表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/3

欲望

人類が、この宇宙のすべてを解明してから百年。

文明は、静かに終わりへ向かっていた。


かつて人類は、未知を求めて進化してきた。

戦争を終わらせるために。

病を克服するために。

宇宙の果てへ辿り着くために。


そしてついに、人類は「三次元空間・一次元時間宇宙」のすべてを知り尽くした。


その瞬間、世界から“未知”が消えた。


新たな発見は存在しない。

解き明かす謎もない。

達成すべき目標も残されていない。


人類は、文明を発展させる理由そのものを失った。


望むものはすべて手に入る。

答えはすべて存在する。

もはや努力する必要すらない。


――自由だった。


あまりにも自由すぎた。


「この宇宙のすべての情報」という、究極の自由を手にした人類は、

やがて生きる意味を失っていく。


文明は徐々に停滞し、精神は摩耗し、人類社会は静かに崩壊へ向かい始めた。


このままでは、人類そのものが終わる。


そう判断した人類統合管理機構――

《組織名仮1》は、ついに禁断の計画へ着手する。


目指したのは、この宇宙の外側。


三次元空間一次元時間の外に存在するとされる、高次元宇宙だった。


しかし、その領域へ到達するには、人間の肉体はあまりにも不完全だった。


三次元空間に最適化された肉体。

一次元時間しか認識できない知覚。

有限の脳、有限の寿命。


高次元宇宙へ到達するには、

“人間”という存在そのものを捨てなければならない。


そこで《組織名仮1》が導き出した結論は、一つだった。


人類を、より高次の存在へ進化させる。


個としての肉体を捨て、

個人としての意思を統合し、

この宇宙の全情報を継承した、別次元対応存在へと変貌する。


それはもはや、人類ではない。


――“神”だった。


この計画は、「神化計画」と呼ばれた。


生きる意味を失っていた多くの人類は、この計画を受け入れた。

終わりの見えない虚無の中で、彼らは新たな目的を求めていたのだ。


だが、その計画に強く反発する者たちも存在した。


彼らは叫んだ。


それは進化ではない。

人類という生物の終焉だ、と。


個人の意思を捨て、

人生を捨て、

人間であることを捨てる。


それは、人類の未来ではなく――

人類そのものへの反逆だと。


こうして、人類を“神”へ変えようとする《組織名仮1》と、

それを阻止する反神化組織《神滅連邦》による、


人類史上最大の戦争が幕を開ける。

組織名仮1というのが登場しましたが、その名の通り仮の名前なので、今後考えます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ