!」


「ハイハイ死ね」


 ショットガンを構えてもう一度ぶっぱなす。サプレッサーがついているのでパスンという軽い音と共に弾が飛んでいく。


「その手は、通じないと!?」


「これは俺の弾なんだ」


 突然弾がエラになる。ポイント(ショット)を撃って弾と自分の位置を入れ替えたのだ。だが相手もプロである。


「無駄だ!」


 そういうとエラのナイフを受け止めるとそのまま弾き返す。


「あらら」


「速さで私に勝てると思うなよ。どうやらお前の秘策は私に通じないようだな」


「てめぇの負けだ」


「な!?」


 相手のナイフを弾くと同時にエラが体を地面に伏せた、その次の瞬間暗殺者の胸元に穴が空く。


「……何が?」


「僕と弾の位置を変えただけなんだわ。弾は真っ直ぐ飛んでんの。お分かり?」


 暗殺者はもはや虫の息。時間がもったいないのでビスマスの持ち込んだ問題に移る。


「ビスマス、どーゆう意味?勇者を殺せって」


「はい、それなんですが。あそこ予想以上に武器ありますね。多分周りの国全部と戦線張っても1年は余裕です。やりようによってはもっと」


「もしかしてこの国は戦うつもりがないってことか?」

「とするとこの戦力を知らない国は一斉に攻め入ってくるかもしれませんね。でも、自動小銃なんてあったら勝てませんね。ていうかどこに隠してあったんです?」


「隠し扉がありました、扉というか壁で完全に埋め込まれてましたね。勇者が暴れた影響でたまたま見つかったんです。彼らは取り敢えず報告しようって事にして、1番足が早い私に頼んだんです。ギルドに報告をって」


 まて、それをする気はなかったにしてもギルドに報告すれば戦争になる可能性はかなり上がった。その情報源を止めようとした暗殺者は……


「なあ、あの暗殺者ってむしろ俺らの味方だったんじゃ?というか今思うとあれだな、俺らが撃たれた位置もおかしい。2人とも足は撃たれなかった。最初から殺す気はなかったってことか?」


 情報が漏れると戦争が始まるかもしれない。それを防ごうとしたのだから。防ぐものがいるということは漏らしたいやつもいるってことだ。


「自分でやっといてあれだけど助けてあげるか」


 すぐさま暗殺者の治療を始める。と言っても血液を操作して失血死しないようにするだけだ。難しく聞こえるかもしれんが結局血を元の血管に戻しているだけなのであまり意味は無いだろう。血圧の低下も無理やり上げているだけなので時期死ぬ。


「さて、聞かせてもらおうか?どうしたい」


「なぜ助ける」


「いや、お前は死ぬ。このまま持って1時間とかじゃないか?処置しなきゃの話だけど」


「そうか……」


「まぁ、ほっとけば。の話だ。君の話が楽しければ……話す時間は伸びるかもしれない。どうだ?どうやら僕らは同じ方向を見てるかもしれない」


 間違いなく落ちたな、話は聞けそうだ。

忙しくてそりゃあもう、書く暇なんてありませんでしたよ。みんな死んだと思ってるんやろなぁ。って感じです

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