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グランサンクチュア〜地底天空都市の伝説〜  作者: 大森六
第三章 ガイアの大地

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第120話 聖女爆誕

 BBQが美味すぎてもっと大量に脚を斬ってストックしておくべきだったと後悔するノアとイフリートにティアとヘンリーが興奮気味に武器の使用感を伝える。


「ツインダガー、かなりいいわ! いきなり馴染んでどんどん戦いで閃きが湧く感じなの! もっと研究してみる!」


「このレアルカリバーも相当やばい。使っている僕自身が怖くなっちゃうくらいの切れ味と存在感。もう少しこいつと対話してみるよ」


『今回の新しい武器と防具にはあのゴールデンドロイムの表皮が使われているんだ。だからお前たちもそのことを意識するともっと使いこなせるかもな! 魔土術まとじゅつを全て跳ね返す効果があるからな』


 嬉しそうに言葉を返すイフリート。頷いてヘンリーは嬉しそうに自分の新しい剣を眺めている。それが羨ましいのだろう、エミラとティアがノアたちの方をずっと見つめて何かメッセージを伝えている。


『いや、わかってるって! お前らの分もちゃんとつくるからもう少し待ってくれ』


 風の精霊エアルヴァは驚いていた。ここまで楽しそうにイフリートがこのパーティーに馴染むとは思っていなかったからだ。ティアとの相性、ノアの存在など全てが偶然重なったのか、この出会いも運命だったのか……


「ねぇ、ノア。私の防具製作は順調?」


「う〜ん、今は6割くらいまで進んだって感じかな? 女性陣(エミラ、リリー、ティアとウサ婆も含む)に描いてもらったスケッチを元に展開図をおこした。これで形のデザインはほぼできているけど、素材研究がまだ納得していなくて」


「素材研究って何?」


 エミラが嬉しそうに尋ねる。やはり自分の新しい防具とあって興味深々だ。


『俺たちノア工房の職人はパーティーメンバーの個性に合わせた武器や防具を作ることを最低条件として製作しているんだ。エミラにはエミラのマナと属性があるからな。そこを活かせるように考えてるってわけよ』


()()()()()()()って、あなた私と精霊契約したこと忘れてないでしょうね!」


「わ、忘れてねぇよ! 今日も一緒に戦ってたじゃねぇか」


 焦って釈明する精霊を見て皆が笑う。


「エミラとリリーのアイテムは一緒に渡せるようにするよ。エミラの防具にはウサ婆に、そしてリリーの防具にはエアルヴァにそれぞれ手伝ってもらう予定。楽しみにしててね」


 ノアの言葉に気持ちが上がるエミラとリリーだった。


(面白いパーティーだがね。こんなにワクワクするのは久々だがね……ルジェ、この子達ならこのガイアの謎を解くことができるかもしれないがね……)



 そして二ヶ月が経過した。




 * * *



「フウ〜、もう大分滝底の超級魔土レアラを回収したよね」


『おう、これだけあれば色々できるぞ。あのアクセサリーも一新しようぜ!』


「そうだね。早速工房に戻るぞ!」


 ノアとイフリートが臨時工房で再び製作活動に集中する間、ヘンリーとティアはゴールドティアとゴールドヘンリー(共にテイムしたドロイム)とのコンビネーションの確認や必殺の技に磨きをかけていた。


 銀龍ルミノアは自由にダンジョンの中を飛び回って魔物狩りを楽しんでいた。出てきたアイテムは全てノアに渡している。小さいながらもとても強く、とても賢い神獣だった。時々滝の中でヘンリーたちと模擬戦に参加したり、エミラのマナ吸収を見つめていたり、とても楽しそうに過ごしている。



 そしてエミラとティアは今もひたすら滝のマナを吸収していた。


「……なんかティアには付き合わせているようで申し訳ないわ。あなたも自由に訓練していいのよ」


「いえ、ミラお姉様の護衛だけでなく、私もこのマナを吸収した方がいいとエアルヴァ様に言われたのです。だから私にとってもこれは良い修行です」


「そうなんだ……エアルヴァがそんなことを……」


 二人仲良く集中して滝壺でマナを取り込むこと数時間。ついにエミラが何かを感じ取った。


「……()()()。リリアナ、戻ってウサ婆に見てもらうわ!」


「はい!」


 丁度ノアやティアたちも休憩して聖なる祠でくつろいでいたところにやってきたエミラ。

 ウサ婆とノアがその変化に気がついて頷く。


「ヒャッヒャッヒャッ。ついにやり遂げたがね〜」


「はい! 溢れてくるこの聖なるマナを抑えることができなくて。落ち着こうとしてはいるつもりなんだけど……ウサ婆、どうすればいいの?」


「目を閉じて身体の中心に集めるようにするがね。その後体内を循環するようにイメージするがね〜」


 エミラが指示を聞いて実行してみる。


「こうかしら……」


 エミラの周りを何か気配のようなものが纏っているように思えたノアたち。リリーが嬉しそうに近寄ってそのオーラのようなものに触れてみる。


「お姉様、私には感じます! この暖かい、包まれているかのような優しいオーラを」


 ノアたちもエミラに近づいて感じようとするがリリーほどではないが感じることができた。


「それにしてもあのパーティーのボスと言われたエミラが聖女になるなんて。()()()聖女なんて……カリスマになるか凶悪なラスボスになるかのどちらかだろ――」


「うるさい! 黙ってなさい!」


 ドガン!


 地面にめり込むノア……ゲンコツの威力も数倍上がっている。なんともありがた迷惑なパワーアップだ。


「エミラよ。後は戦闘時の回復魔土術を唱える時に学んでいけば良いがね〜。一つアドバイスするとしたら、もはや詠唱、無詠唱という概念は必要ないがね」


「…………何となく、ウサ婆の言っている意味がわかった気がする……うん、後は私自身で一つ一つ試してみるね!」


 笑顔のエミラを見て喜んでいるパーティーメンバー。いいタイミングだとドヤ顔イフリートが前に出てきた。


「何よ。あんたもゲンコツくらいたいの?」


『チゲ〜よ! いや、むしろ何もしてね〜だろ! 常にノアと一緒にするのやめろって』


 ぶつぶつ文句を言いながらアイテム袋から何かを取り出す。


「え! まさかこれって……ついに完成したの? 私の……」



 エミラが嬉しそうに近寄る。 イフリートの顔が2倍に大きくなって得意げに話し始めた。



『そうだ! これがエミラ特製のローブ。名付けて聖女の羽衣はごろもだ!』

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