4 試練
俺は、未来の俺に対して魔法から体術全てで挑んだが、1度も攻撃を与える事が出来なかった。何度死んだかも分からない。112回から数えるのをやめた。
どうしたら奴に一撃与えれるか考えていると、シルビアが助言をくれた。
「貴方は、魔力の使い方がなっていないのよ。もっと魔力を身体全体に流して。そうすると魔力によって身体が強化されるわ。そして、魔力の錬度を上げなさい。魔力の質がいい程、魔法も強力となる」
「なるほど。合気道とかで使う気みたいなものか。わかったやってみる」
俺は、シルビアの助言を聞き、未来の俺に挑むのは1度やめ、魔力トレーニングに集中する事にした。
座禅を組み、魔力の流れに集中する。合気道は習った事がなく、気の流れ等の経験がない為想像でやるしか無かった。
「なにをやっているの?珍しいやり方ね?殆どが鍛錬をしながら魔力を流したり練るというのに。そんな座っただけで鍛えられるの?」
「さぁな、やってみないと分からない。だけど俺の知るやり方で1番集中出来そうなのを選んだだけだ」
シルビアが不思議そうな顔でこちらを見つめる。
「一緒にやるか?案外楽しいぞ」
俺はシルビアを誘ってみた。断られるかと思ったが、シルビアは、俺の前にちょこんと座り、見よう見まねで、座禅を組み始める。
俺は魔力の流れに集中する。すると、身体の中に溜まっている魔力を感じる。さて、この溜まっている魔力をどうやって流そうか。魔法はイメージが大切って言っていたな。これもイメージなのか?
俺は栓を外すイメージで魔力溜りを解放する。すると、ドバドバ魔力が流れ出す。そこで、俺の集中が切れた。
グハッ!!
魔力が一気に流れ出した事で身体に、とんでもない負荷がかかってしまった。
はぁはぁ、、こんなにしんどいのか。
俺は息を整え、流れ込んだ魔力を少しずつ身体全体に流す。身体に、魔力を流し込む事に成功した。
「成功したようね。この座禅っていうのすごいわね。今度から私もしようかしら。」
俺は集中していて気づかなかったが、何やらシルビアが、少し光っていた。
「なんで光っているんだ?光合成でもしてんのか?」
「光合成?何を意味のわからないこと言っているの?これは魔力の錬度を上げたことによって少し光っているだけよ。錬度をあげれたのは500年ぶりよ」
500年!?エルフって長生きなのか。いや、ここにずっと居たから歳とってないのかな?
「魔力を流す事に成功したら次は、魔力の錬度を上げるの」
俺はもう一度集中し、魔力の錬度を上げる。金属を熱して、叩いて綺麗な形にする様なイメージで魔力の錬度を上げる。
座禅をして、5時間程経った時俺の身体が光り始める。
「魔力の錬度も上がったみたいね」
俺はシルビアの言葉を聞き、もう一度未来の俺に挑む。未来の俺は真顔で立っていた。
「今回こそぶっ倒してやるよ。そのイケメン面にクレーター作ってやる」
俺は一瞬の隙で奴の前に移動した。奴は反応して俺を叩き潰そうとしたが右手で抑える。身体に魔力が流れている事で奴の攻撃にも耐えれる様になった。俺は左手で奴の腹に一撃叩き込む。
やったぜ、やっと一撃与えられた。これで終わりだ。
右手に魔力を集中させ渾身の電気衝撃を放つ。魔力の錬度を上げたことにより電気衝撃の威力が上がっており奴を倒せるはずだった。
俺の電気衝撃を食らったはずの奴は弱っていたが倒すまでは行かなかった。そして、奴の魔法により俺は死んだ。
ハッ!!また死んだのか。クソッ!魔法の威力がまだ足りないのか!!
「貴方は魔力の錬度を上げた、でも、未来の貴方はもっと錬度が高いそれだけよ」
シルビアの言う通り、奴の魔法は威力が桁違いだった。そうして俺はもう一度座禅を開始した。
魔力の錬度を上げるだけじゃだめだ。奴を倒せれる程の魔法を作り上げてやる。
俺は魔力の錬度あげと同時に奴に挑みながら、奴を倒せる程の魔法を考えていた。そして、ついに奴を倒せる可能性がある魔法を手に入れた。
「よぉ兄弟、もう何回お前に挑んだか忘れてしまったぜ。だが、今回でそれも終わりだ。一瞬で終わらせてやる」
俺は初っ端から魔法で奴を襲う。火玉。初めの頃と桁違いの威力だ。だが、これは単なる目眩しだ。
土煙が消え未来の俺が顔を歪める。
「お前にも感情があるのか?初めて表情を変えたな。そんな驚くなよ。俺が何人もいて嬉しいだろ?」
そう俺は、新たな魔法、多重分身。
「おいおい、分身したからって驚くなよ。お前を倒す為に作ったんだ。でもこれは前座だ」
未来の俺は、俺に対して魔法を放ってきた。だが、残念今の俺はお前以上の魔法を放てる。
「これが本命だよ。鬼炎」
複数人の俺が放った鬼炎は奴の魔法を打ち消し直撃する。鬼炎は対象を焼き尽くす程の熱を持った魔法だ。
お前を倒すのに必死に考えた魔法だ味わってくれよ。
俺の魔法によって未来の俺は倒れた、、、、
目の前が暗くなり元の場所に戻っていた。
戻れたのか。全部夢だったオチとかじゃねーよな?いや、たしかに俺は強くなっている。身体に流れる魔力がそれを証明している。
「想像以上ね。まさかほんとに倒してしまうなんて思わなかったわ」
俺の後ろにはシルビアが立っていた。
「お前も出て来れたのか?何年ぶりの現実世界?」
「そうね。ざっと600年ぶりかしら。まぁ、その事は置いといて、私は貴方に仕えるわ」
え?仕える?俺になんで?
「不思議そうに見つめるわね。この世界を手に入れるためには仲間が必要。私は貴方の1人目の仲間って事よ」
世界を手に入れる。前の俺では無理そうだったが、今の俺には可能かもしれない。
「よろしくシルビア。これからは仲間だ」
「よろしくね。えーと貴方名前なんだっけ?」
俺名前なくね?どうしたもんか。俺は、廃村の家を捜索している時の事を思い出す。それは、家族の写真。俺がゾンビになる前の者の名前。
「俺はアクト。今日からアクトだ」
俺に初めての仲間ができた。




