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要塞style  作者: 柚木 裕
最強?の歩兵
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11/12

退いてはならない時

「ここか…」


俺は今要塞の施設の一環、「歩兵訓練所」にやってきている。

調子に乗った新米歩兵をシメるために、渋々、だ。

さて、問題の歩兵はどこだ?


「ちょっといいですか?」

「あ、はい。」


そこにいた歩兵をつかまえて尋ねる。


「ゴロンゾっていう歩兵を知ってますか?」

「はい。有名人ですから。」


まぁそうだよな。


「今どこにいるかわかります?」

「さっき向こうの休憩所で暴れてましたよ。」


暴れてただ?おっかない。なんでそんな奴を俺がシメなきゃいけないんだろう。


「ところでゴロンゾのところに何しに行くんですか?」


もっともなことを尋ねてくる。


「あぁ、ちょっとそいつをシメに行くんですよ。」

「ばかですか?死にますよ?」

「…」


一般歩兵にこんな冷たい風に言われるとは…よほど恐ろしいんだろうな。




そんなやりとりがあり、俺は再びゴロンゾの元へと向かった。



「ナンヤオマエ、ブッ殺スゾワレコラ。」

「…」


説明しよう。今俺は命の危機に立たされている。

目の前にいるこの男が、自称最強の歩兵ゴロンゾだ。

二メートルを超す長身、がっしりとした肉体、広い肩幅、極限にまで鍛え上げられた肉体。さらにはたくましいケツ顎。

こんな男に俺はケンカを売りに来たのだ。…まったく、バカみたいだ。


しかしそれにしても…生意気すぎるな。

本当に反乱分子になりかねないぞ。


「ドナイシタンジャイ、ワシヲシメニキタントチャウンカ、ア?」

「あぁそうだよ。何かお前最近調子乗ってるそうじゃないか?」

「ンダトコルァァァ!!!」


周りの休憩中の歩兵が「マジかこいつ」といった目を向けてくる。

それでも男には退いちゃいけない時があるの…


「ブッ殺スゾコルァァァァァァ!!」

「すんませんでしたぁぁぁぁぁ!!」


俺はとっさに頭を下げて謝罪の言葉を述べた。

いや、やっぱり無理だ。これは死ぬ。


と、思ったのだが


やはり悔しいな。また大佐に叱られるのだろうか。

そんなことを考えている内に、俺の中で何かがはじけた。


「なんて言うかばぁぁぁか!!」

「グフォッ!?」


俺はゴロンゾに渾身の右ストレートをかました。

奴にとっては屁でもない一撃だろうが。

多分俺はこの後無残にギタギタにされるのだろう。だが、今回は引き下がることができなかった。

ゴロンゾはもう反乱分子になりかけている。放っておくわけにはいかない。


「テ、テメェェェェ・・・!」


その反乱分子は俺の目の前で激しい怒りにかられている。やるしかなさそうだ。


「死ィィィネェェェェェェ!!!」


ゴロンゾの拳が迫ってくる。とっさに避けることは出来なかった。

気絶を覚悟で防御の姿勢をとる。


バシッ!


「ナッ!?」


瞬間、ゴロンゾの拳が何者かによって受け止められた。


「おいおいマジで助けなきゃならないなんて思ってなかったぞ、クレマ。」


それは、もう一人の自称「要塞最強」の男であった。



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