10 俺の出番
シルビアとリリが協力してバアルに挑む。2人は疲労していて、ギリギリの状態だが女のプライドで挑み続けているのだろう。
「リリ合わせなさい!氷塊襲来!」
シルビアが放った魔法はとても強力だった。今の、状態で撃てる最高の魔法。リリに逆転すると言っていたのは嘘では無かったようだ。
広範囲の魔法がバアル目掛けて放たれる。氷塊はバアルに直撃して、すぐさま蒸発して消えてしまう。あたりには氷が張っておりその威力が高いという事がわかる。
氷塊が、溶けた後瞬時にリリが追撃の魔法を放つ。
殺傷力が高い魔法、風刀斬。
バアルに向けてリリの魔法が放たれる。シルビアの魔法によって弱っていたバアルに風の斬撃が直撃する。
バアルの身体が風の刃によって切り刻まれ、バアルはその場に倒れ込む。
「はぁはぁ、倒した?」
シルビアは疲れ果てた様子でバアルを見る。
リリは額に汗を垂らして安心したのか俺に笑顔を見ながらセクシーに駆け寄ってくる。
だが、戦いは終わっていなかった。
「ぐぅぐぅ、まだ終わって、、ないぞ!」
バアルは明らかに弱っていたが、シルビアとリリは限界がきて倒すことが出来ない。つまり、やっと俺の出番が来たわけだ!
俺はバアルに向かい魔法を放とうとした瞬間、バアルが吠える。
「王になる為に今まで貯めていた魂を全て力に変えてやる!」
バアルは吠えたあと貯蓄していた魂を分解し、自らの力に変えた。それにより、バアルはさらに高みの存在になってしまった。それはまさに世界の頂きに君臨する存在になってしまった。
その存在感は俺たちを圧倒した。シルビアもりりも俺自身も圧倒された。
「これが俺様の力だ!!もう誰も俺の事を舐めさせない!俺は王になるんだからよ!」
シルビアが焦った様に俺に話しかけてくる。
「アクト、これはまずい。今のアイツはこの世界で頂点に近い存在になってしまった。今の私達では勝てない。どうする?私とアクトだけなら逃げれるかもしれないけど」
シルビアは身体を震わせながら表情が強ばっていた。
俺はシルビアの頭をそっと撫で、安心するか分からないが俺は言葉を投げかける。
「シルビア安心しろ!世界を手に入れるんだろ?なら俺に任せて休んでろ。俺があいつを倒してもっと強くなってきてやる」
そうだ、世界の王になるにはもっと強くならないと行けない。ならここであの悪魔に勝てなきゃなんも意味が無い。ここは頑張ってあいつを倒して見せよう。
俺はバアルと対峙する。
「貴様、ゾンビなんだってな?ゾンビにしては奇妙だがたかだかレアモンスターの雑魚だろう?俺の前に立つ資格など無いんだよ?」
「お前に資格どうこう言われる筋合いは無い。お前王になりたいんだってな。奇遇だな、俺もこの世界の王になりたいんだ。どっちが王にふさわしいか決めようじゃないか」
俺はバアルを挑発し、魔法を放つ。
俺は多重分身で分身を作り、鬼炎を放つ。
威力の高い鬼炎を複数人の俺が一斉に放ち、バアルに直撃する。大抵の敵はこれで灰になり燃え尽きるのだが、進化したバアルには通用しなかった。
「ふぅん中々の威力だ。だが、俺を燃え尽くすレベルではなかったようだな!」
俺の魔法を食らったバアルは何食わぬ顔でそこに立っていた。そして俺に電気衝撃を放ってきた。
俺は電気衝撃を避けた。だが、バアルが放った電気衝撃は俺に追従してきて直撃した。
初期魔法と言われる簡単な魔法でありながら、この威力の高さはそれほどバアルの強さを表している。
バアルの魔法によって、俺の右腕が吹き飛んでしまった。ゾンビだから痛みは感じないと甘えていたが、その甘い考えが覆る。
ぐわぁ!!なんだこの痛みは!!俺はゾンビなのに痛みを感じるだと?
「気をつけてアクト!今のバアルは頂きに立っている存在!今までの常識は通用しない!!」
クソっ!あいつが強すぎて俺のゾンビのメリットを活かせないって事か。
俺は即座に右腕を治し、体勢を直す。
「お前、ゾンビなのに自分の身体を治せるのか。ゾンビが治癒をするなんて笑える話だな」
そんな事はどうでもいい。今はどうやってこいつを倒そうか。
ここでバアルの魔力が膨れ上がる。
「今なら出せる気がするぞ!この山脈事消し去ってやる!!」
バアルは魔力を高め俺に向かい魔法を放つ。
「極限魔法!!雷神」
バアルが放った雷神は空から神の怒りの様に1本の電撃が俺に直撃する。
俺の身体は痛みを感じる前に意識が途切れてしまった。




