表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
118/122

112貴族令嬢は、ロンドンで侯爵のお祝いをしてもらいます。  本領地のある侯爵になりました。

第112章 貴族令嬢は、ロンドンで侯爵のお祝いをしてもらいます



 1705年になりました。


 エルレンフェルトの新年の集まりが終わると、どろちゃんにはロンドンへ行く予定が待っていました。


 英国伯爵位だけだったころ、新年の宮廷出席はかなり自由でした。今はアン女王からウェストミンスター侯爵位を授けられ、その名のもとになった土地もロンドンにあります。


 今年は、きちんと新年の挨拶をします。


 その数日後には、延期されていた昇爵の祝賀会もあります。


 礼装のほかにも、いくつか荷物があります。


 ローランドの電子ピアノ。


 YAMAHA YEV105PROの5弦エレクトリックヴァイオリン。


 電源装置と練習用のヘッドホン。


 祝賀会で演奏を頼まれているので、必要な荷物です。


 さらに、もっと大きいものがあります。


 エルレンフェルト駅から滑走路まで延ばした仮設線を、1両の低床電車がゆっくり走ってきました。


 フランスの鉄道車両工場で完成したあと、機関車に牽かれてストラスブール、ケールを経由し、エルレンフェルト駅まで運ばれてきた最初の1両です。駅から先だけは600Vの架線があるので、自分のモーターでここまで来ました。


 その向こうには、木箱に収めた5台のトーンホイール式オルガンがあります。


「電車とオルガンを同じ飛行機に積む日が来るとは思わなかったね。ムリヤちゃんだからできるけれど、普通の輸送機で真似したくはないな」


 どろちゃんが巨大な機体を見上げると、胸の奥へ楽しそうな気配が返ってきました。


『まだ入るよ。でも重さと場所はちゃんと見てね』


「見てるよ。今日は満載にしないから大丈夫」


 フランソワさんには、ムリヤちゃんの声は聞こえません。


 どろちゃんは積付表を見直してから、フランソワさんへ説明しました。


「ムリヤちゃん自身も重量と重心を見ています。こちらの計算とも合っていますから、この配置で積みましょう。オルガンはあとで先に降ろせる位置へ置きます」


「承知いたしました。ロンドン側へも、電車を先に降ろして、そのあとオルガンを貨物車へ移す順番で伝えてございます」


 ムリヤちゃんの巨大な機首が開きました。


 前脚側を低くして、貨物床と地面の高さをできるだけ近づけます。


 機内へ敷いたレールと仮設の斜路をつなぐと、低床電車は自分では走らず、慎重に引かれて機内へ入りました。車輪は最初から最後までレールの上です。決めた位置まで入ると、そのまま動かないよう固定します。


 5台のオルガンも続きました。


 どろちゃんとフランソワさんの荷物は最後です。


 機首が閉じると、外から見ればいつもの巨大なムリヤちゃんへ戻りました。



          *



 今回のロンドン便で、操縦席にいる人間は2人だけです。


 左席にどろちゃん。


 右席にフランソワさん。


 2人の後ろには、大きな水色の航空機関士用パネルがあります。


 長距離運航では、オイゲンさんの部下から養成している航空機関士2人にも乗ってもらう予定です。今日は近いロンドンまでの慣熟を兼ねて、2人で飛びます。


 ムリヤちゃん自身が、6発のエンジン、燃料、油圧、電気などの系統を監視しています。


 どろちゃんはパネルを見てから、フランソワさんへ声をかけました。


「始動前の確認はここまで大丈夫です。右側の計器も、いつもの順番で見てください。ムリヤちゃん側の監視とも一致しています」


「燃料、油圧、電源系統、確認いたしました。右側3発も始動準備に問題ございません」


 1発ずつエンジンが回り始めます。


 6発そろうと、さすがに音が違いました。


 どろちゃんは滑走路へ入り、ゆっくり機首を合わせました。


 今日の積荷なら、ムリヤちゃんには十分な余裕があります。


 加速して、離陸します。


 巨大な機体が地面から離れると、3800mまで延びたエルレンフェルトの滑走路がゆっくり後ろへ流れていきました。


 フランソワさんは操縦そのものだけでなく、速度、高度、エンジン、航法を順に見ています。


「ロンドンまでの間に、巡航へ入ってから一度、私が姿勢を持ちます。今日は機体の動きに慣れる方を優先しますので、細かな操作は少なくしましょう」


「お願いします。大きさに慣れないまま操作を増やすより、その方がよいと思います」


 どろちゃんは右席へ操縦を渡しました。


 ムリヤちゃんからは、少し嬉しそうな感じが返ってきます。


『フランソワ、上手だね』


 どろちゃんはそのまま伝えませんでした。


 代わりに計器を確認し、右席を見ました。


「姿勢も速度も安定しています。そのままで大丈夫です」


 フランソワさんは小さくうなずき、巨大な主翼を無理に動かそうとせず、必要な量だけ操舵しました。


 海峡を越えます。


 やがてロンドン近郊の3400m滑走路が見えてきました。


 フック男爵の研究施設と村。


 そこまで来ているトラムの線路。


 その先へ延びた滑走路側の線路。


 上から見れば位置関係がよく分かります。


 どろちゃんは着陸を担当しました。


 軽いムリヤちゃんは、長い滑走路の途中で十分に速度を落としました。


 誘導に従って、荷下ろし位置までゆっくり進みます。



          *



 機首が開きました。


 ロンドン側では、既存のトラム軌道まで仮設レールがつながっています。


 ムリヤちゃんが前を低くし、機内レールと斜路の高さを合わせました。


 低床電車が、ゆっくり外へ出ていきます。


 車輪が英国側の軌道へ載ったところで、どろちゃんの仕事は終わりました。


「このあとはお願いします。試運転や営業前の確認は、こちらの係の方々で進めてください。何か機体側の設備が必要になったときだけ呼んでいただければ大丈夫です」


 鉄道側の責任者が礼をして、電車と一緒に離れていきました。


 電車は係の人たちに任せ、次はオルガンです。


 滑走路側まで来ていた通常型トラムの後ろには、窓を塞いで屋根と扉を整えた貨物用の付随車がつながっています。


 5台の木箱をそこへ積みました。


 行き先は全部、宮殿です。


「お屋敷へ1台お運びしなくてよろしいのでございますか」


 現地の係が念のため確認しました。


「全部、宮殿へお願いします。うちに置いたら部屋を1つ占領してしまいますし、今回はこちらで使うために持ってきました」


 木箱を載せた貨物車は、通常の電動車に牽かれてロンドンの方向へ走っていきました。


 ローランドとYAMAHAは、どろちゃんたちと一緒です。



          *



 ロンドンの家へ入ると、以前この屋敷で働いていた人たちが戻っていました。


 戻ってきた人たちは、この家の台所も暖炉も寝室もよく知っています。湯を運ぶ場所も、食事や着替えを用意する時間も以前のままです。


「お帰りなさいませ、侯爵閣下。お部屋は以前お使いになったときと同じように整えてございます」


「ありがとうございます。数日おりますので、あまり特別なことはしないでください。いつものこの家のやり方でお願いします」


 昼を過ぎていました。


 少し休み、服を替えます。


 それから、どろちゃんとフランソワさんはトラムへ乗りました。


 向かうのはウェストミンスターです。


 駅構内に残した小さな自分の土地。


 侯爵位の名前の元になった、本領です。


 面積は約100m²です。


 その中に、ピロシキとジャム入りミルクティーの店と、エルレンフェルトの宝飾品を扱う店があります。


 ピロシキ屋さんには、10人ほど座れる小さなイートインスペースがありました。


 どろちゃんとフランソワさんは奥の席へ座ります。


「飛行場で立ったまま食べるより、今日はここで食べたかったんです。ロンドンへ来たのに、自分の領地で何も食べずに帰るのも変でしょう」


「侯爵領で最初になさることがピロシキでよろしいのでしょうか、と以前なら申し上げたかもしれません。今は、この場所らしいと思います」


 揚げたてのピロシキと、ジャム入りミルクティーが来ました。


 食べ終わると、隣の宝飾店へ入ります。


 明日、アン女王へ渡すものと同じ系統の、新しい色変わりコランダムが届いていました。


 昼の光では青緑寄りに見えます。


 暖かいランプの光へ移すと、紫赤の方が強く出ます。


 店員さんが展示台を準備していました。


「今日は並べるだけにしてください。販売は明日の宮殿で女王陛下へお渡ししたあとです。それより前に売るのはなしです」


「承知しております。明日の午後から販売できるよう、品書きと箱まで準備しておきます」


 価格は、かなり高く設定してあります。


 宝石として色、大きさ、透明度を選別し、専門の宝飾職人が仕立てた高級品です。


 どろちゃんは展示を一通り確認すると、フランソワさんと家へ戻りました。


 夕食は、この家の料理人が作る英国の料理です。


 食後には湯の支度もできていました。


 エルレンフェルトから大きな飛行機で電車を運んできた日ですが、夜は普通にロンドンの家で眠りました。



          *



 翌朝は正装をして、家の前に用意された馬車で宮殿へ向かいました。


 フランソワさんも礼装です。


 どろちゃんの手元には、小さな宝石箱がありました。


 この日は新年の正式な挨拶です。昇爵の祝賀会は数日後なので、宮殿には新年の礼を述べる人たちが次々に案内されています。


 どろちゃんの番にも、決められた時間があります。


 順番が来ました。


 どろちゃんは前へ出て、正式に礼をしました。


「女王陛下。新年のお慶びを申し上げます。本年も陛下と英国の皆様にとって、穏やかな年となりますようお祈り申し上げます」


「ありがとう、ウェストミンスター侯爵。あなたも、今年は少し落ち着いて過ごせるとよいのですが」


 アン女王の言葉には、少しだけ笑いが混じっていました。


 どろちゃんは、そこは約束できないと思いましたが、口には出しません。


「陛下へ、新年の贈り物をお持ちいたしました。新しく育てられるようになったコランダムで、光によって見える色が変わります」


 箱を開きました。


 宝石職人が仕立てた装飾品です。


 石を支えている金属部分には、色を付けたアルミニウムも使われています。


 アン女王はまず窓からの光で見て、それから近くの灯りへ少し向きを変えました。


「本当に違って見えますね。石そのものを取り替えたようではないのに、色の印象が変わります」


「はい。光の種類によって吸収されるところが違うためです。陛下へお渡しするものを最初の1つにいたしました。同じ種類の石は、明日からウェストミンスターの店でも扱います」


「では、私が先なのですね」


「はい、陛下。それだけは先にいたしました」


 アン女王はもう一度石を見てから、係へ預けました。


「大切に使わせていただきます。祝賀会の方も楽しみにしています。演奏もお願いしていましたね」


「承っております。楽器もすでにロンドンへ運んでおりますので、当日は演奏いたします」


 挨拶はそこで終わりました。


 次の人が待っています。


 どろちゃんとフランソワさんは場所を移し、宮廷側が用意した軽食をいただきました。


 温かい料理を少量ずつ取れる卓もあり、菓子と紅茶もあります。


 挨拶を終えた人たちは軽食の部屋へ移り、知り合いと話しながら次の予定を待ちます。


 窓の向こうでは、王室の係が大きな帳簿を運んでいました。


 カリブ海と地中海方面から、また船が送られてきたそうです。


 私掠停止と商船襲撃禁止の命令は広がっていますが、遠い海では今も伝達に時間がかかります。処罰の基準になるのは、命令が届いた時点からです。


 英国側へ送られてくるのは、命令を受け取ったあとも襲撃を命じた者がいた船や、命令の伝達を故意に遅らせたり止めたりした者が見つかった場合です。


 積荷は確認され、元の持ち主が分かるものは返されます。残った船や没収対象の財産は、記録を残して処理されます。


「今回は、養老刑務所へ行く方がいるのですか」


 どろちゃんが担当者へ尋ねると、相手は帳簿を確かめました。


「襲撃継続を命じた者が1名、伝達を故意に止めた担当者が1名おります。どちらも急に高齢となりましたので、そちらへ移します」


 処罰は責任のある者ごとに分け、命令を知らなかった船員や、届いた命令に従った人は通常の確認を受けて扱われます。


 どろちゃんは処理が区別されていることを確認して、軽食の卓へ戻りました。


 軽食と歓談を終えると、アン女王へ改めて退席の礼をして、フランソワさんと家へ帰りました。



          *



 帰りの馬車で、どろちゃんは御者席の向こうに続く道を見ていました。


 ロンドンでは、家と宮殿、駅、ウェストミンスターのあいだを馬車で何度も往復します。長距離は鉄道で移動できるようになりましたが、町の中では発進と停止が多く、坂やぬかるみもあります。


「この馬車、発進と坂だけ電動機で少し助けたら、馬も御者さんも楽になりそうだね」


 向かい側のフランソワさんが、少し考えました。


「お嬢様が改造とおっしゃると、どこまで変わるのか先に伺いたくなります」


「後輪を少し助けるくらい。毎日使う御者さんにも聞いてから決めるよ」


 家へ戻ると、どろちゃんは御者さんに坂道や雨の日の具合を聞き、いつも馬車の修理や装飾を頼んでいる職人さんにも来てもらいました。


 車軸まわりの金具、歯車、軸受、電動機を支える台は、馬車や金物を扱う職人さんが作れます。御者席の幌や内張りを扱う人には、透明な軟質PVCシートの縁を仕立ててもらいます。


 PVCは機械や電気製品の包装に使われていたものを洗って再利用しました。普段は畳んでおき、雨や厳しい寒さのときだけ御者席の前と横へ広げます。


 電気まわりは、どろちゃんの仕事です。


 電動機の制御回路、蓄電池からの配線、スイッチ、保護回路を組み、職人さんが作った機械部分へ合わせます。エルレンフェルトで使っている部品の寸法も確認して、交換しやすい形にそろえました。


「前照灯は石英ハロゲン灯にしよう。普通の電球より小さくても明るくできるし、夜道では人や馬を早く見つけたいから」


 石英ガラスを作る技術はすでにあります。真空管と電球の工場で身につけた排気、ガス置換、封止の技術も使えます。


 前照灯はモーター用の蓄電池から給電します。


 数日の滞在で職人さんの加工まで全部終えるつもりはなく、まず取付寸法と配線、部品の受け渡し方法を決めました。完成すれば、発進や坂道で馬の負担が軽くなり、夜道は見やすくなり、雨の日の御者席にも透明な覆いを広げられます。


          *



 次の日から、ウェストミンスターの宝飾店で新しい石の販売が始まりました。


 前日にアン女王へ贈られたものと同じ種類の、色変わりコランダムです。


 価格はかなり高価に設定しました。それでも、女王が最初に持った新しい宝石として評判になり、店には実物を見に来る人が増えています。


 販売は店の人に任せ、どろちゃんはロンドン近郊の滑走路へ向かいました。



          *



 3400m滑走路を、端から端まで見ます。


 舗装と排水、路肩、誘導路との接続、トラムの仮設線を外したあとの処理を順に確かめました。ムリヤちゃんを駐機しても、ほかの機体が動ける場所も見ておきます。


 反対側には、さらに400mほど延ばせる土地があります。


 エルレンフェルトの滑走路はすでに3800mまで延長されています。ロンドン側も運用を続けながら少しずつ工事を進め、最終的に3800mまで延ばすことにしました。


「一度に閉めて全部造るより、使いながら少しずつ延ばそう。400m増えるまでの間も、排水と路肩は区切ったところから仕上げていけるから」


 滑走路の係と一緒に歩きながら、どろちゃんは工事を始める側から順に記録しました。


 点検が終わると、今度はムリヤちゃんへ行きます。


 巨大な機首の横を通り、操縦席へ上がりました。


「ロンドン、どう?」


『ここも広いね。エルレンフェルトより船が多いよ』


「空から見たの?」


『見えたよ。川も大きい』


 どろちゃんは少し笑ってから、計器へ目を戻しました。


 その日はフランソワさんの訓練です。


 地上で手順を確認したあと、短い飛行も行います。


 ムリヤちゃん自身が系統を管理してくれますが、人間側も手順と系統を把握しておきます。


 フランソワさんは右席で、始動から滑走、離陸、上昇、旋回、降下まで順に行いました。


 どろちゃんは横で計器を見ます。


『油圧、きれいだよ。右のエンジンも大丈夫』


 フランソワさんには聞こえません。


 どろちゃんはパネルを確認してから伝えました。


「油圧は安定しています。右側3発も問題ありません。次の旋回は、いまの半分くらいの操作量で十分です。機体が大きいので、動き始めてから追い足ししない方がきれいに回れます」


「分かりました。先ほどは、反応を待つ前にもう少し入れてしまいました」


 次の旋回は滑らかになりました。


 着陸はどろちゃんが一度見せ、その次の日にはフランソワさんが進入から接地まで担当しました。


 飛行訓練の合間には、滑走路を見に行き、機体の中で手順だけ確認する日もありました。ロンドンの家で普通に朝食を食べ、トラムでウェストミンスターへ行き、夕方に戻る日もあります。


 数日いると、ロンドンは「飛んで行って用事を済ませる町」ではなくなりました。


 帰る家があります。


 働いている使用人がいます。


 自分の土地があります。


 飛行場へ行けば、ムリヤちゃんがいます。


 そして、宮殿では祝賀会の準備が進んでいました。


 その前日、どろちゃんはアン女王からもう一度宮殿へ呼ばれました。


 今度は新年の挨拶ではなく、小さな部屋で地図を見るためです。アン女王とジョージ王配、英国側の外交を扱う人が数人だけ残り、卓にはロシアから清、中央アジア、チベットまで入った地図が広げられていました。


「先日、東の方をずいぶん気にしていましたね」


 アン女王が言いました。


「はい。清はこれから西へ大きく伸びる可能性があります。人口も多いので、勢力がぶつかってから戦争で止めようとすると大変です」


「英国が戦えば勝てる、と考えていますか」


「武器だけを比べれば、こちらが有利になる時代は来ると思います。でも、勝つまでに大勢の人を星にすることになります。人数が違いすぎますから」


 どろちゃんは地図の清と、その西側を見ました。


「私は、そちらの方が怖いんです。バベルのあとに起きたことや、これまで神様が止めた戦争を考えると、大勢を殺して領土や貿易の利益を取る戦争を始めた国を、神様が見過ごすとは思えません」


 部屋が静かになりました。


「艦隊を失う、という程度ではないと」


「はい。英国という国そのものが罰を受ける可能性まで考えています。陛下ご自身には神様の加護があります。でも、それが英国のすること全部への加護だとは思わない方がいいです」


 アン女王はすぐに返事をせず、以前神様から受け取った自分の薬のことを思い出すように手を組みました。


「私が守られているから、英国も何をしても守られる、と考えてはいけないのですね」


「はい、陛下」


「それでは、あなたは英国に何をしてほしいのですか」


「戦争より前に止めてほしいです。清の周りにいる国や人たちを、先に条約を結べる相手として扱う。国境を決め、互いに承認し、誰かが軍を入れてから地図を塗り直すやり方を難しくしたいです」


 どろちゃんは北東の境へ指を動かしました。


「ロシアは帝政から共和国になっても、ネルチンスク条約を引き継ぎます。政体が変わっても国境の約束を残す。その仕組みをもっと広げたいんです」


「清だけを囲むための同盟ですか」


「清にも入ってもらいます。清だけを敵にすると、結局は大きな戦争になりますから」


 ジュンガル、チベット、カシュガル、ヤルカンド、そのさらに西の国々。地図には、ヨーロッパの宮廷ではまだ一括して遠方として扱われがちな名前が並んでいます。


「小さな国も大きな国も、まず同じ机で話す場所を作ります。侵攻してから交渉するより、侵攻する前に『そこには条約相手がいる』状態にしたいです」


「ずいぶん英国向きの仕事を頼みますね」


 アン女王の口元が少し緩みました。


 商人を先に入り込ませ、条約を何枚も結び、相手同士の利害をほどけにくくする。


 腹黒紳士。


 どろちゃんは、その言葉を口には出しませんでした。


「英国は、そういう交渉が上手ですから」


「褒め言葉として受け取っておきます。それで、その集まりには名前があるのですか」


 どろちゃんは少し考えました。


「国際連盟、でどうでしょう」


「大きな名前ですね」


「最初は小さな会議室でいいと思います」


 アン女王は地図の上へ指を置きました。


「明日の客の中にも、この辺りから来ている人がいます。まず本人たちの話を聞きましょう」


「はい。それが一番大事です」



          *



 祝賀会の日になりました。


 この日は、ウェストミンスター侯爵位の授与を正式に祝うための宴です。


 どろちゃんとフランソワさんは、ロンドンの家で支度を整えてから宮殿へ向かいました。


 会場には英国の貴族に加えて、以前ロンドンで会った南アジアの商人たちも来ています。


 その中に、覚えている顔がありました。


「お久しぶりです。以前はまだ伯爵でいらしたのに、今度は侯爵になられたそうですね。侍女の方も相変わらずあなたを怖がっておられないようで安心しました」


 南インドの商人が笑っています。


 フランソワさんも覚えていました。


「以前も同じことをおっしゃいましたね。私は爵位が増えても、急に別の人にはなれませんから」


「その答えも、前とあまり変わりません。英国でもインドでも、地位が上がると人が変わることはありますので、変わらない方が珍しいのですよ」


 昔の会話の続きでした。


 少し離れたところには、厚いチュバを着た人がいます。


 ツェワン・ドルジェです。


 どろちゃんが近づくと、彼もすぐ気づきました。ラダック語で挨拶すると、以前よりずっと早く話が始まります。


「空を飛ぶ侯爵になったのですね。前に話した、私たちの山へ行ける飛行機はできましたか」


「まだ調べています。飛行機だけ作って終わりにはできないので、谷の地図と季節ごとの風、それから離着陸できる場所を先に集めています」


「忘れてはいなかったのですね」


「もちろん。水のあるところだけ緑で、その外は石の色。冬になると峠が閉じて、薬を運ぶのにも時間がかかるところでしょう」


 ツェワン・ドルジェは満足そうにうなずきました。


「今日は、もっと東の山から来た人もいます。あなたなら話ができるでしょう」


 彼が紹介したのは、チベットから来た商人と、その旅に同行している僧侶でした。どろちゃんがチベット語で挨拶すると、二人は顔を見合わせました。


 話題はすぐに山道と交易へ移ります。ラサへ向かう道、塩と茶、羊毛、冬に閉じる峠、軍勢が通れる道と商人が使う道の違い。地図の上では近く見える谷でも、山を一つ越えるだけで何日もかかります。


「東から大きな軍が来たら、どこを通りますか」


 どろちゃんが尋ねると、僧侶は地図を見ました。


「大軍なら、通れる道はかえって少なくなります。人だけではなく、馬と食料を通さなければなりません」


「だから、軍が来てから止めるより、来る前に約束を作りたいんです」


「誰と誰の約束ですか」


「チベットのことなら、チベットの人が席にいる約束です。清と話すときも、ロシアと話すときも、英国や私たちだけで山の色を決めたくありません」


 商人はしばらくどろちゃんを見てから、ゆっくりうなずきました。


 その少し先には、カシュガルとヤルカンドの商人もいました。英国側の交易関係者が、中央アジアの商いにつながる人として招いています。


「西の土地を守るために、ジュンガルとだけ約束を結ばれるのも困ります」


 カシュガルから来た商人は、通訳を待たずにどろちゃんへ言いました。


「町には町の商いがあり、道があります。遠くの王やハンが地図の上で一つにしても、同じではありません」


「それを聞きたかったんです」


 どろちゃんは、アン女王と見た地図を思い出しました。


「大きな国だけ集めて線を引くと、また同じことになりますね。カシュガルやヤルカンドの人が、誰とどんな約束をして暮らしたいのかも聞かないといけない」


「聞くだけですか」


「最初は聞きます。そのあと、紙にして、ほかの国にもその約束を認めてもらいます」


 今度は清から来た商人たちのところへ移りました。


 英国側の交易関係者と一緒に来た民間の商人と随行者です。どろちゃんが相手の言葉で挨拶すると少し驚かれましたが、茶と磁器の話から始まり、やがて北の国境へ話が移りました。


「ロシアとは、ネルチンスクで国境を決めていますね」


「侯爵閣下は、ずいぶん遠いところの条約をご存じなのですね」


「ロシアのことは昔からよく勉強しています。あの約束を、共和国になったロシアにも守ってもらいます」


「ロシアの王がいなくなってもですか」


「国は残っていますから。王様が替わったり、政治の形が変わったりするたびに国境を取り直したら、毎回戦争になります」


 清の商人は少し考えました。


「では、あなたは清にも、ほかの国と同じ約束を求めるのですか」


「はい。清にも、ジュンガルにも、チベットにも、その西の国々にもです。清を囲んで敵にするためではなく、みんなが先に相手の名前を紙に書けるようにしたいんです」


「それは朝廷が決めることです」


「もちろんです。私は今日ここで清の国境を決めるつもりはありません。まず、こういう話をする席を作りたいんです」


 そこへアン女王も加わりました。


「昨日聞いた国際連盟というものですね」


「はい、陛下。最初から大きな建物を造るより、まず同じ机に座ってもらうところから始めたいです」


 清の商人、チベットから来た客、カシュガルとヤルカンドの商人、ツェワン・ドルジェが同じ卓の地図を見ています。


 正式な条約は、それぞれの国や地域から権限を持つ人を招いた次の会議で扱います。今夜は、どこへ話を持っていけばよいのか、誰を次の会議へ呼ぶべきなのかを探る場になりました。


 もう一方から声をかけてきたのは、海の向こうから戻った人たちでした。


 ボストン。


 フローレス。


 ラジェス。


 交代勤務を終え、チェブラーシカでヨーロッパへ戻ってきた人が何人か招かれています。


「侯爵閣下。あの帰りの便では、ずいぶん急いで大西洋を渡りましたね。こちらへ戻ってから普通の船旅の予定表を見ると、同じ海とは思えません」


「追い風がよかった日です。毎回あの時間で来られると思わないでくださいね。でも、急ぎの連絡に使える数字は取れました」


「時刻局も増えました。向こうにいる者にとって、ヨーロッパの時刻が電波で届くというのは、飛行機とは別の意味で距離が短くなった感じがします」


 どろちゃんは、その言い方が少し気に入りました。


 飛行機だけ速くても交通にはなりません。


 時刻。


 無線。


 給油地。


 交代する人。


 戻る人。


 そういうものがそろって、初めて海の向こうがつながります。


 会場の向こうから、係の人がどろちゃんを探しに来ました。


 演奏の時間です。



          *



 宮殿へ運んだ5台のトーンホイール式オルガンのうち、1台が会場に置かれていました。


 外見は立派な鍵盤楽器です。


 けれど、中では多数の金属製トーンホイールが回り続けています。


 どろちゃんはアン女王の前へ進み、礼をしました。


「女王陛下。先日お約束した演奏を始めてもよろしいでしょうか」


「ええ。今日はそのために楽器まで運んできたのでしょう。楽しみにしていました」


「ありがとうございます。最初は、新しく作ったオルガンを使います」


 どろちゃんは椅子へ座りました。


 電源を入れると、内部のモーターが回り始めます。


 すぐには弾きません。


 回転が落ち着くのを待ち、ドローバーを少しずつ調整しました。


 最初の低い音が会場へ出ます。


 バッハの《トッカータとフーガ ニ短調》。


 ボストンでも弾いた曲です。


 何十ものトーンホイールから取り出した音を組み合わせ、増幅器とスピーカーを通すと、1台の鍵盤楽器から厚い音が出ます。


 機械の説明は短く済ませ、どろちゃんは曲を最後まで弾きました。


 演奏が終わると、少し間を置いて拍手が広がりました。


 次にローランドの電子ピアノへ移り、祝賀会で頼まれていた曲を数曲弾きました。


 そして最後に、細長いケースを開きました。


 YAMAHA YEV105PRO。


 5弦のエレクトリックヴァイオリンです。


 どろちゃんが構えると、以前の演奏を知っている人たちが少し前へ出ました。


「最後は、パガニーニの《24の奇想曲》第24番を演奏いたします」


 アン女王へ向けてそう告げ、弓を上げました。


 主題が始まります。


 変奏が進むにつれて、右手だけを見ていても何をしているのか分からなくなります。


 速いパッセージ。


 重音。


 跳ねる弓。


 そして左手で弦を押さえていたはずの指が、そのまま弦をはじきます。


 弓で音を出している途中に、左手のピッツィカートが混じります。


 前に見たことがある人でも、やはり手元を見ます。


 初めて見る人は、もっと分かりやすく驚きました。


 どろちゃんは客席を見ません。


 最後まで弾きます。


 音が止まりました。


 今度の拍手は、間を置かずに来ました。


 どろちゃんはヴァイオリンを下ろし、まずアン女王へ礼をしました。


「女王陛下、お聴きいただきありがとうございました」


「こちらこそ。侯爵位のお祝いに招いたはずなのに、今日も私たちの方が楽しませてもらいましたね」


「お祝いしていただいておりますので、それくらいは働かせてください」


 言ってから、少しくだけすぎたかと思いました。


 けれどアン女王は笑っています。


「では、十分に働いていただきました。あとはご自分の祝賀会を楽しんでください」


「ありがとうございます、陛下」


 どろちゃんはもう一度礼をしました。


 会場へ戻ると、ツェワン・ドルジェがオルガンの方を見ています。


 清から来た人たちは、電気で音を大きくする楽器を珍しそうに見ています。


 ボストンから戻った人の中には、以前どろちゃんが向こうで演奏したことを知っている人もいます。


 南インドの商人は、また誰かと話しています。


 同じロンドンの宮殿です。


 けれど、以前ここへ来たころより、知っている顔がずいぶん増えました。


 どろちゃんはヴァイオリンをケースへ戻しました。


 祝賀会が終われば、ロンドンの自分の家へ帰ります。


 明日もまだ、ここで暮らします。地図の話も、もう少し続きそうです。



==============================================================================

第112章の小さな説明

==============================================================================


【ロンドン便とムリヤちゃん】


 今回のロンドン便では、ムリヤちゃんの人間乗員は、左席のどろちゃんと右席のフランソワさんの2人です。

 ムリヤちゃん自身が6発のエンジン、燃料、油圧、電気などの系統を監視・調整できるため、短距離のロンドン便と現地訓練では人間の航空機関士を乗せていません。

 長距離運航では、オイゲンさんの部下から養成している航空機関士2人を乗せる予定です。

 タドポール君がほかの機体へ教えたため、現在は作中の飛行機たちはみんなお話ができます。人間で機体の声を直接聞けるのは、どろちゃんだけです。フランソワさんを含むほかの人には聞こえないため、飛行中に必要な情報は、どろちゃんが計器でも確認したうえで伝えます。


【低床電車と5台のオルガン】


 低床電車の1号車は、フランスの車両工場から機関車牽引でストラスブール、ケール、エルレンフェルト駅まで運び、駅から滑走路までは600V架線の仮設線を自走します。

 ムリヤちゃんは後部貨物ランプではなく、巨大な機首を開いて前から貨物を出し入れします。ロンドンでも機内レール、仮設斜路、既存トラム軌道を直接つなぎ、車両を分解せず降ろしています。

 降ろした電車は鉄道・トラム側の係へ引き渡し、どろちゃん自身は試運転や営業準備を続けません。


 トーンホイール式オルガンは5台です。

 試作1号機は、バベル事件後に航空機用エンジン製造を止めて空いたエルレンフェルトの精密加工設備を使って製作しました。

 2号機以降は、ライデン大学と共同研究を続けながら、アイントホーフェンの工業地区で量産できる体制へ移しています。

 今回の5台はすべて人間側の工場で作った製品です。

 5台とも宮殿へ送り、滑走路からは通常型トラムに連結した有蓋貨物付随車で運びます。


【アイントホーフェンの工業地区】


 作中のアイントホーフェンは、戦乱のたびに支配側が変わり、破壊と報復を繰り返して再建されない土地が広く残った町です。どろちゃんは以前、この状態を「裏切りの街角」と呼んでいます。

 ライデン大学は研究・試作設備で敷地が足りなくなったため、戦災後に再建されない市街地の大部分をまとめて取得し、量産工場を置く工業地区として利用しています。

 冷凍機・ヒートポンプ、電球、家電製品などの工場が稼働し、今回のトーンホイール式オルガンも2号機以降はこちらで生産します。


【1705年初頭の電気・通信・生活技術】


 有線電信は広域実用化され、長距離線にはリレーと中継器が入っています。

 無線電信も実用化済みです。

 真空管技術は、どろちゃんが初期に手作り三極管を披露した段階から進み、現在は量産設備があり、ラジオ局では水冷式の大型送信管も使っています。

 神様から届いた真空管式無線機やTRIOの学習用送受信機キットを教材として、組立、調整、測定、故障診断まで学習しており、現地製の無線電話も実用化されています。陸上の固定局だけでなく、船舶局もあります。

 1MHzの音声放送も研究放送を経て実用運用へ進んでいます。


 食堂車では、マグネトロンを使う業務用電子レンジが実用化されています。

 アンモニア冷媒の蒸気圧縮式冷凍機とヒートポンプも実用段階で、冷蔵・冷凍だけでなく冷暖房へ使っています。

 オランダ側では家電製品の工場も稼働しています。


【電球、ハロゲン灯、蛍光灯、テレビ】


 白熱電球は、初期の窒素封入式からアルゴン系封入へ進んでいます。

 真空管・電球製造で培った排気、ガス置換、封止技術があり、水晶を溶融して石英ガラスを作れるため、馬車用の小型高輝度ハロゲン前照灯も製作できます。

 一方、蛍光灯はまだ完成品として量産していません。低圧水銀放電から出る紫外線を可視光へ変える蛍光物質について、発光効率、色、耐久性、塗布方法を研究中です。

 テレビはまだありません。



【まだ到着する違反船】


 私掠停止や商船襲撃禁止の命令は広がっていますが、1705年初頭でもカリブ海や地中海など遠い海域では伝達に時間がかかります。処罰の基準は、命令が届いた時点からです。

 処罰対象になるのは、命令を受け取ったあとも襲撃を命じた者や、命令の伝達を故意に遅らせたり止めたりした担当者です。命令を知らなかった船員や、届いた命令に従った人は責任を分けて扱います。

 船体、乗員、積荷を確認し、元の所有者が特定できる盗品などは返還します。没収対象財産には高価な積荷が含まれることもあり、保管・処理などの費用を差し引いても全体では収入が上回る場合があります。

 神様の罰で急速に高齢となった責任者について、英国では寝具、移動、衛生、食事、医療に対応した「養老刑務所」を用意しています。


【ロンドンの馬車】


 長距離移動は鉄道、ロンドン市内の家、宮殿、ウェストミンスター、駅などを結ぶ移動は馬車という使い分けです。

 発進、坂道、ぬかるみ、停止と再発進の際に、後輪を電動機で補助します。車軸まわりの金具や取付部、御者席の仕立てはロンドンの馬車・金工職人へ頼み、制御回路、蓄電池、配線、保護回路などの電気部分はどろちゃんが扱います。

 御者席には、機械や電気製品の包装に使われた透明な軟質PVCシートを洗浄・再利用した雨天・酷寒時用カバーを追加します。

 前照灯は、すでに製造できる石英ガラスを使ったハロゲン灯です。


【エルレンフェルトとロンドンの滑走路】


 エルレンフェルトの主滑走路は、この時点ですでに3800mまで延長されています。

 ロンドン近郊の滑走路は現在3400mで、反対側へ約400m延長できる土地を確保しています。飛行場を運用しながら工区を分け、徐々に3800mまで延長します。



【清・チベット・中央アジアと国際連盟の芽】


 どろちゃんは、清の西方進出を将来の大戦争になってから軍事力で止めるより、周辺の国や政治主体を早い段階で条約相手として国際的に認める方を選びます。

 ロシア共和国には旧国家が締結したネルチンスク条約を承継させ、政体が変わっても国境条約を維持する原則を広げます。

 清を排除する包囲同盟ではなく、清、チベット、ジュンガル、中央アジア諸地域、ヨーロッパ諸国などが同じ席で国境、通商、侵攻停止を話せる「国際連盟」を構想し始めます。

 第112章の祝賀会では、清、チベット、カシュガル、ヤルカンドから来た民間の客と話し、次に誰を正式な会議へ招くかを探ります。条約締結は、権限を持つ代表が集まる次の段階です。



【色変わりコランダム】


 新しい宝石は、ベルヌーイ法で育てた色変わりコランダムです。

 アン女王へ新年の贈り物として最初の1点を渡し、ウェストミンスターの宝飾店での販売はその翌日から始めます。

 台座には、工場で使用した神様供給のアルミニウム材の端材も回収して利用し、陽極酸化と染色で色を付けられます。

 選別、研磨、宝飾職人による仕立てを含む高級品として、かなり高価な価格を設定しています。


本領地名+侯爵 を名乗るようになれます。いままでは、利用できる土地はあるものの滑走路や後で返還する土地で帆領地ではなく、エルレンフェルト伯爵という外国名を使っていたので、エルレンフェルト公国の伯爵と間違える恐れもあり、イギリスの伯爵という例外的な名前でした。

ここからは、清の西方進出で発生するチベット、ウイグルなどの問題に直面していきます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ