事件の全貌
それは敵軍の攻撃が始まる前のことだった。
「なぁクレマ、弾薬を使うことなく戦いができたらすばらしいと思わんか?」
戦闘を前に基地内に緊張が張りつめているなか、突然大佐が俺に話しかけてきた。
「は?まぁそれはそうですが・・・」
「よし命令だ。全兵に伝えろ。ただちに弾薬の供給を中止。そのかわり食料倉庫内の腐った魚と専用の武器を使用しろ、とな。」
「腐った魚、ですか?」
「いいからさっさと命令をつたえろ!!」
「は、はい!」
何が何だかわからないが急いで伝令の兵士に命令を伝えに向かう。大佐は仕事が遅いと、夕食にときどき出されるデザートを上官の権限で没収するなどえげつないことをする。そういう罰を受けるのはごめんである。
そんなわけで、俺は命令を伝えるべく急いで要塞内を駆けた。
「は?腐った魚ですか?」
伝令の兵士に命令を伝えると、やはり不思議そうな顔をしてきた。
「そうだ、訳が分からないかもしれないがあの司令官のことだ、何か策があるんだと思う。よろしく頼むぞ。」
「はあ、了解しました。」
伝令はどうも釈然としない様子だった。
その後、命令は伝わり兵士たちは頭に?マークをうかべながらも食糧倉庫へと向かった。そこには腐った魚と[魚専用大砲]と書かれたわけのわからない武器、そして鼻栓が大量にあったらしい。
現場にいた兵士たちが謎の大砲に疑問を抱く前に、腐った魚のあまりの臭さに鼻栓の奪い合いが始まったという…
その後、兵士たちは司令官ハーク大佐から配られたマニュアルを基に、[魚専用大砲]なるものの使い方を覚えた。使い方自体は普通の大砲と同じだったのですぐに覚えることができたが、その臭さに慣れる方が大変だったらしい。
結果的にこの作戦は成功した。次々と撃ち出される腐った魚のとんでもない悪臭に、敵はたちまち撤退したのである。今回は敵の攻撃がそれほど大きな規模でなかったということもあるが、弾薬を一切使わずに勝利を収めることができたのは大きかった。
がその代償もかなり大きなものであった。何万もの腐った魚を放っておくわけにもいかない。多くの兵士を動員しての回収作戦が行われた。
その結果が今の悲惨な状況ってわけだ。
これが今回の事件の全てである。
「はぁ。それよりあの魚専用大砲ってなんですか。誰があんなの作ったんですか。いつの間に。」
「あれはうちの科学班の血と汗の結晶だぞ。あれを作らせるのに三年かけた。」
「三年もそんなことやってたんですか!?うちの科学班は!?ていうか、そんなもん作れるんですか!?」
「まぁ三年は嘘なんだがな。俺が頼んだら三日でしあげてきたぞ。」
中途半端なところで終わってしまいました。早く続きを書きたいと思っています。




