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太田道灌くんー歌人·太田道灌の誕生
ある日、太田道灌くんはお出かけした帰り道、雨にあいました。一軒の家が見えたので、そこで蓑を借りようと思いました。
娘さんが出てきました。道灌くんは蓑を貸して欲しいと言いました。
娘さんは歌を添えて山吹の花を差し出しました。
七重 八重 花は咲けども 山吹の みの 一つだになきぞ 哀しき
「え?ここにそんなに女の子いるの?七重ちゃんに八重ちゃんに、ヤマブキちゃん、みのちゃん、ひとりしか選ばれないから哀しいって!ぜんぜん構わないよ。みんなウエルカム」
娘さんは呆れてしまい、歌に託すのはやめました。
「ぶっちゃけて言うと、うち、ビンボーだから蓑なんかないのよ」
「そうなの。じゃあ、傘でもいいよ」
「傘って、車輪に亀が一杯埋め込んでるやつ?」
「なに?それ?」
「いえ、こっちの話」
車輪に亀は武田信玄くんと上杉謙信くんー第4回 川中島①〜③を読んでください。
「とにかく、うち、ビンボーだから蓑も傘もないのよ」
「じゃあ、雨宿りだけでも」
「仕方ないわね」
後日、道灌くんは考えた。他の国と交渉するとき、歌に託せばケムにまけるんじゃねえ。歌人·太田道灌の誕生である。(ウソです)
おわり




