6 アルトン山脈
俺達は王国に向け出発していた。道中にあるアルトン山脈の入口に来ていた。
アルトン山脈とは山全体に霧がかかっており、気を抜くとすぐ道がわからなくなる危険な山らしい。ココ最近行方不明者が多発しており、危険な魔物ができるとか。
「なぁー道迷わずに行けるのか?なんかそういう魔法ない?」
「そんな魔法なんてないわよ。とりあえず私の後を着いてこればすぐ山を抜けれるわ」
俺はシルビアを信じて後を着いていくことにした。
アルトン山脈に入り3日程経った。
「あのーシルビアさん。さっきから同じ場所ぐるぐるしてませんか?」
「なに?私が信じられない?大丈夫よ。きっと、たぶん」
俺はシルビアをじーと見つめる。あ、目を逸らした。やっぱりこいつ道に迷ってるな?
「な、なによ、そんなに見つめて。大丈夫だって言ってるでしょ?」
俺は無言でシルビアを見続ける。
「もう!わかったわよ!認めるわ!!貴方の言う通り道に迷ったわよ!!だってしょうがないじゃない。キリがすごくて印つけながら歩けば良かった」
入口で自信満々に私に着いてきてって言ってたのに。
「はぁ、今日はもう休もう。ここら辺でいいかな?」
俺とシルビアは休める程の広さがある場所を見つけ、焚き木に火をつけ暖をとる。
俺とシルビアは、お互い背を向け眠りにつく。
だが、そこで鼻に来る匂いに気づく。
「シルビア。近くに湖があるから水浴びしてきたらどうだ?ちょっと歩きすぎて疲れてると思うからリラックスしておいで」
「正直に言いなさいよ。汗臭いんでしょ。だってしょうがないじゃない。何百年もお風呂に入ってないし、歩いて汗も出てるんだから。だいたい貴方もちょっと臭うわよ。ゾンビ特有の匂いがするわ」
シルビアは少し怒ったように顔を紅潮させ、早口で俺に文句をいいながら湖に向かった。
たしかに少しデリカシーがなかったかもしれない。女の子に対して言うべきではなかったな。これからは気をつけよう。
さて、俺の本当の目的を果たしにいこう。俺はゾンビだが、男だ。あれほどの美少女の入浴シーンを覗きたいって気持ちは男なら誰でもわかってくれるだろう。
俺は気配を消し、湖の草に隠れシルビアの入浴を覗く。
くっそぉ、霧が濃ゆくてあんまりよく見えないな。
少し待っていると霧が薄くなってきた。
お?シルエットが見えてきたぞ!おーなかなかいい体してんな!なんだ?すごいやツヤのある体だ。
そして霧が晴れていく。
うぉ!!あの丸いシルエットはもしかしておしりか!これこれは素晴らしいな。ツヤがあって、少し青みを帯びている!綺麗なおしりだ。ん?青い?シルビアの肌は青くなんてなかったぞ。
「何をしているの?」
「うぁ!なんでここにいるんだよ!」
「貴方、まさか覗こうとしてたの?はぁ、新たな主人は飛んだ変態ね」
「だって!しょうがないじゃん!俺心は思春期真っ只中の高校生だぞ!シルビアみたいな可愛い子と二人で行動していたら変な気持ちになっても仕方ないだろ!」
シルビアは少し頬を赤くして照れたように微笑む。
「私が可愛い?ほんと?私ソフィア様以外にそんな事言われた事ないから、、しょ、しょうがないからこれぐらいで許してあげるわ」
これはこれは、ツンデレってやつか?日本の知り合いにツンデレオタクが居たがそいつの気持ちがわかったぞ。これはたしかにとんでもない破壊力だな。
ん?待てよ。シルビアがここにいるって事は湖に居るやつは誰だ?
「避けてアクト!」
シルビアの声と同時に俺の身体は水かローションか分からない液体に包まれた。これは、まさかあの有名なモンスターなのか?
「コイツは、スライムよ。見た目な弱そうだけど、その能力は酷く恐ろしいモンスター。1度飲み込まれてしまったら中からどんな魔法も使えなくなり消化されるのを待つしかないわ。スライムと戦う時は二人以上で挑むのが推奨されているわ」
「シルビア!冷静に解説なんてしてないで早くコイツを倒してくれ!」
「早く倒したいけど、今の貴方の姿すごく面白いわ。ほら、見てみなさい」
シルビアは手鏡を取り出し俺に向けた。
なんと、俺はスライムの中で服をとかされ全裸で飲まれていた。俺の大事な所がモロみえしている。
「くそ!なんでこんな恥ずかしい気持ちにならなきゃ行けないんだ!これが天罰ってやつか!」
シルビアは俺の言動に呆れた様子で炎魔法を放ち、スライムを、倒してくれた。噂の失踪事件はコイツの仕業だったんだ。
「ふぅ!何とかなったぜ、ありがとうシルビア」
「いいからそのおチビちゃんを隠してくれるとありがたいんだけど」
「ひどいな!まだ成長途中だ!」
俺達はしょうもない会話をしながら俺のブツを隠すものを探す。
するとそこでシルビアに向かって魔法が放たれた。
「シルビア伏せろ!」
俺はシルビアの前に立ち、魔法を防ぐ。かなり威力の高い魔法だ。中々の強者だ。
「ありがとうアクト。気をつけて、かなりの強者よ一体どこから」
困惑する俺達の前に1人の男が空から飛び降りてきた。
その姿はドラゴンのような羽を持ち、トカゲの様なしっぽが着いて居たが、顔は人間だ。
「竜人族?!はるか昔絶滅したと聞いてたのに生き残りが居たの?」
竜人族はるか昔に存在していた民族。竜の血を引いており、その実力は先祖であるドラゴンにも引けを取らない存在。
「ここで何をしているこの変態め!ここは我らが竜人族の縄張りだ!即刻出ていけ!」
いかん。俺の見た目ですっかり警戒されている。先ずは誤解を解かないとな。




