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グランサンクチュア〜地底天空都市の伝説〜  作者: 大森六
第二章 魔王軍襲来

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第58話 リリアナゴーレム

「すごいわ! 私たちガイアの大地を、空を飛んでいるわ!」


 ティアがシートから立ち上がってしまうほど興奮している。王宮を飛び出して10分ほど経過した。既に王都リトルガイアどころか、ヒューマニア王国が小さく見えるほどにフルーゲは前進している。


 リリアナ王女もミラ王女もこのガイアの壮大な風景を目にするのは初めてだった。勿論操縦しているノアも。リリアナ王女は既にガイアの大地に心を奪われてしまい、何も喋らずただ涙を流していた。そんなリリアナ王女をグッと抱きしめるミラ王女。



「本当にすごいわ……こんなに胸が高鳴ったのは初めて。リリカはもっと先のグランサンクチュアまで旅をしたのよね? すごいわ! こんなに進んでもまだ天空の塔に近づかない!」


 ミラ王女のはしゃぐ姿を見てリリカはホッとしていた。一国の頂点に立とうと努力を続ける王女がずっと心配だった。このフルーゲで見せる表情は正に素直な感動から来るものだろう。微笑みながらリリカは言う。


「いつか、ミラ王女もあそこへ行くんですよ。ノア達と一緒に」


「私、必ず行くわ! グランサンクチュアへ。そして色々な世界をこの目で見て回りたい!」



 暫くしてノアがフルーゲを着陸させる。周囲は何もない。ただ、魔土ソイラが広がって、ところどころにクレーターができている。これがガイアの大地だ。

 全員がガイアに降り立ち、ノアはフルーゲをアイテム袋に収納する。そこからハイソイラブロックを取り出してリリアナ王女に渡す。


 そうゴーレムの核だ。いよいよここでリリアナゴーレムが()()()()()()を確認する。



「リリアナ。全く心配はいらないわ。一応なんだけど、王国の方に魔土術まとじゅつを放つのはやめてね」


「わかりました。ミラお姉様。あちらに向かって放ってみますね」


 リリアナ王女が差した方角は真南。東側のグランサンクチュア、西側のヒューマニア王国どちらにも影響ないとノアも判断した。



 リリアナ王女がゴーレムコアにマナを流してリンクする。


 ゆっくりとゴーレムコアが浮き上がってとてつもない強い光がコアから放射状に放たれる。


「うわ! 光が強すぎる」


 ノアたち全員が目を逸らす。コアは徐々に変化していく。そしてリリアナ王女の目の前に巨大なゴーレムが現れた。



「おぉ〜、デカイなぁ」


「いや、感心している場合じゃないでしょ! まぁ、予想通りだから大して驚かないけど」



 人の何倍あるのだろう。十数メートルはありそうな巨体をリリアナ王女が操作してみる。


「リリアナ王女、僕はちょっとゴーレムの肩に登ってみます! 楽しそうなんで」


「あ、お兄ちゃん! 私も行く!」


「えぇ! ティア待って。私も行くわ!」


「あ、それならゴーレムの手に乗せてもらえませんか?」


 こうして3人はゴーレムが差し出した右掌に乗って肩まで運んでもらった。

 とても見晴らしがいいが前も後ろもガイアの大地しか見えない。


 マナフォンでミラ王女が連絡する。


《リリアナ、とりあえず何かやってみて》



「じゃあ……とりあえず、あっちに風魔土術を」



 ゴゴゴゴゴゴ……



「へ? ちょっと、ガイアの大地が揺れているわよ!」


 リリカがノアたちに確認したがただの風魔土術とのことだった。仕方なく地上で様子をみる二人。


 そしてリリアナ王女が手を前に突き出して詠唱を終えて解き放つ。


「ウインド!」



 ゴーレムの右手から強烈な空気圧の塊が一気に放たれる。もはや風などという言葉では表現できない。轟音と共にガイアの砂煙が前方へまっすぐ突き抜けていった。


 一部始終を見たノアたちは顎が外れそうになって固まっている。


「や、やばいよ。大地に線引いちゃった……」


「リリアナ、こんなの一人で魔族に勝てるんじゃない?」


「そ、そこまで強い魔土術ではなかったんだけど……また皆に心配かけちゃうかな」


 半円状に地面をえぐったまま、先端が見えないほど遠くまで一本の線をガイアに描いてしまった。


「な、なんて威力なの……もはや神話に出てくる古代兵器じゃない」


 リリカはリリアナ王女がマナをより繊細にコントロールできるように指導することを決めた。これは一つのミスが大事になってしまう。


「ねぇ、リリアナ王女。ジャンプしてみて」


 ノアの表情がちょっと悪い顔になっている。ティアとリリアナ王女は地上にいるミラたちに伝える。


《ちょっとジャンプしてみるから少し安全な場所に移動して》


《はぁ! ジャンプ? 待ちなさい! こらノア! あんたでしょ!》


《動作確認に来たんだからゴーレムジャンプも見ないとダメだからね!》


《そんなもの見なくていいわ!》



 怒鳴り散らす二人を無視してノアがリリアナ王女に指示する。


「思いっきり垂直にジャンプしてみよう!」


「は、はい。それではいきますね……せ〜の!」


 ドシュ!


 リリアナゴーレムは意外に俊敏だった。そして空高く舞い上がり、ゴーレムの肩にしがみ付きながら笑っているノアたち。地上では踏み潰されないようにリリカとミラ王女が必死に着地点からダッシュで離れている。


「あはは! すごいね! リリアナ王女はもっとゴーレム慣れして操作をマスターすべきだよ! これならガイアの大地を歩いていけるかもしれないし」



「なるほど……その発想はありませんでした。 リリアナも是非訓練したいです」


 ドドーン!


 豪快な着地音と共にノアたちがガイアの大地に降りて来た。そしてゴーレムが元のハイソイラブロックの大きさに戻っていく。


「いやぁ〜楽しかったね! やっぱり作ってよかったなぁゴーレ――むぐぁ!」


 後ろから強烈なゲンコツを二発喰らうノア。怒りの鉄拳は更にノアへと向けられる。


「コラ! ノア! あんた、私たちが地上にいることわかってて面白そうでジャンプするように指示したでしょ!」


「いやいや、母さん違うって! 純粋にジャンプしたらどこまで飛べるのか知りたかっただけで二人が地上にいたことを忘れていたんだよ」


「それはそれでダメだろ! このソイラマニアが!」



 ボカン!




「はひ、そへへは皆しゃん。しょろしょろ戻りはしゅよ」


 二人からボコボコに殴られたノアがそのまま操縦席に座る。



「「それじゃあ、王宮に戻ってゆっくり休みましょう!」」



「お兄ちゃん…………大丈夫? 墜落だけはしないでね」


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