1 転生
完璧超人とは、俺の事。
俺、佐藤健太は自他共に認める完璧超人だった。あらゆる格闘技をならい、チャンピオンになる事もできた。それに加え、頭もよく、テストでは常に学年トップを維持していた。その為女の子からもモテモテ、毎日が充実していた。
だが、俺がこれ程頑張る理由は、俺には家族がいない。小さい頃に親に捨てられ、それからは施設で暮らしている。価値ある人間になる為に俺は死ぬほど努力してきた。
ある日の学校終わり俺は友達の竹田とゲーセンに来ていた。
ゾンビ•ザ•パニック。襲ってくるゾンビを銃で撃ち殺すゲームだ。
「キャハハ!!死ねー雑魚ども!!」
竹田は物騒な事を言いながら、ゾンビを撃ち殺していた。
このゲームとにかくゾンビが弱すぎる。いわゆるクソゲーだ。だが、ストレス発散の為にこうしてプレーする人が一定数いる。
竹田のストレス発散が終わり、俺たちはゲーセンを出て帰っていた。
「いやー、ゾンパ楽しいな!てかゾンビってどのゲームでも物語でも雑魚だよな。ゾンビにだけはなりたくない」
ゾンパとは、ゾンビ•ザ•パニックの略である。
「確かに、ゾンビにだけはなりたくねーな。まぁ、なる訳ないけど。」
俺は竹田の言葉に、返答する。
「もし、ゾンビになるくらいなら自死するわ!」
ゾンビとはそれ程までに残念な存在である。
そんな会話をしていると、道端でヤンキーがたむろっていた。俺は、ヤンキー達を素通りしようとしたが、竹田が要らないことを言ってしまう。
「ゾンビもだけど、あんな奴らにもなりたくないな」
おい、変な事言うな。こう言うのは絶対めんどくさい事になり兼ねる。
「おい、てめぇ、なんて言った?喧嘩うってんのか!」
ほらね?めんどくさい事になった。俺はしらねーぞ?
「い、いや。なんも言ってないです、、、」
おい、さっきの威勢どこいったんだよ。竹田はこういう所が昔からある。
「嘘つくなよ?俺たちは聞いてんだよ!!」
ヤンキーが竹田の胸ぐらを掴み殴りかかろうとしていた。
これは止めなきゃな。
「まて、そこまでにしよう。俺らが悪かった。お互い穏便に行こう」
俺は、ヤンキーを止めようとなだめたが、それによりさらにヒートアップしてしまった。
「てめぇ、何自分は冷静ですよ感出してんだよ!」
冷静感出してるんじゃなくて冷静なんだが。少し腹たって来たなコイツら。さて、どうするか。
「そ、そうだ。コイツ、格闘技のチャンピオンなんだよ!それに、こいつもなんか言ってたぞ!!」
「は?」
竹田の奴、俺がチャンピオンの事をいい事にありもしない嘘をつきはじめた。
「へー?お前チャンピオンなんだ?いいぜ、どうせなら派手にやり合おうぜ!」
ここで、ヤンキーが調子に乗ってめんどくさい事になってしまった。後で竹田をシメテやろう。
「お、落ち着けって。俺は殴らないし、殴られたくもない。謝るから一旦落ち着こう」
「だからさー冷静感出してんじゃねーよ!!」
バン!!!
ヤンキーが俺の背中を押した。俺の身体は道路に押し出されてしまった。
気づいた時には遅かった。投げ出された俺の身体は、大きなトラックにぶつかり、跳ねられてしまった。
そして俺は、死んでしまった....はずだったが、身体を、鍛えていたおかげで、一命を取り留めた。
だが、俺の身体は事故の衝撃と手術の跡で酷い身体をしていた。そして、一生寝たきりが確定してしまう。
「はぁ、なんでこんなことに、クソッ」
最初の2ヶ月はお見舞いに来てくれる人がいっぱいいたが、徐々に少なくなっていた。
「もう、お見舞い来てくれるのはお前だけだよ」
「当たり前だろ!俺のせいで佐藤が、、ずっと来るに決まってる!」
誰も来なくなったお見舞いだが、ただ一人竹田だけが来てくれていた。
だが1年経った頃、竹田の姿を見ることは無くなった。俺は気になり、ナースさんに事情を聞いてみた。
「あいつ最近来ないですけどどうしたんですか?」
「個人情報だから、私から聞いたって秘密にしてよ!彼、隣町に引越ししたみたい。」
は?なんだよそれ。ずっと来てくれるんじゃなかったのかよ!一体、、誰のせいで、、こんな目に!
俺は怒りでどうにかなりそうだったが、身体が動かないので諦めるしか無かった。
それから、2年の月日が経った。俺の身体は痩せこけ、骨が浮き出るほどやせ細っていた。
「ははっ、これじゃゾンビみたいだな」
ゾンビにはなりたくないな。この言葉が何回も頭に繰り返される。
もう、どうでもいいや。
俺は考えるのを辞め、腕に繋がれていた点滴チューブを引っこ抜こうとした時、
「みんな!にげて!!隕石が落ちてくる!!!」
ん?隕石?変な幻聴まで聞こえるようになったか。
俺はふと、窓の外を見てみた。
嘘だろっ!幻聴ではなかった。外には隕石が落ちてくるのが見えていた。
そして俺は、日本が終わる瞬間を目にして、隕石によって燃え尽きた。
その日、隕石によって日本の人口の半分が死んでしまった。佐藤健太もその内の1人だった。
なんだこの臭い。何か腐った匂いか?
俺は、鼻にツーン来る匂いで目が覚めた。そして、転生している事に気が付いた。




