第157章 貴族令嬢は、二つの島へ行きます。 今後の展開を決定する重要な章です。
第157章 貴族令嬢は、二つの島へ行きます
イスタンブールを離れる日は、二月三日と決まりました。
康熙帝、ルイ十四世、サヴォさん、どろちゃんから、アフメト三世へ正式に日程を伝えます。康熙帝は二月四日に北京へ戻る予定です。
日付が決まると、宮廷の事務官たちの仕事は一気に増えました。清国とオスマン帝国の国際連合加盟、イスタンブールからウィーンへ向かう鉄道、国境を越えるときの扱い、鉄道建設の実務者、ガラタに置く鉄道Office、Σαμοθράκη(サモトラケ)島とΛέσβος(レスボス)島の調査、発掘された建築遺構や固定された建築部材の扱い、エルレンフェルトへ送る常駐代表と全権委任状まで、今回決まったことはかなりの量になります。
皇帝や国王やどろちゃんが話し合って決めた内容を、事務官たちは正式文書へ直していきます。
「二月三日まで、でございますか」
紙の束を抱えた人が、もう一度確認しました。
「はい。康熙帝陛下は、四日には北京へ戻られます」
この時代の宮廷では、原案を書いて上役が確認し、修正箇所を直してから清書します。必要な部数を人の手で筆写し、数字、人名、地名、署名欄を照合してから印章を押し、渡す相手ごとに文書を分けます。正式文書なので、一文字や一数字の間違いでも書き直しになることがあります。
この世界では共通言語を使えるため、国ごとに一から翻訳する負担はかなり減っています。それでも、紙へ人の手で書き写す作業には相応の時間がかかります。
宮廷の机には、昨日より明らかに紙が増えていました。
「事務官さん、大変だね」
「お嬢様がお決めになったことも、かなりございます」
「そうだね」
どろちゃんは紙の山を見ました。帰国までにはまだ数日あります。その間に、自分の目で確かめておきたい場所が二つありました。
◇ ◇ ◇
アフメト三世には、島嶼部を担当する管理官を一人同行させてもらうよう、先にお願いしてあります。サモトラケ島とレスボス島で、土地の所有者を確認し、売買を成立させ、現地の役人へ必要な指示を出すためです。
零式三座へ乗るのは、どろちゃん、フランソワさん、オスマン帝国の島嶼部管理官の三人です。
どろちゃんは出発前に、燃料の残量、エンジンの状態、舵面の動き、フロート、計器、無線を順に確認しました。そのあとで水面へ目を移し、風向と波の様子、商船や小舟の動きを見ます。イスタンブールの水面では大小の船が絶えず行き来しているため、離水に使う場所と向きを先に決めておきます。
「最初はサモトラケです」
「承知いたしました」
管理官が答えると、フランソワさんも地図を確認しました。
「そのあと、レスボスでございますね」
「うん」
エンジンを始動し、回転が安定したところでゆっくり沖へ出ます。周囲の船の進路を見ながら風へ機首を向け、出力を上げました。零式三座は水面を走り始め、フロートが水を押す感触が速度の上昇とともに軽くなります。どろちゃんが操縦桿を扱うと、機体は水面を離れました。
イスタンブールの屋根と塔と港が、後ろへ流れていきます。
◇ ◇ ◇
マルマラ海からダーダネルス海峡を抜け、その先のエーゲ海へ出ます。
サモトラケ島は、海から山がそのまま立ち上がったように見える島でした。
どろちゃんは島へ近づくと、海岸線と周囲の水面を見ました。風が当たって波の立つ場所と、島陰になって水面の穏やかな場所を見分け、小舟の位置も確認して着水に使う場所を選びます。
「降ります」
高度を落とし、進入方向を合わせて出力を絞ると、水面がゆっくり近づいてきます。フロートが海へ触れ、水しぶきが左右へ広がりました。速度を落とした零式三座は、そのままゆっくり岸へ寄っていきます。
◇ ◇ ◇
どろちゃんが見たいのは、古代の神殿と神域が残っている一帯です。
後の時代に作られる調査図では、サモトラケのニケに関係する場所として九番を振られるあたりがあります。今回は、その九番付近を中心に丁寧に探します。
調査で重点的に見る場所と、買い取る土地の範囲は分けて考えます。
管理官が周囲を見回して確認しました。
「このあたり全部でしょうか」
「はい。神殿と神域の区域は全部お願いします」
「九番の周囲だけでしょうか」
「神域になっているところを全部です」
どろちゃんは足元の石を見ました。
「大きな像だけ見つけても、小さな破片がなくなったら元へ戻せません。誰かが拾って動かしたら、どこにあったのかも分からなくなります」
大きな石なら、後からでも見つかる可能性があります。小さな破片は、壁材や道の石として使われたり、畑の端へ寄せられたり、家へ持ち帰られたりします。後になって像の一部だと分かっても、出土位置が失われれば、遺跡の中で何と一緒にあったのかまで追えなくなります。
今のサモトラケ島で暮らす人々の信仰はイスラム教が中心です。古代ギリシャの女神像や、その細かな破片は、現在の宗教上の聖物とは別の古い石として扱われます。後の時代なら重要な文化財となる石も、1709年の島では石材として動かされる可能性があります。
「所有者を確認して、神域の土地を全部買い取ってください」
「分かりました」
「買い取りが終わった区域は、許可した研究者だけが入れるようにしてください」
「承知いたしました」
アフメト三世の許可を受け、帝国側の島嶼部管理官が同行しているので、土地の所有者と境界を確認し、売買の書類を作り、現地の役人へ知らせるところまで行政上の手続きを進められます。買い取り後の立入制限も、現地の行政と結び付けて実施します。
どろちゃんが取得する範囲には、神殿や神域そのものに加えて、土の中に残る建築、地上へ出ている石、台座、壊れた像、小さな破片、まだ何に使われていたのか分からない石まで含まれます。それらが同じ場所に残っているうちに、神域全体を一つの遺跡として守るためです。
◇ ◇ ◇
調査は、フランソワ温泉から学者を派遣して続けます。
学者たちは島にある既存の宿泊施設を使い、食事も日用品の購入も島の中で行います。現地へ頼める運搬や雑用があれば、島の人へ仕事を頼みます。
「長くいる人たちだから、島でお金を使ってもらった方がいいよね」
「はい。その方が、宿の方にも商人の方にも仕事がございます」
神域には許可を受けた研究者が調査のときに入り、生活の場は既存の集落側に置きます。これからサモトラケには、フランソワ温泉から派遣された学者が継続して滞在することになります。
◇ ◇ ◇
サモトラケには、文化財保護とは別に、海からの襲撃を抑える条件も整います。
VOGが設立される以前に、オランダ、イギリス、フランス、イタリアの四か国は、神様との間で、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約を成立させています。四か国が神様との間で成立させた、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約によって、四か国の政府が認めた私掠船も、相手の船を拿捕して財産を奪う運航を続けられなくなりました。
四か国からの警告を知ったうえで、船を使って沿岸の村や島へ入り、略奪、拿捕、誘拐など、四か国が神様との間で成立させた、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約で禁止された海賊行為を行えば、政府の船、領主や有力者の船、私兵を乗せた船、私掠船、普通の海賊船のどれであっても、四か国が神様との間で成立させた、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約の対象になります。
対象になる海賊行為には、海上で別の船を襲う行為だけでなく、船で島へ来て浜へ着け、武装した人間が上陸し、そのまま村まで進んで襲う一連の行為も含まれます。
さらに、四か国が神様との間で成立させた、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約では、オランダ、イギリス、フランス、イタリアの四か国の国民そのものが保護対象に含まれています。被害を受ける船、村、島に四か国の国民が一人でも滞在していれば、その人を含む場所への襲撃になります。
サモトラケには、フランソワ温泉から派遣される学者のうち、四か国側の国民が継続して滞在します。神域全体の買い取りと立入制限は文化財を守るための仕組みで、四か国が神様との間で成立させた、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約による保護は、海からの襲撃を抑えるための別の仕組みです。
◇ ◇ ◇
サモトラケで必要な確認を終えると、三人は再び零式三座へ乗り、南東のレスボス島へ向かいます。
どろちゃんは風と波、周囲の船を確認してから出力を上げました。フロートが水面を走り、速度が十分に上がったところで機体が海を離れます。
帆船なら風向と海況を見ながら進む距離も、零式三座なら空から短時間で越えられます。やがてレスボス島が見えてきました。
向かうのはΕρεσός(エレソス)です。
サッフォーと結び付けられてきた土地です。
レスボス島の中心都市ミティリニは大きな城塞を備え、小規模な海賊集団にとって襲撃しにくい都市です。西部や北部の海岸では、守りの弱い集落が海賊被害を受け、海辺から内陸へ生活の中心を移す例がありました。エレソスでも生活の中心は内陸側へ移り、海岸側には人の少ない土地が広く残っています。
◇ ◇ ◇
どろちゃんはエレソスで、二人で泊まれる程度の小さな家を探しました。用途は、どろちゃんとフランソワさんが遊びに来て泊まるための、ごく小さな別荘です。ガラタの商館や鉄道Officeとは役割を分けます。
「これくらいがいいね」
どろちゃんが一軒の家を見ました。
「ガラタのお屋敷と比べますと、本当に小さいお家でございますね」
「こっちは仕事しない家だから」
「それは大事でございますね」
フランソワさんが少し笑いました。
家の売買では、どろちゃんはVOGの大幹部職員として手続きを進めます。所有者と話して値段を決め、書面を整えて代金を払います。
こうして小さな家は、どろちゃんの別荘になりました。用途は、どろちゃんとフランソワさんが遊びに来て泊まることに限ります。
◇ ◇ ◇
エレソスでは、もう一つ前もって準備していたことがあります。
集落の住民一人をVOG職員として雇い入れます。本人には仕事内容と条件を説明してあり、本人も雇用を希望しています。
この人については、どろちゃんがイスタンブールへ来る前からアフメト三世とルイ十四世へお願いしてありました。本人が希望することを前提に、オスマン帝国側では現在の臣民身分から移ることを認め、フランス側ではルイ十四世がフランス臣民として受け入れます。今の言い方なら、本人の同意を確認したうえで国籍をフランスへ移す処理です。
「本当にいいですか」
どろちゃんは本人へ、もう一度確認しました。
本人の意思を確認したあと、同行している島嶼部管理官もオスマン帝国側の手続きを確認します。アフメト三世とルイ十四世には前もって話が通っているので、現地で本人の同意を確かめたうえで処理を進められます。
この国籍変更と、VOGへの雇用は役割が違います。
VOGが設立される以前に、オランダ、イギリス、フランス、イタリアの四か国は、神様との間で、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約を成立させています。VOGは、その後に貿易と海外事業のために作られた四か国共同の会社です。四か国が神様との間で成立させた、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約の当事者は、オランダ、イギリス、フランス、イタリアの四か国と神様です。保護対象を決める基準は、オランダ、イギリス、フランス、イタリアの四か国の国民であることです。
四か国が神様との間で成立させた、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約で重要なのは、オランダ、イギリス、フランス、イタリアの四か国の国民が被害対象に含まれていることです。
そのため、エレソスで雇う一人については、VOG職員という肩書よりも、本人の同意と両国君主の了解のもとでフランス臣民になることが海からの襲撃を抑える仕組みにつながります。その人がエレソスに住み続ければ、村には四か国の国民が継続して居住することになります。
◇ ◇ ◇
四か国が神様との間で成立させた、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約は、これまで四か国が出してきた警告によって海賊側にも広く知られています。それでもエレソスでは、村の入口、主要な道、公共の建物など、外から来た人の目に入りやすい場所へ警告看板を立てます。
看板には、海から船を使って侵入し、略奪、拿捕、誘拐などの海賊行為を行わないこと、この村には四か国の国民にあたるフランス臣民が居住していること、四か国からすでに警告が出されていることを書きます。
政府の命令を受けた船、領主や有力者の私兵を乗せた船、私掠船、普通の海賊船のどれであっても、警告を知ったうえで海から襲えば、四か国が神様との間で成立させた、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約の対象になります。船で浜へ着き、武装した人間だけが上陸して村まで歩いた場合も、船から始まった一連の襲撃として扱われます。
サモトラケにはフランソワ温泉から派遣された四か国側の学者が継続して滞在し、エレソスにはフランス臣民となった住民が暮らします。これで二つの島には、それぞれ四か国の国民が継続している状態ができます。
◇ ◇ ◇
どろちゃんは、エレソスの海岸側にあるΣκάλα Ερεσού(スカラ・エレソス)も見ました。
内陸へ生活の中心が移ったため、海辺の人口は薄く、広い土地がまとまったまま残っています。
「ここも買います」
管理官は少し驚いた様子で、海岸を見回しました。
「この海岸も、でございますか」
「はい。今のうちに買っておきたいです」
海岸の広い範囲について所有者を確認し、順に買い取ります。どろちゃんが考えているのは、将来、海岸が細かく売られ、建物が並び、護岸や埋め立てが繰り返されて自然の海岸線が失われることを防ぐ仕組みです。
サモトラケの神域では遺跡を守るために人の立ち入りを制限しました。スカラ・エレソスでは、地域の人が今まで使ってきた海岸利用をそのまま残します。
「いわゆる入会権を認めます」
どろちゃんが管理官へ説明しました。
「ここを使っている人は、これからも使ってください。海へ出てもいいし、浜を歩いてもいいです」
土地の所有権を取得しても、地域の人の共同利用は続きます。その代わり、入会権を使う人には海岸の清掃を義務としてお願いすることにします。
「ごみを残さないで、流れ着いたものも、できる範囲で片付けてもらいます。みんなで使う海岸なら、みんなできれいにしておきたいです」
さらに、大きな建物を建てる、海岸を埋める、護岸を造る、海岸線の形を変える、広い土地をまとめて開発するといった恒久的な改変には、土地所有者であるどろちゃんの了解を必要とします。
地域の日常的な利用と入会権を残しながら、海岸そのものを大きく変える開発には所有権で歯止めを掛けます。
「一人でナショナル・トラストだね」
その言葉の意味が分かるフランソワさんが、海岸を見渡しました。
「一人でございますが、かなり広い土地になりそうでございますね」
「人は一人だけど、土地は広いね」
二人はしばらく海を見ていました。
◇ ◇ ◇
ガラタの家では、これから鉄道Officeへ実務者が入り、商館や店にも人が出入りします。港には船が着き、零式三座を入れる船倉庫も使うことになります。仕事には便利ですが、イスタンブールは人と建物が密集し、いつも何かが動いている都市です。
どろちゃんがガラタの仕事から少し離れたくなったときには、零式三座でサモトラケへ飛び、フランソワ温泉から派遣された学者たちに発掘の進み具合を聞けます。九番付近を中心にした調査の状況と神域の保存状態を見たあと、南東へ飛べばエレソスです。
そこで小さな別荘へ入り、フランソワさんと一晩泊まります。
船で行けば、出港時刻、風、海況まで含めて予定を立てる旅になります。零式三座を使えば、イスタンブール、サモトラケ、レスボスの三か所はずっと身近になります。
「ここ、また来ようね」
「はい。お嬢様」
「サモトラケを見て、それからこっちへ来る」
「よろしいと思います」
「今度は仕事を増やさない日に」
フランソワさんが少し笑いました。
「それがいちばん難しそうでございますね」
「そうかな」
「かなり」
目の前には海と低い海岸が広がっています。ガラタへ戻れば、また人と船と仕事の中です。エレソスの小さな家は、二人で遊びに来るための別荘として、そのまま残ることになりました。
◇ ◇ ◇
【小さな説明】
【地名のギリシャ語表記について】
本作世界では、この地域もナーロッパ圏に含まれ、地名はナーロッパ共通文字で記されます。本文では、現在の地名との対応を読者に分かりやすく示すため、各地名の初出時だけ現代ギリシャ語の綴りを併記しています。作中人物はギリシャ文字を使わず、実際にはナーロッパ共通文字で同じ地名を扱っています。
1709年のサモトラケ島とレスボス島はオスマン帝国領です。現在のギリシャ語表記を添えることと、作中時点の領有関係は別に扱っています。
【サモトラケ島とレスボス島】
サモトラケ島とレスボス島は、現在はいずれもギリシャ領です。
本章の舞台である1709年には、どちらもオスマン帝国領です。どろちゃんはアフメト三世の許可を受け、オスマン帝国の島嶼部管理官と一緒に現地へ入り、土地の売買や立入制限も帝国側の行政手続きと結び付けて進めています。
【サモトラケの神域】
後の時代に「サモトラケのニケ」と呼ばれる像が発見される場所は、古代の神域の中にあります。
本章では、後世の調査図で九番を振られるあたりを重点的に探しますが、土地は九番付近だけに限らず、神殿・神域の区域全体を買い取ります。大きな像に加えて、小さな破片、建築部材、台座、出土位置、周囲の遺構まで散逸前に守るためです。
買い取り後は、文化財を保護する考え方と研究体制が十分に育つまで原則として立ち入りを制限し、許可された研究者が調査します。フランソワ温泉から派遣される学者は島の既存宿泊施設を使い、宿泊、食事、日用品、現地で頼める運搬などへ費用を使いながら長期調査を行います。
【四か国と、私掠船の運航停止・海賊行為禁止】
VOGが設立される以前に、オランダ、イギリス、フランス、イタリアの四か国は、神様との間で、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約を成立させています。
四か国が神様との間で成立させた、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約が成立したあと、別の目的から四か国共同の会社としてVOGが作られました。VOGの設立は、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約の成立とは別の出来事です。
四か国が神様との間で成立させた、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約では、オランダ、イギリス、フランス、イタリアの四か国の国民そのものが保護対象に含まれています。
四か国からの警告を知ったうえで、船を使って沿岸の村や島へ入り、略奪、拿捕、誘拐などの海賊行為を行えば、政府の船、領主や有力者の船、私掠船、普通の海賊船といった立場にかかわらず、四か国が神様との間で成立させた、私掠船の運航停止と海賊行為の禁止に関する契約の対象になります。船で浜へ着き、武装した人間が上陸して村を襲う場合も、海から始まった一連の海賊行為として扱われます。
本章のサモトラケでは、フランソワ温泉から派遣される四か国側の研究者が継続して滞在します。エレソスでは、本人の同意、アフメト三世の了解、ルイ十四世の了解のもとで現地住民一人がフランス臣民となり、そのまま居住します。これによって、それぞれの島に四か国の国民が継続している状態を作っています。
【エレソスと小さな別荘】
エレソス(エレソス)はレスボス島西部の集落で、古代の詩人サッフォーと結び付けられてきた土地です。
本章では、どろちゃんがVOGの大幹部職員として普通の売買を行い、ごく小さな家を一軒購入します。この家は、どろちゃんとフランソワさんがイスタンブールの仕事から離れて遊びに来るための小さな別荘として使います。
【スカラ・エレソスの海岸】
スカラ・エレソス(スカラ・エレソス)は、エレソスの海岸側にある地域です。
後の時代には海岸開発をめぐる問題が起こり、「Πρωτοβουλία για την υπεράσπιση της παραλίας Σκάλας Ερεσού」のように、海岸を守ろうとする活動も生まれます。
本章では、海辺の住民がほとんどいない1709年のうちに、どろちゃんが海岸の土地を広く買い、将来の乱開発を所有権で止められるようにします。
地域住民には、いわゆる入会権を認めます。従来の共同利用を続けられる代わりに、利用者には海岸清掃を義務づけます。日常的な共同利用は残し、恒久的な建築、護岸、埋め立て、大規模な土地改変などについて、所有者であるどろちゃんの了解を必要とします。
ナショナル・トラストのような土地保全を、一人の所有者が先回りして始めた形です。




