奪われた古文書
アルト村での戦いから三日。
王都では復旧作業が進められ、騎士団は黒影の行方を追っていた。
その夜――。
王城に突然、警鐘が鳴り響く。
「敵襲だ!」
兵士たちが慌ただしく駆け出す。
ガレスとリーファル、さくらも地下の資料庫へ向かう。
しかし、そこには倒れた兵士たちが横たわっていた。
幸い命に別状はない。
「何があった!」
ガレスが生き残った兵士に駆け寄る。
兵士は苦しそうに息を整えながら話し始めた。
「黒いローブの男が……一人で……。」
「ネロか。」
兵士は震えながらうなずく。
「資料庫にあった古文書だけを持ち去りました……。」
「他には何か言っていなかったか?」
兵士は目を閉じ、ネロの言葉を思い出す。
「あの男は……去り際に笑いながら、こう言いました。」
兵士は息を吸い込む。
『王国が隠し続けた真実は、封印の神殿に眠っている。止められるものなら止めてみろ。』
その場の空気が凍りつく。
「封印の神殿……。」
リーファルの表情が変わる。
「知っているのか?」
「古い伝承です。建国以前に造られた遺跡で、王家が何かを封印したと言われています。」
ガレスは険しい顔で兵士に尋ねる。
「古文書には、その神殿について書かれていたのか。」
「……はい。」
ガレスは拳を握り締めた。
「ネロの狙いは最初から古文書だったということか。」
さくらは静かに口を開く。
「王国が隠している真実って、一体……。」
ガレスはゆっくり首を振る。
「今は分からない。だが、ネロを神殿へ行かせるわけにはいかない。」
彼は全員を見渡し、力強く命じた。
「騎士団を編成する! 明朝、封印の神殿へ向かう!」
「了解!」
こうして、さくらたちはネロの後を追い、封印の神殿へ向かうことになるのだった。




