表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
炎の奇跡(タイトル仮)  作者: 瑠夏
PR
26/47

共闘

「グオオオオォォッ!!」


巨大な魔物の咆哮が白霧の丘を震わせる。

一歩踏み出すだけで大地が揺れ、黒い結晶が体から飛び散った。

「全員、散開しろ!」

ガレスが叫ぶ。

騎士たちは一斉に距離を取る。

だが、魔物は右腕を振り下ろした。

ドォォン!!

地面が砕け、数人の騎士が吹き飛ばされる。


「くっ……!」

「負傷者を下がらせろ!」

リーファルは矢を放つ。

矢は魔物の体に命中するが、黒い結晶に弾かれてしまう。

「効かない……!」

さくらも炎剣・紅蓮を構えた。

「紅蓮・炎牙!」

炎の斬撃が魔物を襲う。

しかし、表面の結晶が砕けただけで、大きなダメージにはならない。

「硬すぎる……!」


その時だった。

「胸だ!」

ネロが叫ぶ。

「胸の魔核石を狙え!」

ガレスはネロを見た。

「お前、あれを知っているのか!」

「あれは私の魔法じゃない!」

ネロは険しい表情で続ける。

「誰かが私の研究を利用し、さらに危険な魔核石を作り出した!」

その言葉に、さくらは息をのむ。

「そんな……。」


つまり、この魔物を生み出した黒幕はネロではない。

もっと別の誰かがいる。

「話は後だ!」

ガレスは剣を構える。

「まずはあの魔物を倒す!」

ネロも静かに頷いた。

「ああ。」

一瞬だけ、さくらと目が合う。

敵同士のはずの二人だったが、その考えは一致していた。

「今だけは協力しよう。」

ネロが右手を掲げる。

紫色の魔法陣が展開され、無数の魔法鎖が魔物へ伸びる。

「動きを止める!」

鎖が魔物の腕へ巻き付き、一瞬だけ動きが止まった。

「今だ!」

ガレスが飛び出す。

「はああぁっ!」

鋭い一撃。

黒い結晶が大きく砕ける。

続いてリーファルの矢が胸へ突き刺さる。

「まだ足りない!」

魔物は鎖を引きちぎり、怒り狂ったように暴れ始めた。

「ネロ様!」

カインが前へ出る。


肩に矢が刺さったままだというのに、黒い長剣を構える。

「無茶だ!」

ネロが止める。

しかしカインは笑った。

「あなた一人に戦わせるわけにはいきません。」

その姿を見たさくらも前へ踏み出す。

「私も行く!」

「さくら!」

「みんなで倒そう!」

さくらとカイン。

これまで何度も剣を交えた二人が、初めて同じ敵へ向かって駆け出した。

紅蓮と黒剣が交差する。

炎が結晶を焼き、カインの剣が砕けた隙を切り裂く。

「右だ!」

「分かってる!」

言葉を交わすたび、二人の連携は不思議なほど噛み合っていく。


その様子を見たガレスは驚きを隠せなかった。

「敵同士とは思えん……。」

ネロは静かに呟く。

「だから選ばれたのか、さくら。」

そして巨大な魔物の胸に、大きな亀裂が走る。

紫色の魔核石が、ついに姿を現した。

「今なら届く!」

さくらは紅蓮を強く握る。

カインも剣先を魔核石へ向けた。

二人は互いに頷く。

「いくよ!」

「ああ。」

敵だった二人の剣が、同じ標的へ向かって振り下ろされた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ