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転生したのにゾンビかよ  作者: 豆太郎
第1章 旅立ち
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5 王都へ出発

正直彼を初めて見た時ガッカリした。私がずっと待っていた存在が人間ではなく、矮小なゾンビだったなんて。知性を持ったモンスターはレアだが、存在しない訳じゃない。そしてレアモンスターは通常のモンスターより、強い力がある事は知っていた。だが、私をあのお方を救ってくれるほどの力なんてないと思ってた。


しかし、その考えはすぐに覆った。あのお方の魔法によって現れた未来の彼は、レアモンスターの範疇を超えていた。世界の頂きに居る存在達に近い実力を持っていた。だが、またもやその考えも覆った。


彼が放った魔法、鬼炎(イグナス)は未来の彼でも放つ事が出来ない程の威力。つまり彼は未来をも変えれる力を持っているかもしれない。


魅了されてしまった。彼の魔法に、彼の態度に。知りたいと思った。その強さを。


現れる訳がないと思っていた。あのお方以上に仕えたいと思える様な存在など居ないと。


「シルビア、今から私の極限魔法で本の中に閉じ込める。今の世界じゃ君は救われない。いつか君を救ってくれる存在が必ず現れる。その時、その存在に仕えるかどうかは君次第だ。それまでどうか耐えて欲しい」

「貴方以上の存在なんて現れません!!私も貴方の隣で戦い続けます!どうか隣に居ることをお許しください!ソフィア様!」

「ダメよ、貴方は私の希望。こんなダメな主でごめんねシルビア」


あぁ、お許しください。貴方以上に仕えたい存在が現れてしまいました。私は、彼に仕える事にします。きっと彼が貴方の無念を晴らしてくれます。





はぁ、世界を手に入れるって具体的に何をしたらいいんだ?力で手に入れるって言っても今の俺より強いやつなんていっぱい居るだろうしな。はぁ、どうしたもんか。


「悩んでいるようね?手に入れる方法は私が考えるわ。貴方は実力をつけて圧倒的存在になればいい」


シルビアに任せてもいいのだろうか?俺はシルビアの事を何も知らないしな。


「よし!決めた。自己紹介しよう。俺たちはお互い何も知らない状態だろ?色々教え合おうぜ」

「そうね。私はシルビア。6代目エルフ王ソフィア•ヴェネッセ様に仕えてたわ」


ソフィア・ヴェネッセ?まさかエルフの王に仕えてたなんて。たしかにちょっと高貴な感じするし納得だな。


しかし、俺のことはどこまで話そうか。いや初めての仲間だからこの子には本当の事を言おう。


「俺はアクト。今はゾンビだけど前世は人間だった。俺は転生者だ」


俺の言葉を聞き、シルビアは驚いた表情をしたが次第に納得したような顔をした。


「今全てに納得したわ。ゾンビではありえない力を持っているのも説明がつくわ。」


俺とシルビアは自己紹介を終え、これからの行動について話し合った。


「早速だけど貴方には王になってもらうわ。国を1から作るのではなくどこかの国を乗っ取るのよ」

「国を乗っ取るってそんなヤバいこと出来るの?」

「私と貴方がいれば成せるわ。その為に非道な事もし無ければいけないかもしれないけど」


非道な事か。今の俺にできるのか?人を殺せるのか?まぁ何とかなるか。目的の為ならなんでもしてやるさ。


「いいぜ。だが俺に救いを求めたり、俺の為に動く奴らには慈悲を与える。それでいいか?」

「あら、もうすっかり王様気分ね。その調子よ」


俺とシルビアはシュバイツ王国を目指し出発の準備を始めた。シュバイツ王国を目指す理由は、2つだ。


1つ目は、王国にある学院、シュバイツ魔剣学院に通うためだ。え?世界を手に入れるのに学校に行く暇あるのかって?これは俺のワガママで学校に行きたかったってのもある。それに、圧倒的にこの世界の知識が足りないから学ぶ場所が必要だったからだ。


2つ目は、今俺のいる場所で何が起きたか王国に行けばわかるとシルビアが教えてくれた。なんでシルビアがそんな事知っているのか分からないけど全てを把握してそうな目で言われたから彼女を信じ出ようと思う。


さてこの墓地にお別れを言う時が来た。俺の母親と思われるゾンビがこちらに駆け寄ってきた。


「んーんー!!」


うめき声を出しながら俺の頭を撫でてくれている。俺がこの場所を離れる事を理解しているのか母親の本能が残っているのか俺はなんとも言えない気持ちになった。


ここにはゾンビが沢山いる。冒険者達に狩られてしまう可能性だってあるんだ。俺はシルビアにどうにかならないか相談した。


するとシルビアが1つの巻物を取り出した。


「これは、魔法を1つストックできる貴重なマジックアイテムよ。本当は拠点を見つけたら使う予定だったけれど国を乗っ取ることにしたから必要なくなったわ」


シルビアは巻物のマジックアイテムを、開き魔法を出す。


「隠れ(ケレーラウィクス)


外から人を拒絶し、外部から隔離される魔法らしい。これでここのゾンビ達は一先ず安心だな。


じゃあ王国に向かおうか。

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