11 ソフィア・ヴェネッセ
俺は気づいたら何も無い暗い空間にいた。
バアルの極限魔法が直撃し俺は意識を失ってしまったのか?しかし、ここは一体...
「あら?目が覚めたの?もっと時間が掛かると思っていたけれどそうでも無かったみたいね」
俺の背後から何者かが話しかけてきた。敵意はないようだ。
その姿は、シルビアとよく似ていた。緑な髪で長耳、右目には赤い紋様。
シルビアの親戚かな?
「お前は誰だ?ここはどこだ?俺はどうなった?」
「質問が多いわね。私は、ソフィア・ヴェネッセ。君の仲間のシルビアの元主だ。そして、ここは貴方の精神世界よ」
確か、ソフィアと言う者に仕えてたって言っていたな。精神世界か、三途の川的なものかな?
「そして1番気になっていると思う貴方の状態だけれど、消滅寸前よ」
しょ、しょうめつ???めちゃくちゃやべぇじゃねーか!!
「アンデッドにとって死という概念は消滅を意味するわ」
ん?なんで俺がアンデッドだって知っているんだ?
「私は貴方達の事を見ていたから知っているわ」
俺の疑問を察したかのようにソフィアが説明する。
「で、俺がここに来たのは何か意味があるのか?」
「私の極限魔法、試練ノ祝福は未来の自分に勝つことで1度だけ、ある恩恵が得られる」
「ある恩恵?まさか生き返れるとか!」
「いや、それ以上の事よ。それは、時間の巻き戻しよ。つまり、バアルが極限魔法を打つ前に戻れるって事よ」
!?!?
巻き戻しだと!今から戻れば、、
「いや、今戻った所でまた消滅されて終わりよ。だからここでバアルを倒せる程の魔法を作り出さなければならない」
またかよ、最近修行ばっかしてるぞ!だがまぁ、それが最善なのだろう。
「その前に、今のアルトン山脈の現状を把握しておかなければならない。これを見て」
ソフィアの魔法で空中に映像を映し出す。そこに映って居たのはまさしく絶望だった。
これは現実か?こんな事があっていいのか....
バアルの極限魔法によってアルトン山脈は平地になっていた。そして、シルビア、リリの2人もそこに倒れており、息をしていなかった。
竜人族の集落にも影響が出ており、低位悪魔共と交戦していた竜人族も極限魔法により壊滅していた。
「貴方が弱いからこんな事になったのよ。でも今からでも遅くない。ここでさらに強力な魔法を作りバアルを倒すの!」
俺は覚悟をきめ、ソフィアの言う通りに強い魔法を作る事に専念する。
「先ず、貴方のこれまでの人生を振り返って見なさい」
俺は座禅を組み前世を振り返ってみる。
生まれてすぐ親に捨てられ育ってきた。自分自身で、価値のない人間だと思い込み、価値ある人間になる為に俺は努力した。格闘技でも、勉学でも1番を目指した。
そんな俺が友の発言により、寝たきりになり最後は隕石で死ぬなんて滑稽な話だ。
俺は過去を振り返ったが、バアルを倒す魔法のヒントは思い浮かばなかった。
「気にしないで。過去を振り返って貰ったのは私がただ単に貴方のことが知りたかったから」
なんだよ!せっかく過去を振り返ったのに。
それから数時間座禅を組み、魔力を練りながら魔法をイメージする。
攻撃魔法ではダメだ。バアルの魔法を相殺した所で被害が尋常じゃない。被害をできるだけ出さずバアルを倒す魔法は、、、
カウンターか?カウンターが出来れば被害を抑え、バアルを倒せる。だがカウンターの魔法なんてイメージ出来ない。剣などで弾き返すにしても極限魔法に耐えれる剣を持っていない。
ん?待てよ、これならこの方法なら奴を倒せる。
俺は、ソフィアに思いついた魔法を見せる。
「こ、これは。初めて見るジャンルの魔法ね。でもこれなら行けるか?この特殊な魔法なら」
俺は魔法だけではなく魔力の錬度も上がっていた。それにより、俺の存在が進化していた。
俺はゾンビから上位死霊に進化していた。ゾンビはゾンビだがその強さは前の俺の比じゃない。
さてさて、強くなったことだしあの悪魔は倒しに行こうか。
「では、今からバアルが極限魔法を撃つ前に戻すわ。覚悟はいい?」
「もちろんだ!あいつをぶっ倒してくるぞ」
ソフィアは魔法を繰り出す。
「試練ノ祝福!貴方の事を見ているわ。シルビアの事よろしくね」
俺の目の前が白く光り輝く。そして気がつくとそこはバアルが魔法を放つ前に戻っていた。
「今なら出せる気がするぞ!この山脈事消し去ってやる!!」
「そうはさせない。お前は俺に倒されるのだから」
俺はバアルの前に立ちかっこよくセリフを決めた。




