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黒影最強の剣士、その先へ
黒影は解散した。
行く当てもなく街を歩くカインのもとへ、一通の手紙が届く。
差出人はネロだった。
「私には、まだ償うべきことがある。 だから、お前まで付き従う必要はない。 今度は、自分の人生を生きろ。」
カインは何度もその手紙を読み返した。
幼い頃、魔物から救われて以来、自分の人生はネロのためにあった。
その道が、初めて途切れた。
数日後。
王都の訓練場。
木刀を持った子どもたちの前に、カインは立っていた。
「剣は、人を傷つけるためだけのものではありません。誰かを守るためにも使える。」
子どもたちは真剣な表情で頷く。
その様子を、遠くから見ていたさくらが声をかける。
「先生、人気者だね。」
「……からかわないでください。」
少し照れくさそうに笑うカインを見て、さくらも笑う。
黒影最強の剣士。
そう呼ばれた男はもういない。
今いるのは、未来を担う子どもたちへ剣と心を伝える、一人の剣士だった。
そしてその胸には、今も変わらずネロへの恩義と、仲間たちと歩んだ日々が刻まれていた。
黒影は終わった。
だが、彼らが遺した想いは、新しい時代へと受け継がれていく。




