浅井長政くんと遠藤直経くん⑧ーそうだ!朝倉のおいちゃんに押しつけよう
江北をお掃除しながら、須賀谷までやってきた竹中半兵衛くんと斎藤龍興くん。
片桐家の屋敷の前で…
「ごめんください。どなたですか?天才軍師の竹中半兵衛くんです」
「おまけの斎藤龍興くんです」
「お入りください。ありがとう」
「ねえ、半ちゃん、なんで、俺がおまけなの?」
「ウ~ン、挨拶、ごめんしておくれやっしゃとどっちにしようかと迷ったんだけど」
「聞きたいのはそういうことじゃないんだけど」
「人んちの前で、何やってるんですか?」
出て来たのは須賀谷の領主、片ちゃんです。
「改めて、こんにちは。長政くんが、こっちに来ていると聞いて訪ねてきました。あ…これ…おみやげのお酢と重曹と灰です」
「は…はあ…おみやげならちくわの方が…」
「ちくわ?なんで?」
「よくわかりませんが、おみやげといえばちくわでしょ。まあ、いいですけど、その天才軍師の竹中半兵衛くんがお館様に何の用ですか?」
「ええ…この間、浅井家に仕官しました。なんでも先日の戦で江北の衛生がえらいことになっていたようで、後始末してきました」
「片ちゃん、騒がしいけど何かあった?」
「あ、長政くん、おひさ~」
「なんだ、半ちゃんとたっちゃんじゃない?どうしたの?」
「昨日、赤尾殿に雇ってもらいました」
「なんだ、君たち、清ちゃんの家来になったの。あっ…酢の匂いがすると思ったら、半ちゃんのしわざ?」
「そうですよ。長政くんのせいで大変だったんですから、江北にきてからお酢と重曹と灰で、お掃除のしどおしですよ」
「それは…大変だったね。で、なんか用?」
「…………」
「…………」
「…………」
「そうだ。長政くんに頼みがあって来たんだ。俺さあ、織田信長のアホに稲葉山城、落とされちゃってさ、匿ってよ」
「お館様、まずいですよ。お市様、迎えて、浅井家、織田家と同盟結んだばっかりなんですから。織田家の敵だったたっちゃん、匿えませんよ」
「ウ~ン、…そうだ、姉ちゃん、どうしてる?たっちゃんの奥さんの姉ちゃん」
「たしか、実宰庵で、見久尼様と、マリア様とお市様とで、毎日のように、女子会してるみたいですよ」
「女子会…いいなあ…俺も参加したい」
「え?俺の奥さん、そんなことしてんの。俺も参加したい」
「バカ殿様ズは、ちょっと黙っててください。竹中殿、あなたはともかく、龍興殿は匿えませんよ」
「よし…閃いた」
「長政くん、なにか、いい考えが」
「うん、朝倉のおいちゃんに押しつけよう」
「朝倉義景殿ですか」
「あのおいちゃん、人がいいから、たっちゃん一人ぐらい面倒みてくれるでしょ。ちょっと待っててね。パパっと紹介状書くから」
「長政くん、それ、ちょっと冷たくない?俺、あんたの義理とはいえ、に~ちゃんよ。それに越前、寒そうしじゃん」
「まあまあ…朝倉のおいちゃん、あれで、太っ腹だからカニ食べ放題よ」
「じゃあ、行く」
かくして、斎藤龍興くんは越前に。竹中半兵衛くんは江北にとどまることになりました。
つづく
天下統一よりカニ。重曹よりちくわ。
義兄を朝倉家にポイ捨てした長政くんの明日はどっちだ。
越前ガニが食べたくなった方は、ブクマ・評価をお願いします!」
真面目な戦国も書いてます
もし「万福丸が処刑されずに薬師として生きたら?」というガチな歴史IFに興味がある方は、こちらをどうぞ。
『ある薬師の一生 〜浅井万福丸の生存ルート〜』
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