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70貴族令嬢と侍女は同じ日にお誕生日を迎えます

第70章 貴族令嬢と侍女は同じ日にお誕生日を迎えます



 十二月一日です。


 今日は、わたしの誕生日でした。


 そして。


「フランソワさん、お誕生日おめでとう」


 朝いちばんに言うと、フランソワさんは、いつものようにわたしの髪を整えながら笑いました。


「ありがとうございます、お嬢様。お嬢様も、お誕生日おめでとうございます」


「フランソワさんも今日なのに、働いてるね」


「はい。わたくしのお仕事ですから」


「今日は休んでもいいのに」


「お食事の時間には、ちゃんと一緒に座らせていただきます。それまでは、いつもどおりでございます」


 そう言って、髪の左右を見比べています。


 わたしが17歳。


 フランソワさんが20歳。


 生まれた年は違いますが、誕生日は同じ12月1日です。


 わたしが生まれたときには、フランソワさんはもう3歳でした。


 そのころからずっと一緒です。


 そして、わたしの15歳の誕生日には、神様からタドポール君の部品が届きました。


 あの日から2年。


 身支度が終わるころ、執事さんが知らせに来ました。


「お嬢様。神様からと思われる箱が、2つ届いております」


「2つ?」


「はい。お嬢様のお名前と、フランソワ様のお名前が書かれております」


 15歳の誕生日に届いた箱ほど大きくはありません。


 それでも、片方はかなり大きな箱でした。


                *


 まず、フランソワさんの箱を開けました。


 ふたを開けると、大きな茶色い耳が見えました。


「……あ」


 フランソワさんも、すぐに分かったようです。


「チェブラーシカですね」


 飛行機の方ではありません。


 大きな耳をした、あちらのチェブラーシカです。


 しかも小さくありません。


 実物大でした。


 チェブラーシカそのものが小さいので、実物大でもフランソワさんが両腕で抱えられるくらいです。


「かわいい」


 フランソワさんが、ほんとうにうれしそうに言いました。


「よかったね」


「はい。お部屋の椅子へ座っていただこうと思います」


「1人分使うね」


「そのくらいは、よろしいでしょう」


 次は、わたしの箱です。


 ふたを開けると、まず大きな翼が見えました。


 その下に、丸く作られた機首があります。


 翼には6つのエンジン。


 後ろは双尾翼です。


「……これ、An-225だ」


 Ан-225 Мрія(ムリヤ。「夢」の意味。)。


 前の世界にあった、An-225という、とても大きな6発エンジンの輸送機です。


 もちろん、本物ではありません。


 かなり小さくして、丸くかわいく作ったぬいぐるみでした。


 それでも長さは1mほどあります。


 さっきのチェブラーシカは、小さいけれど実物大。


 こちらのAn-225は1mもありますが、本物に比べれば、ものすごく小さくされています。


 執事さんも、空いた箱を片づけるために、まだそばにいました。


「これ、縮尺は大事だよね」


 わたしが言うと、フランソワさんがうなずきました。


「そうでございますね」


 執事さんもうなずきます。


「はい。そのようでございますね」


「神様が縮小する倍率をうっかり間違えて、An-225を等倍でプレゼントしてくれたら、大変なことになるよ」


「そうでございますね」


「さようでございますね」


 二人とも、わりと落ち着いています。


 無理もありません。


 この二人は、An-72など、本物の飛行機が神様から届くのをもう見ています。


「いや、本当に大変だよ」


 わたしは言い直しました。


「An-225は長さが84mくらいあるんだよ。翼の端から端までは88m以上あるの。お屋敷の前に等倍で出てきたら、置く場所から困るよ」


 フランソワさんが、1mのぬいぐるみを見てから、窓の外を見ました。


「……それは、かなり大変でございますね」


 執事さんも今度は少し考えました。


「先に飛行場へ届けていただく必要がございますね」


「そういう問題でもあるけど、そういう問題だね」


 神様は、ちゃんと縮小してくれていました。


「大きいね」


「お嬢様のお部屋でしたら置けますが、持って歩く大きさではございませんね」


「うん。鞄にはつけられない」


 そう言ってから、わたしは翼を触りました。


 ふわふわしています。


 わたしは、この形を前にも持っていました。


 前のものは、手のひらに載るくらい小さなAn-225のぬいぐるみでした。


 前の世界で、わたしは日本の小説やアニメが好きでした。


 日本の女子高校生が、鞄に小さなぬいぐるみや飾りをつけているのを見て、自分でもまねをしたのです。


 ロシアの女の子が、日本の女子高校生を再現したつもりでした。


 たぶん、かなり適当でした。


 それでも本人は満足していました。


 Мріяは、日本語では「夢」という意味です。


 だから、わたしはその小さなぬいぐるみを、素直に「夢ちゃん」と呼んでいました。


 あの日も、夢ちゃんは鞄についていました。


 ターボプロップ化されたAn-2に乗って、バイカル湖の島にある実家へ帰ろうとしていた日です。


 そのあと、緊急着陸してきたAn-22にひかれて、わたしはこちらへ来ました。


 鞄も。


 小さな夢ちゃんも。


 向こうの世界に残してきました。


「お嬢様?」


 フランソワさんが、わたしを見ています。


「これね。前にも持ってたの」


「同じ飛行機のぬいぐるみでございますか?」


「うん。もっとずっと小さかったけど」


 わたしは、1mあるぬいぐるみを見ました。


「前の子は、夢ちゃんって呼んでたんだよ」


「夢ちゃん、でございますか」


「Мріяが『夢』だから」


 少し考えてから、もう一度ぬいぐるみを抱えました。


「じゃあ、この子はムリヤちゃん」


 夢ちゃんが、大きくなって帰ってきました。


 今度は鞄にはつけられません。


 午前中は、ふつうに仕事がありました。


 誕生日でも、領地の書類が消えるわけではありません。


 フランソワさんも、ぬいぐるみを自分の部屋へ置いたあとは、またいつもの仕事へ戻りました。


 昼を過ぎたころ、ハンナさんが来ました。


 手に2つの包みを持っています。


「お二人とも、お誕生日おめでとうございます」


「ありがとう」


「ありがとうございます、ハンナさん」


「少し前から作っていたのですが、何とか今日までに間に合いました」


「作ったの?」


「はい。あの布屋さんで、使えそうな布を選んできました」


 まずフランソワさんへ渡された包みを開くと。


 白っぽい翼と、細い機体が出てきました。


「……コウノトリちゃん」


 フランソワさんが、両手でそっと持ち上げます。


 ちゃんと飛行機です。


 コウノトリちゃんの形をしています。


 ただし、ぬいぐるみにするには少し難しかったようで、翼と脚と機首のところには、何度も縫い直した跡がありました。


 それでも、見ればすぐ分かります。


「難しかったでしょう」


 フランソワさんが言いました。


 ハンナさんは少し笑いました。


「思っていたより難しかったです。翼をつけると傾きますし、脚を細くすると立ちませんし。何度か作り直しました」


「ありがとうございます。とても嬉しいです」


「フランソワさんは、お仕事でコウノトリちゃんをよくお使いになるでしょう。ですから、こちらがいいと思いました」


 フランソワさんは、またぬいぐるみを見ました。


「では、お仕事へ行かない日は、この子にお留守番をお願いできますね」


「そのくらいでしたら、きっとできます」


 次は、わたしの包みです。


 こちらは、丸みがあります。


 白い胴体。


 2つのエンジン。


 高いところについた翼。


「ミツバチちゃんだ」


「はい。こちらは、コウノトリちゃんより作りやすかったです」


「かわいい」


 わたしは両手で持ちました。


 神様のムリヤちゃんは1mあります。


 ハンナさんのミツバチちゃんは、ちゃんと抱えて持てる大きさです。


「これなら鞄に入るかな」


「お嬢様、入れるのでございますか」


 フランソワさんが聞きました。


「入れないよ。つぶれるもん」


「安心いたしました」


 ハンナさんが笑っています。


 神様からもらったものと。


 人が布を選んで、針と糸で作ってくれたもの。


 どちらも、同じくらいうれしいものでした。


                *


 夕方になると、食堂の準備が始まりました。


 今年の誕生日の席は、少し人数が増えています。


 お父様。


 お母様。


 わたし。


 フランソワさん。


 執事さん。


 それに、今年からオイゲンさんとハンナさんが加わりました。


 料理長さんは、ずいぶん前から今日の料理を考えていたようです。


 昔より、料理の種類がかなり増えました。


 わたしがあちこちへ行くたびに、料理の本を買ってきます。


 店で売っているメニューブックがあれば、それも買います。


 食べておいしかったものは、使っている材料を分かる範囲で覚えて帰ります。


 運べる食材や香辛料なら、実物を買うこともあります。


 そのたびに料理長さんへ渡していました。


 最初のころは、


「お嬢様、これは何に使うのでしょう」


 と聞かれることも多かったのですが、最近は違います。


「これは、あちらの魚料理に使えそうです」


「前にお持ち帰りになった香辛料と合わせてみましょう」


 と、料理長さんの方から言うようになりました。


 今日の食卓にも、いろいろなところで見た料理が並びました。


 全部をそのまま再現したわけではありません。


 領地で手に入る肉や野菜へ置き換えたもの。


 魚の調理だけ借りたもの。


 ソースだけ別の国のもの。


 お菓子は、また別の町で食べたもの。


 それでも、2年前の誕生日より、ずっと遠くまで行った味がしました。


「料理長さん、また増えたね」


 わたしが言うと、お母様が笑いました。


「あなたが出かけるたびに、本と食べ物を持って帰ってくるのですもの。料理長も大変でしょうね」


「でも、楽しそうだよ」


「それは、そうでしょうね。最近はあなたより先に、次は何を持って帰るのか聞いているもの」


 お父様が料理を見ながら言いました。


「仕事で出かけたはずなのに、帰りの荷物だけ見ると食べ歩きに行ったような日もあるな」


「ついでだよ」


「そういうことにしておこう」


 オイゲンさんは、皿の上の料理を少し見てから口にしました。


「エルレンフェルトへ来てから、食事についてだけは、どこの料理が出てくるのか予想しないことにしました」


「嫌だった?」


「いや。むしろ楽しみにしている。ただ、予想して当たったことがほとんどない」


「明日は普通のごはんだと思うよ」


「それを聞いても安心してよいのか、もう分からないな」


 ハンナさんが横で笑いました。


「オイゲン様。最近は、普通のお食事の基準も少し変わってきております」


「ハンナまでそう言うのか」


 フランソワさんも今日は誕生日です。


 それでも、完全に仕事をやめているわけではありません。


 わたしのそばにいて、飲み物が足りなければ気づきます。


 新しい料理が出れば、給仕の人との受け渡しも見ています。


「フランソワさん、今日くらいは座ってていいよ」


「座っておりますよ、お嬢様」


「さっき立ってた」


「ほんの少しです」


 執事さんが静かに言いました。


「本日はフランソワ様もお祝いされる側でございます。こちらは私どもにお任せください」


「分かっています」


 返事をしながら、またテーブルの端を見ています。


 たぶん今日は、これで休んでいる方です。


                *


 食事の最後には、お誕生日のお菓子が出ました。


 料理長さんが自分で運んできました。


「お二人とも、お誕生日おめでとうございます」


「ありがとう。今日のごはん、全部おいしかったよ」


「ありがとうございます」


 フランソワさんも立ち上がって頭を下げました。


「わたくしの分まで、ありがとうございます」


「毎年、お二人の日でございますから」


 料理長さんはそう言って、少しだけ誇らしそうに厨房へ戻っていきました。


 お菓子を食べたあと。


 わたしは、ふと思い出しました。


「フランソワさん」


「はい」


「最近、歌ってないね」


 フランソワさんは、すぐに何のことか分かったようでした。


「プライマリー君の歌でございますか」


「うん」


 タドポール君が教えてくれた歌です。


 昔、タドポール君が飛ぶとき、うれしそうに歌っていました。


 わたしが覚えて。


 フランソワさんも覚えて。


 ずいぶん前には、クリスマスの夜にも歌いました。


 最近は飛行機も増えました。


 ミツバチちゃん。


 コウノトリちゃん。


 チェブラーシカちゃん。


 もっと大きな飛行場までできました。


 そのぶん、いちばん最初のころに歌っていた歌は、しばらく歌っていませんでした。


「久しぶりですので、途中で間違えるかもしれません」


「わたしも」


「お嬢様が先に間違えましたら、合わせます」


「それだと2人とも間違えるよ」


「では、分かった方が戻しましょう」


「うん」


 2人で歌い始めました。


 最初のところは、ちゃんと覚えていました。


 途中で一度だけ、わたしとフランソワさんが違うところへ行きそうになりました。


 顔を見合わせます。


 どちらからともなく、少し笑いました。


 それから、また同じところへ戻りました。


 お父様とお母様は、もう何度か聞いています。


 執事さんも知っています。


 オイゲンさんとハンナさんは、2人で歌うのを聞くのは初めてでした。


 歌い終わると、ハンナさんが拍手しました。


「明るい歌なのですね」


「タドポール君が教えてくれたんだよ」


「飛行機が、歌を教えたのか」


 オイゲンさんが聞きました。


「うん。あの子、飛んでるときに歌うから」


 オイゲンさんは少し考えてから笑いました。


「ドロテーヤ嬢のところでは、飛行機に乗る前に知らなければならないことが、まだいくつもありそうだ」


「歌は試験に出ないよ」


「それなら安心した」


                *


 そのあとでした。


 オイゲンさんが、ハンナさんの方を一度見てから、お父様へ向き直りました。


「今日は皆さんが揃っていますので、一つお話ししておきたいことがあります」


 オイゲンさんは、ゆっくり話し始めました。


「ハンナさんには、こちらへ来たころから何度も手伝っていただきました。今までは、必要な日ごとにフランソワさんから連絡していただいていました」


 フランソワさんがうなずきました。


「はい。ハンナさんの都合を聞いて、来ていただいておりました」


 オイゲンさんが続けます。


「私の仕事も増えましたし、外へ出ることも多くなりました。このまま毎回お願いするより、正式に私が雇った方がよいと考えました。ハンナさんとも相談してあります」


 お父様が、ハンナさんに聞きました。


「ハンナさんも、それでよいのかな」


 ハンナさんが答えました。


「はい。私も、その方が仕事をしやすいと思っております」


 そこで、オイゲンさんがはっきり言いました。


「給金は、私の収入から支払います。領地から出していただくつもりはありません」


 お父様はうなずきました。


「それならよいと思うよ。ハンナさんも納得しているのなら、私から反対する理由はない。必要な書類だけ、執事に手伝ってもらうといい」


「ありがとうございます」


 オイゲンさんが答えました。


 執事さんも、すぐに話を引き取りました。


「では、雇用の記録と給金の受領書はこちらで用意いたします」


「お願いします」


 オイゲンさんが答えました。


 わたしは、そこでやっと何が変わるのか分かりました。


「じゃあ、今度からハンナさんを呼ぶとき、フランソワさんを通さなくていいの?」


 フランソワさんが笑いました。


「はい。そういうことになります、お嬢様」


 ハンナさんも笑いました。


「今度からは、オイゲン様のお仕事の予定を先に聞いておけますので、わたしも動きやすくなります」


 オイゲンさんが言いました。


「ちょうど明日も、お父上から頼まれて、ハイデルベルクの様子を見に行く予定です。ハンナさんにも一緒に来てもらうことにしました」


 お父様が、みんなにも分かるように説明しました。


「帝国がなくなったあと、ハイデルベルクの町や役所がどう動いているのかを見てもらいたいんだ。治安だけではなく、人や物の動きも知りたい。書類だけでは分からないことが多いからね」


 ハンナさんが答えました。


「では、必要なものは今夜のうちに用意しておきます」


 フランソワさんが言いました。


「これからは、毎回わたくしがハンナさんの予定を聞かなくてもよくなりますね」


 オイゲンさんは少し笑いました。


「今まで手間をかけました」


「いえ。ハンナさんは友人ですから。ただ、予定を合わせるのは少し大変でした」


「これからは私が直接相談します」


「その方がよろしいと思います」


 それだけのお話です。


 でも、オイゲンさんがエルレンフェルトへ来たころは、一人で暮らすために何をどこへ頼めばいいのかも分かりませんでした。


 ハンナさんも、必要なときだけ来る人でした。


 それが明日からは、正式なお仕事になります。


 明日は2人でハイデルベルクへ行きます。


 わたしとフランソワさんは、同じ日に1つずつ歳を取りました。


 神様から大きなぬいぐるみをもらいました。


 ハンナさんからは、小さな飛行機をもらいました。


 料理長さんの料理を食べました。


 久しぶりに、タドポール君に教わった歌を2人で歌いました。


 そして、食事が終わるころには。


 今年から増えた2人の暮らしも、少しだけ次の形へ進んでいました。



                           (つづく)



====================

第70章の小さな説明

====================


【どろちゃんとフランソワさんの誕生日】

 どろちゃんとフランソワさんは、どちらも12月1日生まれです。フランソワさんはどろちゃんより3歳年上で、この章ではどろちゃん17歳、フランソワさん20歳です。物語開始時の15歳と18歳から2年が経っています。


【神様からの誕生日プレゼント】

 フランソワさんには、飛行機ではない方のチェブラーシカの実物大ぬいぐるみが届きました。チェブラーシカ自体が小さいため、実物大でも抱えられる大きさです。

 どろちゃんには、6発エンジン・双尾翼のAn-225を大幅に縮小してデフォルメした、長さ約1mのぬいぐるみが届いています。本物のAn-225は全長約84m、翼幅88m以上なので、1mのぬいぐるみでも非常に大きく縮小されています。


【An-225ムリヤと夢ちゃん】

 An-225 Мрія(ムリヤ)は、6発エンジンと双尾翼を持つ大型輸送機です。「Мрія(ムリヤ)」は「夢」という意味です。

 前世のどろちゃんは、小さなAn-225のぬいぐるみを鞄につけ、日本語で「夢ちゃん」と呼んでいました。An-22の事故に遭った日にも、そのぬいぐるみは鞄についていました。

 今回、神様から届いた約1mのぬいぐるみは、その夢ちゃんが大きくなって戻ってきたようなものです。今の名前は「ムリヤちゃん」です。


【ハンナさんの手作りぬいぐるみ】

 ハンナさんは以前登場した布屋で材料を買い、フランソワさんにはコウノトリちゃん、どろちゃんにはミツバチちゃんのぬいぐるみを作りました。

 フランソワさんは仕事でコウノトリちゃんを使うことが多いため、その機体が贈り物に選ばれています。コウノトリちゃんは細い機体や脚、翼の形をぬいぐるみにするのが難しく、ミツバチちゃんより苦労して作っています。


【プライマリー君の歌】

 プライマリー君の歌は、タドポール君が飛ぶときに歌っていたものを、どろちゃんが覚えた歌です。物語の初期にはクリスマスの夜にも歌われました。

 今回は、最近しばらく歌っていなかったこの歌を、どろちゃんとフランソワさんの2人で久しぶりに歌っています。歌詞そのものはここでは掲載していません。


【ハンナさんの正式雇用】

 ハンナさんは貴族ではなく、エルレンフェルトの一般の町民です。これまではフランソワさんの友人として、オイゲンさんがこちらの暮らしに慣れるまで、必要な日に臨時で手伝っていました。

 この章からは、すでにエルレンフェルトの正規職員であるオイゲンさんが、自分の収入から給金を払い、ハンナさんを正式に雇用します。エルレンフェルト政府がハンナさんをオイゲンさん付きとして公費で配置するのではなく、オイゲンさん個人との雇用関係です。

 2人の私生活上の関係については、この物語では扱いません。


【翌日のハイデルベルク】

 オイゲンさんは、お父様から頼まれて、翌日にハイデルベルク周辺の状況を確認する予定です。今回からハンナさんが同行します。これまでのように、その都度フランソワさんを通してハンナさんへ依頼する必要はなくなりました。


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