2 ゾンビ
俺は、隕石によって死んでしまったはずだったが、鼻にツーンとくる匂いで目が覚めた。
「ここは?どこだろう。日本ではないか?」
俺が、目覚めた所は見た感じ墓地だった。だが、日本のお墓とは全然違い、欧米に近いお墓が並んでいた。
しかし、どの墓も古いのか、蜘蛛の巣が張っておりコケも生えていた。
俺は、隕石で死んだはずだ。これが夢じゃないならもしかして転生というやつか?それにこの臭いはなんなんだ。なにかが腐っているような匂い。なかなかキツイな。
俺はツーンとした匂いに、鼻を抑えていると、遠くから数多くのうめき声がした。
ウォーウォー
その声は1人や2人のじゃなかった。何百人も居るようなうめき声だ。
なんだこの声は?人がいるのか。ここが何処か聞いてみよう。
俺は声のする方へ向かう。しかし、そこで見たものはこの世のものではない光景だった。
俺の目の前には腐っている死体が、うじゃうじゃ歩いており、なにかの肉を貪っている奴もいた。俺は恐怖で物陰に隠れ、息を殺していた。
なんなんだ?アイツら。ゾンビか?俺は本当に転生してしまったのか?
なんで、こんな場所に転生してるんだよ!クソッ!
俺は頭の中がぐちゃぐちゃになっており焦っていた。
そして、近づいて来る2体の足音に気づかなかった。
俺は、肩に手を置かれて初めてその存在に気が付いた。
うわぁぁ!
俺は驚いてその手を振りほどいた。俺に近づいて来た、2体のゾンビ。俺は、襲われると思って逃げようとしたが、2体のゾンビは襲ってくる様子はない。
襲ってこないのか?
どうやら襲ってくる感じでは無さそうだ。いや、この2体はなにか様子がおかしい。この感じ、視察のスタッフさん達を思い出す。親が、家族が居ない俺達に愛を教えてくれた人達。まぁ、入院中、途中でお見舞いに来てくれなくなったが、施設が忙しかった為仕方がない。あの人達に恨みはない。だが、なぜその人達と同じ様な雰囲気を感じるのだろうか?
2体のゾンビは、俺に謎の肉を差し出してきた。何の肉かは分からないが、ものすごく腹が減ってくる。ものすごく食べたくて、ヨダレが止まらない。
俺は自分の身体の異変に気が付いた。なにかがおかしい。
俺は、足元の水溜りの反射で自分の正体がなんなのか気がついてしまった。俺は、ゾンビになってしまっていた。
おいおい、まじかよ!転生って普通赤ん坊とかだろう?なんでゾンビなんだよ!!!
俺がゾンビだったからこの2体のゾンビは襲わなかったんだ。
自分がゾンビになってしまった現実を受け入れれず、2体のゾンビを無視して目的がないまま走り出した。
なんでこんな事になったんだろう。前世から、何もかも上手くいかない。なんで、、おれだけ、、
落ち込みながら歩いていると、廃村を見つけた。窃盗みたいで嫌だったが、この世界の知識を得るため、俺はある家に入った。
家の中は、荒れており、物が散らかっていた。
随分古そうな感じだな。廃村に張って相当年月がたってそうだ。ん?これは手鏡か。
俺は手鏡で自分の身体の確認をし始める。
身体は15歳くらいか?顔もそこそこかっこいいな!しかし 墓地にいたゾンビ達と明らかに違っていた。顔色がいいのだ。まるで生きてるような感じだ。墓地にいたゾンビ達は、顔色が悪く覇気がなかった。しかし、俺の顔は若干緑色だが、明らかに覇気がある。
俺は、手鏡を机に置き他に何かないか探し始める。
すると、1枚の写真を見つけた。そこには4人家族が写っており、名前が書かれていた。アクトと書かれた男が俺とよく似ていた。
これはもしかして、生きている頃の俺なのか?この村で何かが起き、死んでしまいゾンビになったのか?ん?
よく見るとこの両親らしき2人は俺に肉を差し出して来たゾンビに似ていた。
家族でゾンビになったのか?じゃあ妹みたいな子もゾンビになってしまったのだろうか?
写真をポケットにしまい、本棚を探し始める。いくつか、良さそうな本を持って俺は、墓地に帰った。
ひとまず、ゾンビになった現実を受け入れるしかなかった。
俺は前世に未練なんて、これっぽっちもなかったから新しいこの人生いや、ゾンビ生で生きてみようと決意する。




