設定・紹介ページ ――第97章時点 人物・愛称・飛行機・機械・船・鉄道・国・島・街の案内――
※このページは、第97章まで読んだ方向けの整理資料です。
※第97章までの人物の立場、国の変化、バベル現象、島への移住などを普通に書いています。まだそこまで読んでいない方には大きなネタバレがあります。
設定・紹介ページ
――第97章時点 人物・愛称・飛行機・機械・船・鉄道・国・島・街の案内――
※このページは、第97章まで読んだ方向けの整理資料です。
※第97章までの人物の立場、国の変化、バベル現象、島への移住などを普通に書いています。まだそこまで読んでいない方には大きなネタバレがあります。
※物語の筋を短くまとめる「あらすじ」ではなく、「あの人は誰だった?」「この飛行機はどれ?」「あの島は誰のところ?」となったときに戻ってくるための案内です。
※この物語には、固有名よりも「お父様」「お姉様」「工場長」「いつもの給仕さん」のような関係や役割で呼ばれる人が多くいます。名前がないから重要でない、という意味ではありません。
※どろちゃんが親しい人へ勝手に付けた呼び方もあります。公文書や公式の席では、もちろん正式な名前と爵位を使います。
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まず最初に 愛称・呼び方の早見表
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【どろちゃん】
本名はドロテーヤ・フォン・エルレンフェルト。
主人公です。
家ではエルレンフェルト公爵家の娘、イングランドでは自分自身の権利で伯爵位を持っています。
第97章時点では十七歳です。
【フランソワさん】
正式名はフランソワ・フォン・ゲーテ。
どろちゃんの身の回りと旅行を支える人で、現在は本人を初代とする世襲男爵家の当主でもあります。
どろちゃんより三歳年上で、第97章時点では二十歳です。
【サヴォさん】
ヴィットーリオ・アメデーオ二世。
最初はサヴォイア公でしたが、その後王号を得て、現在は統一が進んだイタリアをトリノからまとめています。
どろちゃんは私的な場では相変わらず「サヴォさん」と呼びます。
【オイゲンさん】
プリンツ・オイゲン。
フランソワ・ウジェーヌ、またはエウジェーニオ・フランチェスコ・ディ・サヴォイア。
サヴォイア家の別の枝につながる王侯家の公子で、名の知られた軍人です。
帝国崩壊と個人保証の後始末を経てエルレンフェルトへ移り、軍政、兵站、防衛、外交などについて意見を求められる立場になりました。
【大家さん】
キャサリン・オブ・ブラガンザ。ポルトガル語ではカタリナ。
チャールズ二世の王妃だった人物です。
どろちゃんがロンドンのプレイストーで買った家そのものの大家ではありませんが、その一帯の上位の荘園権が王太后の終身財産に含まれていたため、どろちゃんの頭の中では「だいたい大家さん」になりました。
【いつもの人】
ジャン=バティスト・コルベール・ド・トルシー、トルシー侯。
ルイ十四世の外交を担う人物です。
パリから手紙が来る。会議に来る。外国まで一緒に行く。何か大きな案件が動くとだいたいそこにいる。
そのため、どろちゃんの中では完全に「いつもの人」です。
【いつもの給仕さん】
エルレンフェルトのホテル・レストラン側から、チェブラーシカちゃんの長距離飛行などへ何度も同行する給仕さんです。
王様や外交使節を運ぶ便でも食事や飲み物を普通に出してくれます。
トルシー侯の「いつもの人」とは別人です。
【レーィカちゃん/じょうろちゃん】
二つの名前がありますが同じ機体です。二機いるわけではありません。
A-1系の初等練習用プライマリーグライダーです。
【ミツバチちゃん】
An-28系の双発ターボプロップ機。
機体表記は「Пчёлка(プチョールカ。ミツバチ。)」です。
【コウノトリちゃん】
OKA-38系の軽連絡機。
機体表記は「Аист(アーイスト。コウノトリ。)」です。
【チェブラーシカちゃん】
An-72S系の要人輸送・輸送機。
「Чебурашка(チェブラーシカ。)」。
王侯を運ぶことも、食料や寝具を運ぶことも、最近では王様の馬車をそのまま運ぶこともあります。
【カニ君】
約五トン級の油圧ショベル。
【プロースキィ君】
十トンクラスのロードローラー。
【サマスヴァール君】
小型クローラーダンプ兼作業車。
【水玉船】
ライン川を走る白い小型旅客艇。
公共用は一色の大きな水玉、公爵家の私用艇は六色の水玉です。
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設定紹介① どろちゃんとエルレンフェルトの人たち
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【ドロテーヤ・フォン・エルレンフェルト/どろちゃん】
この物語の主人公です。
物語の最初では子爵家の十五歳の娘でした。
一度高熱で命を失いかけた少女に、別の世界の現代ロシアで十五年を生きた少女の記憶が重なり、さらにアントノフに関わった多くの航空技術者たちの知識と記憶まで一緒に入っています。
そのため飛行機、構造、材料、エンジン、試験、整備などについて普通の十代ではあり得ない知識を持ちますが、「一人で何でも発明できる天才少女」ではありません。
頭の中の技師さんに聞く。
工場の人に作ってもらう。
大学の先生と計算する。
試験片を壊す。
失敗を記録する。
分からないものは分からないままにして次の試験へ進む。
この繰り返しで技術を育てています。
最初に神様から届いたタドポール君を組み立て、この世界で初めて飛行機を飛ばしました。
そこから航空写真測量、医薬品輸送、通信、電気、工業、鉄道、大学研究、長距離輸送へ活動範囲が広がっています。
父ラインハルトが公爵になったため、家の中では公爵令嬢です。
一方、イングランドでは自分自身の権利で伯爵位を持ちます。
この二つは同じ身分ではありません。
エルレンフェルト条約などの国家間交渉では、どろちゃん自身が四か国の全権者になったわけではありません。
技術、医療、航空、研究、多言語対応などでは非常に大きな役割を持ちますが、他国の政権や領土を一人で決める人ではありません。
第97章時点では十七歳。
最近はローマを一日で見物した翌日に、イタリア王を馬車ごと南イタリアへ運ぶような生活になっています。
【ラインハルト・フォン・エルレンフェルト/お父様】
どろちゃんの父です。
物語開始時はエルレンフェルト子爵。
その後、公爵へ昇叙され、現在はエルレンフェルト公国の国家元首です。
娘が飛行機を持ち込み、大学、工場、医療、鉄道、外交まで話を広げても、土地、税、契約、帳簿、国境、雇用、商取引は勝手には片付きません。
その「地面の上の仕事」をずっと引き受けている人でもあります。
どろちゃんの案を何でも承認する父親ではありません。
危ないものは止め、権限の線を引き、国の金とどろちゃん個人の金を分けます。
反対に、必要なときには娘に任せます。
【カトリーヌ・フォン・エルレンフェルト/お母様】
どろちゃんの母です。
実家は遠方の男爵家。
タドポール君の後席に乗って、娘の飛行機で父親を見舞いに里帰りした、かなり早い時期の乗客でもあります。
馬車なら何日もかかる実家へ、一泊して戻れる。
航空が軍事や大事業だけでなく、家族の距離そのものを変えることを最初に経験した人の一人です。
【お姉様】
どろちゃんの姉です。
東にある伯爵家へ嫁いでいます。
伯爵領で組み立てたレーィカちゃん/じょうろちゃんに乗り、地上滑走、短い浮上、直線滑空、着陸と順番に練習しました。
どろちゃん以外の人が、自分の手で航空機を操縦する流れの最初にいる人です。
結婚して別の家へ移ったため、現在のエルレンフェルト本家では、使用人がどろちゃんを単に「お嬢様」と呼んでも誰を指すか分かるようになっています。
古くから仕える人には、昔からの区別として「ドロテーヤ様」「ドロテーヤお嬢様」が残ることもあります。
【フランソワ・フォン・ゲーテ/フランソワさん】
どろちゃんより三歳年上。
第97章時点で二十歳です。
エルレンフェルト家へ古くから仕えてきた家の出身で、どろちゃんの身の回り、外出、衣類、旅行、荷物、予定、食事、対人関係などを支えています。
第43章で本人を初代とする世襲男爵位を得ました。
したがって、今では単なる「侍女」ではありません。
正式な外交の場では男爵家当主として扱われます。
それでも、どろちゃんとの日常の関係は大きく変わっていません。
旅行では一緒に買い物をし、操縦席でチェックリストを読み、どろちゃんが余計な物を買いすぎそうなら止めます。
初期には大型機の右席へ座っても操縦輪には触れない観察者でしたが、その後コウノトリちゃんなどで動力機の操縦経験を積み、ライデン系ソアラーを改造した動力グライダーも自分で離着陸させています。
ただし、ミツバチちゃんやチェブラーシカちゃんの右席へ座ることと、その大型機を独立して運航出来る資格を持つことは別です。
大型機では現在も、どろちゃんを支える乗員として手順確認、通信、周囲確認などを担当します。
どろちゃんのことは基本的に「お嬢様」と呼びます。
【フランソワさんの妹】
フランソワさんの妹です。
十二月二十日生まれ。
どろちゃんと同じ年で、第94章時点では十七歳です。
以前からどろちゃんとは面識がありますが、読者の前へ直接出てくるのは物語がかなり進んでからです。
姉によく似た顔立ちですが、当然ながらどろちゃんの付き人として育ったわけではないので、立ち方や話し方までフランソワさんと同じではありません。
フランソワ男爵家の継承は、まずフランソワさん自身の子孫。
そこが絶えた場合に妹、その子孫へ続きます。
ただし、爵位を継ぐことと、エルレンフェルト公爵家へ代々奉公することは別です。
【ハンナさん】
フランソワさんの友人です。
プリンツ・オイゲンが帝国軍を離れてエルレンフェルトへ来たとき、軍の副官も従兵も生活係も一緒には連れて来られませんでした。
そこで、こちらでの暮らし方が分かるまでの間、フランソワさんの頼みでハンナさんが生活面を手伝うようになります。
最初は「洗濯物をどこへ出すか」から案内していましたが、その後はオイゲンさんの家族が移ってきたときにも、家の使い方や生活上の細かなことを説明しています。
【マティアス】
エルレンフェルト家の執事です。
本文では「執事のマティアス」「マティアスさん」などと呼ばれます。
家名は設定していません。
【頭の中の技師さんたち】
どろちゃんと一緒にこちらへ来た、未来側の航空技術者たちの知識と記憶です。
設計者だけではありません。
構造。
空力。
エンジン。
試験飛行。
初期グライダー。
大型輸送機。
アントノフ設計局の長い時代の、複数の専門家が混ざっています。
どろちゃんには声として聞こえます。
周囲の人には聞こえません。
普段は飛行機好きの女の子と話す、かなり優しいおじさんたちです。
ただし吊り上げ、組み立て、点火、離着陸など、即時性と安全性が必要な場面だけは短く厳密になります。
基本姿勢は一貫しています。
「作れた」と「使ってよい」は違う。
「飛べる」と「飛んでよい」は違う。
【工場の人たち】
エルレンフェルト機械工場で働く職人、技術者、検査担当などです。
物語が進むにつれて、どろちゃんの説明をそのまま再現する人たちではなくなっています。
試験を行い、改良し、自分たちで次の形を考える技術集団へ変わってきました。
コウノトリちゃんの機体製作、小型二サイクルエンジン、各種治具、鉄道設備など、人間側だけで作る物も増えています。
【ホテル・レストランの調理長さん】
エルレンフェルトのホテル側の料理をまとめる人です。
神様から食材や設備が届いても、勝手に料理にはなりません。
冷蔵庫の中身を管理し、保存期間を考え、外交団の食事を組み、チェブラーシカちゃんのギャレーで仕上げられる料理まで準備します。
第97章では、南イタリアから突然大量に持ち帰られた魚介や食材まで渡されています。
【いつもの給仕さん】
名前を付けないまま、すっかり常連になった人です。
チェブラーシカちゃんで王侯を運ぶときも、北アメリカへ行くときも、機内で普通に食事を出します。
外交官ではありません。軍人でもありません。
しかし、長距離輸送機を「偉い人が我慢して乗る軍用機」にせず、移動中も生活出来る乗り物にするうえで、かなり重要な人です。
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設定紹介② 各国・歴史上の人物
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この物語には実在した人物が多数登場します。
史実の経歴や当時の立場を土台にしていますが、どろちゃんと会い、飛行機、抗生物質、電信、鉄道、神様の現象などに触れた結果、その後の人生は史実と大きく違っています。
【ロバート・フック】
イングランドの自然哲学者、実験家。
顕微鏡、時計、測定、機械、重力など幅広い研究を行う人物です。
物語では晩年にどろちゃんと知り合い、顕微鏡用レンズや薬を受け取ります。
本来の史実より長く生き、研究を続けています。
どろちゃんがイングランドの学術社会へ入る大切な窓口でもあります。
【アイザック・ニュートン】
数学、力学、光学などで知られる研究者。
この時期には王立造幣局長官でもあります。
最初に航空の話を聞いたとき、ニュートンであってもグライダーの実用的な航空工学については「これから理解する人」です。
しかし、理解してからの議論は非常に速く進みます。
その後は重力、単位、元素、周期表など、どろちゃんと純粋に科学をする機会も増えています。
【ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ】
数学、哲学、計算機などで知られる人物。
物語では二進法、電気リレー、計算機などへ非常に強く反応します。
周期表の話からは、元素の分類という実験科学と、物質や存在の究極像を考える哲学をどう分けるかという話にも進みます。
どろちゃんは哲学を否定するのではなく、
「測定と実験で決める問題」
「存在論として考える問題」
を混同しないようにしています。
【ウィリアム三世】
物語序盤のイングランド王。
史実では一七〇二年の落馬後に死亡しますが、本作では抗生物質が王室医療へ届いたことで感染性合併症の悪化を避け、生存します。
ただし負傷の影響は残り、のちに退位。王位はアンへ移ります。
【アン女王】
現在のイングランド女王。
エルレンフェルトの国際会議へ本人が最終決定者として参加します。
長年の病気と痛みを抱えていましたが、神様から個人宛てに与えられた一度きりのエリクサーを自ら飲み、身体に大きな変化が起きています。
政治経験、記憶、人格、法的な年齢まで若返ったわけではありません。
【ジョージ王配】
アン女王の夫。
長距離の外交旅行などで、アン女王とともにチェブラーシカちゃんへ乗ることがあります。
【ルイ十四世】
フランス王。
物語の最初からどろちゃんと仲が良かったわけではありません。
軍事衝突、ヴェルサイユ、医療、科学、度量衡、鉄道、都市整備など、まったく違う種類の問題で何度も会ううちに関係が変わっていきました。
どろちゃんへ、既存の医師・薬剤師とは別の「薬剤医師」という資格を与えた人物でもあります。
【ジャン=バティスト・コルベール・ド・トルシー/いつもの人】
ルイ十四世の外交を担う人物。
どろちゃんの言葉を、そのまま王へ届ければいい伝令ではありません。
どこまでが提案か。
どこからが正式要求か。
何を文書へ残すか。
相手の面子をどう守るか。
そのような部分を扱います。
登場回数が増えすぎて、どろちゃんからは「いつもの人」と認識されています。
【ミシェル・シャミヤール】
フランスの財政と軍務の中枢にいる人物。
戦争を「兵士の数」だけで見ず、金、馬、砲、補給、輸送まで含めて考えます。
【アントニー・ハインシウス】
ネーデルラント側の重要な政治実務者。
共和国なので、王様が前に出て最終決定する国とは仕組みが違います。
国際会議やサヴォイア王国承認などでネーデルラント側の中心人物になります。
【フランソワ・ファーゲル】
ネーデルラント側の文書・外交実務で重要な人物。
ハインシウスとともに各国会議へ参加します。
【ヴィットーリオ・アメデーオ二世/サヴォさん】
サヴォイア家の本流を率いる人物。
物語の途中まではサヴォイア公。
帝国崩壊後、実際に統治している北西イタリアを安定させるため、フランス、イングランド、ネーデルラント、エルレンフェルトなどの承認を受けて王になります。
その時点では「王になったからイタリア全部が自動的に領土になる」という扱いにはしていません。
その後、物語世界ではイタリア半島の統合が急速に進み、第97章ではトリノを中心に新しいイタリアをまとめる王として登場します。
どろちゃんとの私的な関係はかなり近くなっています。
私的な場では「サヴォさん」。正式な席では「陛下」。
第97章では、統一したばかりの国を自分で見るため、どろちゃんに馬車ごとバーリとカラブリアへ運ばれました。
【アンナ・マリア王妃】
サヴォさんの妻です。
家族の場では、王号が変わっても急に家庭内の呼び方まで全部変える必要はない、という普通の生活側にいる人物でもあります。
【マリー=アデライード・ド・サヴォワ】
サヴォさんの娘。
フランスのブルゴーニュ公ルイの妻です。
父が公爵から王になる場へ自分も立ち会いたいと望み、妊娠中ながら医療上の確認を受けたうえでチェブラーシカちゃんへ乗りました。
【プリンツ・オイゲン/オイゲンさん】
サヴォイア=カリニャーノ家につながる王侯家の公子。有名な軍人です。
帝国の支払いを助けるため、どろちゃんの個人資金で借りた金へ何度も自分の保証を付け、最後には根保証の重さを十分理解しないまま非常に大きな個人責任を抱えました。
サヴォ家が債権を買い取り、資産整理をした結果、本人は財産をほぼ失います。
その後、帝国軍から離れ、エルレンフェルトへ帰化。
今は「自分の軍を持って戦う将軍」ではなく、軍政、兵站、防衛、外交、警備などについて相談される人です。
【レオポルト一世】
神聖ローマ皇帝だった人物。
この物語では神聖ローマ帝国そのものが崩壊し、かつての皇帝家も従来どおりの帝国を維持出来なくなります。
家族とともにカナリア諸島側へ移り、グラン・カナリアを生活と家の拠点の一つにしています。
【カール大公】
レオポルト一世の息子。
帝国崩壊後の混乱と海上移動を経て、家族のいるグラン・カナリアへ向かいます。
【ゾフィー・フォン・ハノーファー】
ハノーファー家の人物。
イングランド王位継承とも関係するため、島へ移っても政治的な意味まで消えるわけではありません。
物語ではラ・ゴメラへ移ります。
【キャサリン・オブ・ブラガンザ/カタリナ/大家さん】
ポルトガル王家出身で、チャールズ二世の王妃だった人物。
どろちゃんがロンドンのプレイストーに持つ家との不思議な縁から「大家さん」と呼ばれ、のちにはポルトガルの政治にも関わります。
【ローマ教皇とバチカン側の人々】
第96章時点の教皇はクレメンス十一世。
どろちゃんとサヴォさんはローマ見物の途中でバチカンを訪れます。
そこでバベル現象、消える船、古代彫像や美術品への後世の改変などについて話しました。
作中で会話の中心になる高位聖職者は固有名を付けていません。
使用人のようにへりくだる人ではなく、教会組織を代表して慎重に答える知識人として扱っています。
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設定紹介③ 飛行機・グライダー・飛行装置
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【ターボプロップ化されたAn-2】
物語の最初、現代ロシア側でどろちゃんが乗っていた飛行機です。
バイカル湖の島にある実家へ帰る途中でした。
こちらの世界で長く使う機体ではありませんが、どろちゃんがもともとアントノフ機を身近なものとして知っていたことを示す、物語の出発点です。
【An-22】
現代側で登場する巨大な輸送機。
緊急着陸してきたAn-22と地上で起きた事故が、現代ロシアの少女とこちら側のどろちゃんがつながる直接のきっかけになります。
こちらの世界で運航しているAn-22があるわけではありません。
【タドポール君】
物語の最初から長く付き合う中心機です。
アントノフA-11/A-13系列をもとにした特注仕様。
長い主翼。
小型ジェット。
二人乗り。
滑空性能。
実在系列にあった変更要素を、一機へまとめた「全部入り」に近い機体として扱っています。
前席はどろちゃん。
後席は後ろ向きです。
ジェットで高度を取り、止めれば普通のソアラーとして滑空出来ます。
上昇気流を使えるため、「燃料が何リットルだから航続距離何キロ」と単純には決まりません。
タドポール君自身の声は、どろちゃんにだけ聞こえます。
初飛行。
家族への手紙。
医薬品。
航空写真。
通信筒。
長距離飛行。
さまざまな仕事に使われています。
【レーィカちゃん/じょうろちゃん】
同じ一機です。
US-4/A-1系の単座プライマリーグライダー。
エンジンもロケットもありません。
丘の斜面、向かい風、ゴム索などを使い、
少し浮く。
まっすぐ飛ぶ。
姿勢を保つ。
着陸する。
という最初の訓練を行います。
丸い機首がじょうろに見えたことから「じょうろちゃん」。
ロシア語の「じょうろ」に由来する呼び方が「レーィカちゃん」です。
伯爵領では、同じものを作れるよう型板、治具、検査ゲージも残しました。
【小鳥ちゃん】
単座、与圧式、可変後退翼のロケット・グライダー。
高速時には翼を後退させ、速度が下がれば前へ開きます。
高高度の航空写真撮影では約一万五千メートルまで上がり、その後は「えんちゃん」と組み合わせてさらに高いところまで行きました。
小鳥ちゃんも、どろちゃんに話しかけます。
【アフラ君】
小鳥ちゃんへ付ける固体ロケットユニット。
複数本を目的に合わせて搭載します。
異常時には、小鳥ちゃんが加速装置から離脱するためにも使えます。
推進剤の具体的な配合や製造手順は、物語上細かく設定しません。
【えんちゃん】
小鳥ちゃんの下へ取り付ける再使用式加速装置。
大型固体ロケットで小鳥ちゃんを押し上げたあと分離。
そのまま捨てず、十分に降下してから布製の操向可能な翼を開き、回収地点へ戻ります。
「小鳥ちゃんだけ帰ってくればいい」ではなく、加速装置も回収して再利用するのが基本です。
【ミツバチちゃん】
An-28系の双発ターボプロップ輸送機。
神様から届いた機体です。
機体は白。
表記は、
Пчёлка(プチョールカ。ミツバチ。)。
高翼。
頑丈な固定脚。
双発。
草地運用に強く、人とまとまった貨物を運びます。
操縦席だけの専用乗降ドアはなく、後ろから入り、客室兼貨物室を通って前へ行きます。
どろちゃんが最初からいきなり長距離実用飛行をしたわけではありません。
始動。
停止。
地上走行。
制動。
直線滑走。
軽荷重の初飛行。
着陸後点検。
という順番で慣熟しました。
長距離輸送、各地の視察、人員移動、部品輸送に使われています。
【コウノトリちゃん】
OKA-38系のSTOL軽連絡機。
機体表記は、
Аист(アーイスト。コウノトリ。)。
完成機を神様からもらうのではありません。
神様から届くのは、エタノール仕様のエンジン、主要計器、電子機器、図面など。
翼、胴体、脚、操縦系統、燃料系統、風防などはエルレンフェルト側で作ります。
大量輸送ではなく、
医師。
少人数。
薬。
郵便。
小さな部品。
などを短い草地へ運ぶための飛行機です。
馬車道などを使った緊急運用も想定しています。
フランソワさんが動力機の操縦経験を積む機体でもあります。
【チェブラーシカちゃん】
An-72S系の要人輸送機。
機体に、
Чебурашка(チェブラーシカ。)
と書かれています。
ミツバチちゃんの白一色とは違い、どういうわけか名前の元になったチェブラーシカを思わせる色で現れました。
声もあり、どろちゃんに話しかけます。
普通の旅客座席配置なら三十八人を乗せられます。
しかし客室は固定ではありません。
王侯向けのVIP席を増やす。
普通席を減らす。
貨物を増やす。
寝具を運ぶ。
ギャレーを使う。
長距離の外交団を乗せる。
目的に合わせて組み替えます。
帝国崩壊後の王侯移送。
カナリア諸島。
北アメリカ。
ローマ。
南イタリア。
と行動範囲は非常に広くなっています。
第97章では、サヴォさん本人だけでなく、サヴォさんが普段使う馬車まで貨物室へ積みました。
馬は載せません。
飛行機の騒音や振動の意味が分からない動物に無理をさせるのはかわいそうなので、現地で馬だけ借ります。
【ライデン大学のプライマリーグライダー】
レーィカちゃんそのものを丸ごとコピーした機体ではありません。
どろちゃんの持ち込んだ考え方をもとに、ライデン大学の数学者、自然哲学者、工房職人が、自分たちで手に入る木材、金具、索、布などを使って成立させた初等機です。
この「自分たちの材料で作る」という姿勢が、その後の航空研究の基礎になります。
【ライデン大学のソアラー】
第一世代のプライマリーグライダーから研究を進め、より長く滑空出来る機体へ発展しました。
未来の高性能グライダーの外形をそのまま木でコピーしたのではありません。
翼型や細長い翼などを参考にしながら、当時扱える木材、接着、金属継手、索などで安全に成立する別の構造を作っています。
その後、ノックダウン状態で販売出来るほど設計と製造が整理されました。
【人間側で作った小型二サイクルエンジン】
ライデン大学とエルレンフェルト側で進めている、人間の技術だけで作る小型動力です。
まず約三十馬力級。
そこから排気、ポート、圧縮比などを詰め、四十馬力級へ発展しました。
これは「神様から完成した航空エンジンをもらう」流れとは違います。
試験。
故障。
温度。
燃料と潤滑油。
再始動。
耐久。
を調べながら、自分たちで航空用動力へ近づけています。
第92章では、四十馬力型を積んだソアラーをフランソワさんが飛ばしています。
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設定紹介④ 地上の機械・船・鉄道
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【カニ君】
日立建機ZAXIS ZX50U-5B系、約五トン級の油圧ショベル。
Краб(クラープ。カニ。)
に由来する呼び名です。
排水溝。
根株。
石。
土。
飛行場の粗整地。
飛行場完成後も、農地、用水路、農道などで働きます。
【プロースキィ君】
十トンクラスのロードローラー。
カニ君が整えた地面を転圧します。
一回踏んで終わりではありません。
高さを測り直す。
沈んだところを直す。
雨のあとに見る。
必要ならもう一度締める。
草を刈っただけの野原を、繰り返し飛行機が使える地面に変えるための機械です。
【サマスヴァール君】
小型のクローラーダンプ兼作業車。
Самосвал(サマスヴァール。ダンプトラック。)
に由来します。
土砂だけでなく、人、工具、材料も運びます。
牽引具を付ければ飛行機をゆっくり動かすことも出来ます。
飛行場では、派手な航空機よりむしろ毎日必要になる裏方です。
【水玉船】
エルレンフェルトで作られた、ライン川用の小型旅客艇。
およそ八メートル級。
浅い川でも使いやすい船体。
四角い鋼管フレームと薄い鋼板を溶接し、亜鉛めっき。
独立した浮力区画と空気袋を持ちます。
約二十キロワット級の現地製ディーゼル。
浅瀬や障害物に合わせてプロペラ軸を持ち上げられます。
白い船体に大きな水玉。
公共艇は一艇につき一色。
公国旗と紋章を付けます。
公爵家の私用艇だけは六色の水玉です。
得意なのは、
人。
郵便。
急ぐ小荷物。
研究者。
役人。
薬。
樽や大量の穀物などの重い大量貨物は、従来の大きな船の方が向いています。
鉄道が発達した現在では、
速く行くなら鉄道。
川沿いを楽しみながら移動するなら水玉船。
という役割分担が出来ています。
【電気鉄道】
この物語世界の大規模な陸上輸送の中心です。
蒸気機関車を主力にした鉄道ではありません。
ボイラーを大量生産して蒸気鉄道網を作るより、発電、送電、モーター、制御を積み上げて電気鉄道へ進みました。
建設では、出来た線路そのものを使ってレールや資材を前線へ運び、平地では工事速度が上がります。
ただし、橋、山、トンネル、路盤、電力設備は簡単にはなりません。
フランス。
ネーデルラント。
ドイツ地域。
イベリア半島。
イタリア。
オーストリア方面。
それぞれ資金の出し方も所有者も違います。
「鉄道がある=全部国家所有」ではありません。
フランスの重要路線にはルイ十四世が個人資産で出資したものがあります。
ネーデルラントは国家予算色が強い。
イベリア側にはイングランド資本が入る。
オーストリア方面の鉄道会社には、どろちゃん個人が株主となるものもあります。
【電信】
飛行機と並んで、国の大きさを急に縮めた技術です。
有線電信。
電鍵。
電磁石。
サウンダー。
リレー。
中継器。
アルプスを越える連絡も、以前の何日から「その日のうち」に近づいています。
第97章では、どろちゃんとフランソワさんが離宮でお茶を飲んでいる間に、サヴォさん側からローマ・バチカンで起きたことの報告が各国へ電信で飛んでいます。
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設定紹介⑤ 第97章時点の主な国と政治的位置
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【エルレンフェルト公国】
ライン川東岸、ストラスブールより南にある、もともとは小さな領地です。
領主はラインハルト公爵。
飛行場。
機械工場。
薬品製造。
ホテル。
国際会議施設。
鉄道。
電信。
研究設備。
物語開始時には想像出来なかった機能が集まりました。
ただし、大国になって周囲を征服したわけではありません。
小さな土地のまま、交通と技術と会議の結節点として重要になっています。
【フランス】
ルイ十四世の国。
物語初期にはエルレンフェルトと軍事的に衝突しかけましたが、現在は条約、鉄道、医療、研究、都市計画などで深く関係します。
トルシー侯が外交実務の中心人物として何度も登場します。
【イングランド】
現在はアン女王。
どろちゃんはここで伯爵位を持ち、自分の土地や家を持っています。
王立協会、フック、ニュートンなど学術面の関係も深い国です。
【ネーデルラント連邦共和国】
王国ではなく共和国。
ハインシウスやファーゲルなど、政治・文書実務を担う人物が国際会議で前に出ます。
ライデン大学もこの国にあります。
放送、電気、グライダー研究など、物語後半では科学技術の重要な中心です。
【イタリア王国】
第97章時点で、イタリア半島は物語世界の中でほぼ一つの国へまとまりました。
王はサヴォさん。
首都はトリノ。
ただし、統一した瞬間から行政も経済も全部一つになるわけではありません。
旧諸邦ごとに、法律、税、港、道路、土地制度、歓迎の作法、商習慣が残っています。
第97章でサヴォさんがバーリやカラブリアを自分の目で見に行くのも、そのためです。
シチリア島、サルディーニャ島、コルシカ島は、まだこの時点ではイタリア王国へ入っていません。
【ポルトガル】
大西洋側の重要な国。
キャサリン/カタリナ、つまりどろちゃんの「大家さん」が政治的にも大きく関わるようになります。
海上交通、私掠問題、鉄道、大西洋航路などで四か国側との関係が深くなっています。
【旧神聖ローマ帝国地域】
この物語では、神聖ローマ帝国が従来の形のまま存続していません。
帝国の曖昧な共同債務。
領邦の権利。
王朝の財産。
軍。
税。
国境。
それらを一つずつ分け直す必要が生じました。
旧王侯家の一部はカナリア諸島へ移り、地域側では新しい国家や行政単位が作られています。
西側には物語独自のドイツ連邦共和国など、新しい国も成立しています。
【ロシアとスウェーデン】
第93章以降、バベル現象の中心になった国々です。
国内で、それまで全員に通じていた共通語が通じなくなり、地域ごとに異なる言葉や文字が現れました。
行政。
軍。
商業。
教育。
帳簿。
命令。
国を動かす基盤そのものが分断されています。
現在は軍政と実務者による再建が進み、多言語新聞、辞書、外から戻る軍人や商人などを使いながら国家機能を組み直しています。
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設定紹介⑥ 主な街・研究拠点
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【エルレンフェルト】
どろちゃんの家がある場所。
最初のタドポール君は、屋敷近くの丘と草地から飛びました。
その後、町の外れに本格的な草地飛行場、工場、ホテル、会議施設などが増えています。
技術が突然降ってくる場所というより、
「届いたものを、社会の中で使える形へする場所」
になっています。
【ライデン】
ネーデルラントの大学都市。
グライダー。
電気。
磁気。
材料。
構造。
小型エンジン。
放送。
さまざまな研究が続きます。
どろちゃんが答えを教えて終わる場所ではありません。
大学側が自分で試し、再現し、売れる機体まで作るようになっています。
第93章のエンジン盗難事件と、その後のバベル現象でも重要な舞台になります。
【ロンドン】
王室。
学術。
医療。
商業。
どろちゃん個人の伯爵としての立場。
いくつもの線が重なる都市です。
プレイストーにはどろちゃんが買った家があります。
【パリ】
フランス政治の中心。
ルイ十四世、トルシー侯、科学アカデミー、鉄道、都市整備などの話で何度も訪れます。
【ヴェルサイユ】
ルイ十四世の宮廷と庭園の場所。
どろちゃんが王と直接話すようになるにつれて、単なる「遠い外国の宮殿」ではなくなりました。
【ストラスブール/ケール】
ライン川を挟む交通上の重要地点。
道路、鉄道、橋、水玉船、フランスとエルレンフェルトの往来などが集中します。
ストラスブール方面の鉄道や山岳トンネルは、フランス側の資金と各地の測量・土木技術が結びつく大事業です。
【ウィーン】
かつての帝国政治と商業の大都市。
お父様の仕事拠点。
大商人。
帝国関係者。
鉄道。
旧体制の資産整理。
物語中盤以降の大きな変化を強く受けた都市です。
【トリノ】
現在のイタリア王国の首都。
サヴォさんの政治的な本拠地です。
第96章、第97章では、ここを拠点にローマ、バーリ、カラブリアへ飛び、同じ日のうちに戻るという、王の現地視察の形が生まれています。
【ジェノバ】
リグーリア海に面した大港。
サヴォさんが公爵から王になる正式な承認の場にも使われました。
北西イタリアの内陸だけを持つ国から、海へ開く国へ変わったことを見せる象徴的な場所です。
【ミラノ】
ロンバルディアの大都市。
サヴォイア側が北西イタリアをまとめる段階で、トリノ、ジェノバとともに重要な都市になります。
【ローマ】
第96章で、どろちゃん、フランソワさん、サヴォさんが日帰りで訪れます。
コロッセオ。
カラカラ浴場。
バチカン。
古代彫刻。
美術品。
政治の視察だけでなく、普通に観光もしています。
【ローマ北側の将来飛行場候補】
現在のローマ・ウルベ空港付近を想定した場所。
当時の地名や現代の空港施設がそのままあるわけではありません。
ローマ市街へ近い草地として、将来の飛行場候補を確認しています。
まだ買収完了ではありません。
使用許可を取り、草刈り、石の除去など最低限をして一度使った段階です。
【チャンピーノ方面】
ローマのより大きな将来航空拠点候補。
貨物、整備、予備などを含む大規模飛行場を置く余地として考えています。
ただし、現在すでに現代の空港があるという意味ではありません。
【バーリ】
イタリア半島のアドリア海側。
長靴に見立てるなら、かかと側へ向かう海岸の重要港です。
海の向こうにはバルカン半島。
とくにギリシャ方面との人や物の往来が多い場所として、第97章でサヴォさんが視察します。
海賊・私掠を含む船が消える現象によって、船体だけでなく船長、航海士、熟練船員まで失われ、正規貿易まで輸送力不足に陥っています。
【ヴィッラ・サン・ジョヴァンニ付近】
イタリア半島の長靴のつま先側、カラブリアのメッシーナ海峡沿岸。
ただし、一七〇四年に現在のヴィッラ・サン・ジョヴァンニの町と港がそのまま存在する、という設定ではありません。
読者に位置を分かりやすくするため現在の地名を使い、実際の発着や視察は、現在の市域より少し北寄りにある海岸集落と船着き場のある一帯を想定しています。
【メッシーナ】
ヴィッラ・サン・ジョヴァンニの対岸。
イタリア本土ではありません。
メッシーナ海峡を渡った、シチリア島側の大きな港町です。
近い場所では対岸が肉眼で見えるほどの距離なのに、第97章時点ではまだ別の国側です。
海運の船と船員が同時に失われることで、港湾、荷役、倉庫、宿、飲食、船員向けの商売まで経済基盤が崩れています。
【リスボン】
ポルトガルの中心都市。
大家さんとの関係、鉄道、海上問題などで、どろちゃんたちが何度も訪れる場所になっています。
【ボストン】
北アメリカ側の重要都市。
チェブラーシカちゃんを使った大西洋横断、現地軍の確認、商業打ち合わせなどで登場します。
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設定紹介⑦ 島が多くなったので、島だけまとめます
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このあたりまで来ると、
「どの島に誰が行ったんだっけ」
がかなり分かりにくくなっています。
特にカナリア諸島は、旧神聖ローマ帝国の王侯家を移す話で七島すべてに役割があります。
――カナリア諸島――
【テネリフェ】
スペイン側がそのまま持つ中心島。
旧王侯家へ配る六島の一つにはしていません。
港。
行政。
医療。
倉庫。
各島への船便。
神様燃料の補給。
島々全体を支える中継点です。
どろちゃんたちの通常の長距離輸送も、まずテネリフェまで。
そこから先はスペイン側の船に任せるのが基本です。
どろちゃん自身も島に小さな別荘を持っています。
中央には非常に高いテイデ山があり、火山島らしい大きな高度差があります。
【グラン・カナリア】
ハプスブルク家。
旧皇帝レオポルト一世と家族が移る島です。
カール大公も、のちに家族のいるこの島へ向かいます。
テネリフェと同じく中央部が高く、谷が深い島です。
【ランサローテ】
ホーエンツォレルン家。
カナリア諸島の東寄り。
西側の高く湿った島々と比べると、比較的低く乾燥しています。
【フエルテベントゥラ】
ヴェッティン家。
こちらも東寄りで、比較的低く乾燥した島です。
【ラ・パルマ】
バイエルンのヴィッテルスバッハ家。
高く急峻な地形を持つ島です。
【ラ・ゴメラ】
ハノーファーのヴェルフ家。
ゾフィーさんたちが移ります。
小さい島ですが谷が深く、平らな土地が多い島ではありません。
高齢のゾフィーさんが暮らすため、家の階段や坂道まで事前に確認しています。
【エル・イエロ】
プファルツのヴィッテルスバッハ家。
七島の中でも小さく、急な斜面の多い島です。
【カナリア諸島への飛行の基本】
チェブラーシカちゃんが毎回七島全部を順番に回るわけではありません。
通常はテネリフェまで人と荷物を運ぶ。
そこでスペイン側へ引き渡す。
各王家の島までは、島をよく知るスペイン側の船などで運ぶ。
この方が、毎回知らない地面へ大型機で着陸する必要がありません。
ただし急病や大きな事故が起きた場合に直接迎えに行けるよう、いくつかの島ではチェブラーシカちゃんが実際に降りられる場所を確認しています。
――現在のイタリアにまだ入っていない三つの大きな島――
【シチリア島】
第97章時点ではスペイン側。
イタリア半島の「つま先」のすぐ先にあります。
北東端の大都市がメッシーナ。
本土側のカラブリアから海峡を挟んですぐに見えます。
将来は戦争で奪うのではなく、交渉によってイタリアへ入れる方向です。
ただし、交渉がまとまるまで本土側はシチリアを自国として使えません。
そのためサヴォさんは、ヴィッラ・サン・ジョヴァンニ側の町を「シチリアがなくても回る町」として立て直す必要があると考えます。
【サルディーニャ島】
第97章時点ではスペイン側。
イタリア半島の西側、コルシカ島の南にある大きな島です。
こちらも将来は交渉でイタリアへ入れる方向です。
【コルシカ島】
第97章時点ではジェノヴァ側。
サルディーニャ島の北、イタリア半島の西側。
こちらも将来は交渉によってイタリア側へ整理する方向です。
結果として、以前どろちゃんが地図上でイタリア半島と三島をまとめて囲んだ線に近い形へ落ち着いていく予定です。
――そのほか、覚えておくと便利な島――
【バミューダ】
大西洋上の島。
マールバラ公ジョン・チャーチルは、アン女王の命令による長期軍務としてこの方面へ赴任し、サラ夫人も同行しています。
カナリア諸島の旧王侯家移住とは別の話です。
【アゾレス諸島】
ポルトガルの大西洋側拠点として、航空、海運、通信などの話で名前が出ます。
カナリア諸島と混同しやすいですが、こちらはポルトガル側です。
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設定紹介⑧ 神様から来るものと、人間が作るもの
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この物語では、神様由来の物が非常に強力です。
しかし、
「神様から未来技術が無限に出てくるので、人間側の技術開発はいらない」
という世界ではありません。
【神様の箱・神様の物資】
必要な機械、部品、消耗品などが届くことがあります。
ただし、何でもお願いすれば来る通信販売ではありません。
届いた理由。
次も届くか。
同じものが増えるか。
いつまで使えるか。
分からないことも多くあります。
【一晩で補充される消耗品】
初期のリベット、塗料、潤滑油、燃料など、一部の神様物資は使うと一定条件で補充されます。
文具ラックなど、後から同じ仕組みを持つものも増えました。
ただし、すべての物が増殖するわけではありません。
【五十リットル燃料缶】
神様由来の共通燃料を入れる缶。
使い切ったあと、
機体から降ろす。
燃料系統から切り離す。
地面へ置く。
一晩休ませる。
この条件で再び一定量まで満たされます。
飛行中や機体に固定したままでは補充されません。
空だった缶が突然重くなり、飛行機の重心や重量を変えるような危険なことは起きません。
【共通燃料】
外見や性質はケロシンに近い架空の燃料。
神様由来の航空機や土木機械のかなり多くで共通して使えます。
一方、人間側で作るコウノトリちゃん用エンジンや小型二サイクル航空エンジンでは、エタノールなど現地生産出来る燃料を使う方向へ進んでいます。
【人間側の技術】
水玉船。
鉄道。
有線電信。
小型二サイクルエンジン。
グライダー。
コウノトリちゃんの機体。
薬品生産。
機械加工。
こうしたものは、人間側で再現し、量産し、改良していきます。
神様の物は研究の基準になることがありますが、分解禁止の物もあり、「未来製品をばらしてコピーすれば終わり」にはしていません。
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設定紹介⑨ この世界で起きる、普通ではない現象
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【飛行と生物的な「高さ」】
この世界では、空を飛ぶことに生物学的な意味があります。
単に飛行機の中にいる間だけ病気にならない、という防護ではありません。
高度。
滞在時間。
自分で飛んでいるか。
高さを維持するために働いているか。
そうした要素が、点数のように積み上がります。
一定の段階を越えると、生物としての「階級」が上がり、同じ病気でも重くなりにくい、回復しやすい、といった差が出ます。
着陸したら全部ゼロへ戻るものではありません。
ただし、ワクチンがない病気が存在しなくなる、事故に遭わなくなる、何をしても死ななくなる、という仕組みではありません。
【星になる】
この世界では、人間が非常に明確な条件で悪意ある不正や危険な行為をした場合、「星になる」と表現される神様側の介入が起きることがあります。
誰かが法律を作り、
「この行為は気に入らないから神罰にしよう」
と自由に条件を決められるものではありません。
人間側は、起きた現象から条件を推測しているだけです。
【海で消える船】
海賊、私掠などに関する国際的な取り決めの後、一定の条件を満たした違反船が、船体、積荷、人ごと消える現象が起きています。
重要なのは、
「船だけなくなって、船員が失業する」
のではないことです。
船長。
航海士。
熟練船員。
乗組員。
積荷。
船体。
まとめて失われます。
そのため、第97章の南イタリアでは、海賊がいなくなっただけでなく、正規の海上貿易へ転用出来る熟練船員まで不足しています。
港町では、帰港した船員が使っていた金も消えます。
宿。
酒場。
飲食店。
娯楽。
女性が客を取る店。
盗品や出所の怪しい品を買っていた故買商。
海賊・私掠経済へつながっていた町の仕事が、まとめて縮みます。
【バベルの塔現象/バベル現象】
第93章以降の大きな出来事。
それまでこの世界のヨーロッパでは、国が違っても基本的に一つの共通の話し言葉と文字が通じていました。
ところがロシアとスウェーデンを中心に、突然それが崩れます。
地域ごとに違う言葉。
違う文字。
違う数字表記。
相互に読めない文書。
が現れます。
ただし、どろちゃんにも「神様が新しい言語を作った」のか、「それまで存在した共通理解の仕組みを外した」のかは分かりません。
結果だけが観測されています。
【バベル現象と国外にいた人】
対象国の国民でも、現象発生時に国外にいた人は共通語を保つ例があります。
逆に、対象地域の中にいた外国人が必ず同じ変化を受けるわけでもありません。
この差が、復旧に重要になります。
【辞書】
バベル現象のあと、神様側から地域言語と従来の共通語を対応させる辞書が複数届きます。
言葉だけでなく、どの地域で使うか、文字、話者の範囲なども整理されています。
それでも、一冊の辞書を配れば国家が元どおりになるわけではありません。
【多言語放送】
どろちゃん自身は新しく分かれた各地の言葉を理解して話せるため、ライデンの放送設備から多言語ニュースを読みます。
ただし、録音して延々流せるわけではありません。
どろちゃんがライデンにいるときだけ多言語放送。
いなくなれば通常の共通語放送と音楽。
そのため、多言語新聞、辞書、外から戻る軍人、商人、留学生も重要です。
【古い帳簿が読めない】
第95章の問題。
バベル現象を受けたロシア・スウェーデン側の商人には、現象前に自分で使っていた共通語の帳簿が読めなくなる人がいます。
店名。
品名。
数量。
価格。
貸し。
借り。
それが確認出来ません。
帳簿上の財産が消えたわけではありません。
しかし正しい債権債務を確認出来ないので、信用取引が止まります。
そのため王家資産を保証に使い、支払いをいったん止め、つなぎ融資をし、共通語を読める外部の会計担当が旧帳簿を読み、債権債務を照合し、本当に不足した部分だけ保証を使う、という再建が進められています。
【領土とバベル現象】
バベル現象には、国境や正式な帰属に反応するように見える非常に奇妙な性質があります。
単なる軍事占領では変わらない。
正式に非対象国へ編入すると共通語へ戻る例がある。
元のバベル対象国へ戻すと、またバベル現象が現れる。
ただし、これを何度も繰り返せる便利な「言語リセットスイッチ」にはなりません。
小さな地域で慎重に検証している段階です。
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設定紹介⑩ 今の交通をざっくり整理
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【少人数・軽い荷物・短い草地】
コウノトリちゃん。
【まとまった人数と貨物】
ミツバチちゃん。
【王侯・長距離・大人数・大きな荷物】
チェブラーシカちゃん。
【一人か二人で飛び、滑空も使いたい】
タドポール君。
【初めて飛行を学ぶ】
レーィカちゃん/じょうろちゃん、大学のプライマリーグライダー。
【人間側だけで動力滑空機を研究する】
ライデン系ソアラー+小型二サイクルエンジン。
【大量の陸上輸送】
電気鉄道。
【川沿いを急がず移動・郵便・小荷物】
水玉船。
【重い川の貨物】
従来型の大きな船。
【国をまたぐ急報】
電信。
つまり、飛行機が出てきたから馬車も船も鉄道も消えた、という世界ではありません。
それぞれ、
何人。
何トン。
何キロ。
どれだけ急ぐか。
地面があるか。
燃料があるか。
を見て使い分けています。
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最後に 「誰だっけ?」の超短縮索引
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「サヴォさんって誰?」
→ヴィットーリオ・アメデーオ二世。現在のイタリア王。
「オイゲンさんってサヴォさんと同じ人?」
→別人。親族ではありますが、プリンツ・オイゲンです。
「大家さんって普通の家主さん?」
→違います。キャサリン/カタリナ王太后。プレイストーの土地の上位権利関係から、どろちゃんだけがそう呼んでいます。
「いつもの人って誰?」
→フランス外交のトルシー侯。
「いつもの給仕さんはトルシー侯?」
→全然違います。エルレンフェルトの給仕さんです。
「レーィカちゃんとじょうろちゃんは二機?」
→同じ一機です。
「ミツバチちゃんは?」
→An-28系。白い双発ターボプロップ輸送機。
「コウノトリちゃんは?」
→OKA-38系。現地生産する軽連絡機。
「チェブラーシカちゃんは?」
→An-72S系。大人数・長距離・要人・大きな貨物担当。
「タドポール君は?」
→最初からいるジェット付きソアラー。どろちゃんと会話します。
「水玉船は?」
→ライン川の白い小型旅客艇。公共艇は単色水玉、私用艇は六色。
「テネリフェは誰の島?」
→スペイン側の中心島。王家へ配っていません。
「旧皇帝一家は?」
→ハプスブルク家としてグラン・カナリア。
「ハノーファーのゾフィーさんは?」
→ラ・ゴメラ。
「シチリアはもうイタリア?」
→第97章時点ではまだ。スペイン側です。将来は交渉による編入方向。
「サルディーニャは?」
→まだスペイン側。将来は交渉方向。
「コルシカは?」
→まだジェノヴァ側。将来は交渉方向。
「メッシーナは本土?」
→違います。メッシーナ海峡を渡ったシチリア島側です。
「バーリはどっち側?」
→アドリア海側。長靴のかかとへ向かう側で、ギリシャ・バルカン方面との海上交通が重要です。
「どろちゃんは国王?」
→違います。エルレンフェルト公爵の娘で、イングランドでは本人が伯爵。国際政治では強い影響力がありますが、各国を自分で統治する人ではありません。
「フランソワさんは侍女?」
→日常ではどろちゃんの付き添いを続けていますが、現在は本人を初代とする世襲男爵でもあります。
「フランソワさんは飛行機を飛ばせる?」
→軽い動力機や動力グライダーの操縦経験があります。ただし、大型輸送機の右席に座ることと、その機体を独立運航出来ることは別です。
「バベル現象で何が起きた?」
→それまで共通だった言葉と文字が、対象地域で地域ごとに分かれました。
「どろちゃんは神様の考えが分かる?」
→分かりません。神様の行動の結果を見ることは出来ても、その意図まで勝手に決めないようにしています。




