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エスケープで紡ぐ小さな物語  作者: たなばたばたばた
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1話(夏祭り話前編) エスケープの夏祭り 

閲覧ありがとございます!

久しぶりです、よろしくお願いします

「飛鳥馬からもらったのだけど…何よ、これ。」


「夏祭り…?なんだ、それは。」


メリアさんがエスケープの道案内で

有名なチラシ配りの仕事をしていた飛鳥馬さんに、

〈!夏祭り開催!〉

と、主張強く書かれていたチラシを貰ったらしく、

メリアさんと横にいたアルフさんがチラシを覗き込んでいた。


「商店街で開催…夏祭りって何をするんだ…?」


「ちょっと涼音、アナタなら、

夏祭りって何なのか知ってるでしょ?教えてちょうだい。」


私はその場にいたアルフさん、白くん、メリアさんに

夏祭りとは何なのかを教えた。


「えっと、多分私の前世で

行われていた夏の行事のことだね。

屋台っていうお店で食べ物が売られていたり、

遊んで景品をゲットできたり、後々、

盆踊りしたり、花火が綺麗で……」


私は口下手でも自分なりに3人に分かりやすく教えた。


「ボク、夏祭りを知っているかも!

なんか人間がうじゃうじゃいるとこだよね。」


「そ、そうだね、うじゃうじゃ…。」


「え、うじゃうじゃ人間がいるなら

ワタシ、行きたくないわ。」


メリアさんは顔を少し顰める。


「だ、大丈夫だよメリアさん!人間がたくさんいたのは

私と白くんの前世であった夏祭りだけで、

きっと、エスケープの夏祭りでは住民しかいないと思うよ。」


私はメリアさんを宥めてみる。

メリアさんは私と初めて出会った当時は人間が大嫌いだった。

前世で人間だった私のことも嫌っていて、

メリアさんの酷い言葉に

涙を流してしまった日もあったっけ…。

でも、今は人間嫌いは少し落ち着いた。


「へぇ、そうなのね。」


「あの、ここで提案なんだけど…。

夏祭り、みんなで行かない?」


私は勇気を振り絞って、3人を夏祭りに誘った。

断られたらどうしよう…と思っていたけど、

その心配は無駄だった。


「いいじゃないか、この機会に、

涼音がいた世界での、文化を学ぶことができるしな。」


若干空気気味になっていたアルフさんが

真っ先にそう言ってくれた。


「まぁ、涼音が色々案内してくれるなら、

ついて行ってあげてもいいわよ。」


「行く!絶対行く!!」


メリアさんと白くんも賛同してくれた。良かった…。

前世では誰かを誘って、

遊びに行くなんて絶対出来なかった行為。

なんだか、すっごく嬉しい……。


「みんなありがとう…!なら、浴衣を買いに行こうよ!!」


…漫画ならば、シーン、と

オノマトペが出ちゃう雰囲気になってしまった。

冷や汗が一気に吹き出してきた。

やばい、流石に調子に乗りすぎちゃった?

やっぱやめた、とか言われない?!


「浴衣って、なんだ?」


「そうよ、教えなさいよ涼音。」


「ボクも知らない〜。」


みんなの行動は予想外なものだった。

一瞬静かになったものの、その後3人は

私に食らいつくように浴衣について聞いてきた。

私は噛み噛みになりながらも、浴衣について教えた。


「なるほど、浴衣を身につけるだけで

気分が少し変わりそうだな。」


「なんか、暑そうなあの服のことか〜。」


「衣装まで変えて、夏祭りを楽しむわけね、

面白そうじゃない!涼音!早く連れていきなさいよ!!」


「えぇ?!ど、どこに?!」


「そんなの決まっているじゃない!浴衣が売っている場所!」


「えっと…きっと、商店街?かな…。場所は

千春さんに聞けばわかるかな…。」


私はメリアさんに腕を引っ張られて、

商店街までみんなで向かう。

アルフさんと白くんも一緒に。


カランコロン。武器屋の重たい扉が開く。

千春さんは普段なら私とアルフさんでここに

訪れることが多かったため、

白くんとメリアさんがいて驚いていた。

きっとほぼ初対面に近い。


「えぇ?!涼音さん、アルフさん!この方達は…?

も、もしや、わたしがまだお目にしてない、

住民795さんと住民765さんですか…?!」


「ワタシにも名前があるのに、住民名簿に乗っている

番号で呼ばないでくれる?これだから人間は。」


きっと、795は白くん、765はメリアさんなんだろうな。

住民名簿には姿絵と番号しか書いていないって聞いてたけど、千春さんは一目で二人を見抜いたみたいだ。

私も、住民名簿に載っているのかな……。


「いい?ワタシはトロメリアよ。」


「ボクは白だよ!涼音ちゃんの友達だよ。」


「住民名簿からは滅多に

住民の名前を知ることは出来なくて…。失礼しました、

よろしくお願いします!白さん!メリアさん!」


ここで常に不機嫌なメリアさんの顔がさらに不機嫌になった。


「メリアって呼ばないで。

人間に、呼ばれると不快だわ。

メリア呼びしていいのはここにいる住民なら涼音だけよ。」


「なぁ、メリア。あそこに使い勝手が良さそうな矢があるぞ。」


「アルフ、アンタもダメよ。」


「きーっ!涼音さんだけ羨ましいです〜!

後々、わたしにも千春という名前があるんですよ!

ともかく、よろしくお願いしますね!」


千春さんはわざとらしく、漫画に出てきそうな声を発した。


「ところで千春さん。聞きたいことがあるんだけど……」


「はぁい!なんでしょう!刀でも折れましたか〜?」


「あのね、商店街で浴衣を買える店ってあるかな?

私たち、夏祭りに行きたいんだよね。」


「ありますよ!びゅーん、って行った後、

ききーって曲がって、バーン!と進んだ先に!」


…全くどこか分からない。3人の顔を見ると、

みんな同じように分からないといった様子だった。


「…千春、その店まで道案内してくれないか。」


アルフさんは千春ちゃんに道案内をお願いした。

頭の回りが早いアルフさんでも、

効果音だけじゃ浴衣がどこで

買えるかは分からなかったようだ。

私は人に道案内を頼むなんて恐れ多くて出来ないけど、

さすがに今回は道案内を頼んだ方がいいかも……。


「え〜!無給でですか?いいですよ!

アルフさんは太客ですからね!

アフターぐらいしなきゃバチが当たりますもんね!!

わたし、死にたくありませんから!」


…そんな、夜職みたいな言い方しなくても……。


「それじゃ、早速向かいましょう!!」


千春さんは武器屋の重たいドアを勢いよく開けた。

音はカランコロン、ではなく、

ガチャンッ!カララララッ!…だった。

いや、そうはならないでしょ。


「仕事は放棄して大丈夫なの…?」


「きっと2時間ぐらいで帰ってこれますから、

出張中ってことにしておきましょう。」


千春さんはドアにかけられている、

OPENというドアプレートを別のに変えて、

出張中!というものに変更した。

あえて何も言わないでおこうかな。


「それで、お店はどこにあるの〜?」


「さっさと案内しなさいよ。」


「そんなに急がなくても、店は逃げませんよ〜。」


私たち4人は千春さんの後に続いて、

浴衣が売っている店へと向かったのだった。

ありがとございました!

キャラ資料は

たなばたばたばた@ta_na_bata

の固定にて!

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