第16話 おともだち
くまのみ「銃を捨てろ!!!」
くまのみは震える声で叫んだ
そすけ「分かった!!わかったから落ち着け!」
そすけは渋々銃をくまのみの足元に投げ捨てる
az「何の真似や!?くまのみ!」
くまのみ「…」
そすけ「既に2人殺してます。あまり刺激しないように」
くまのみ「az…お前のその高い身体能力は非常に優秀だ…。」
az「…?」
くまのみ「人間はいつか死ぬ。どれだけの才能があろうと、どれだけ裕福だろうと死ねばそれを全て失う!az…私と一緒に来い…」
az「ほんまにどうしたん!?そんなこと言うやつやないやろ!」
くまのみ「私はおでおぱ式改造AIだ!お前らとは違う!」
az「え…」
くまのみ「私はくまのみタイプの初期ロットでしかない…。潜入捜査の為に人間界に送られたんだ」
そすけ「じゃあ本物のくまのみは…」
くまのみ「数年前。既に死亡している。私に提供されたのは皮膚と脳だけだ。」
az「…嘘…やろ…?」
くまのみ「kenも私が殺した。潜入の邪魔でしかなかったからな」
az「あんなやつはどうでもええねん…」
くまのみ「az。私と来い。この世界の行く末を見届けようじゃないか」
az「…」
azはゆっくりとくまのみの元に歩いていく
くまのみ「そうだ。それでいいん…」
az「黙れ」
azは奇襲を仕掛ける
くまのみ「!?」
くまのみは即座に構えていた銃をそすけに発射する
そすけ「ぐっ!?」
銃弾はそすけの脇腹を貫く
az「そすけ!?」
そすけ「軽傷!止まるな!!」
az「オラァァァ!」
くまのみ「そんな殴りが止められないとでも思った?」
az「テメェ…」
くまのみ「腹がガラ空きだよ」
くまのみはazの腹に向かって銃弾を放つ
az「どうだろな!」
azは物凄い勢いで足を曲げ銃弾を跳ね返す
くまのみ「そこまで出来るか…!」
「ならこれはどうだ!」
「召魚!」
潜在能力【召魚】
魚の亡霊を召喚することができる。
【鮫】
サメ「シャァァァ!!」
ノコギリザメ「ウラァァ!!!」
キングシャーク「おらぁ!!!」
押し寄せる鮫の大群を目の前に、azはゆっくり構える
az「…」
「真空…」
【波!】
azの体術により磨かれた真空波で怯むことなく、鮫の大群を押しのける
くまのみ「まじかよ…」
az「とっておきはもう終わりか?」
くまのみ「そんなわけないでしょ!!」
【鯵】【鯉】【皇带鱼】
az「…」
「散れ」
azのその一言だけで、くまのみの能力は打ち破られる。azから出る威圧と力の方が、格段に上だったのだ
くまのみ「嘘でしょ…」
「これを使うしかないわね…」
【鯨!】
その瞬間。天井を突き破り巨大な鯨が落ちてくる
az「ハァ!?」
そすけ「あんなの食らったら確実に潰れる…」
az「そすけは動けない…俺も即座に逃げれるかって言ったら怪しい…クソッ。俺が受け止めるしかないか…」
くまのみ「潰れろぉ!!!」
az「足に…力を!」
「秘技!鯱・黄金十色!」
azは手を下にし、鯨に向かって思いっきり足を上げる
az「うおおおおおお!!!!」
「こんなとこで…負けられるかよ…」
別に、普通の生活が嫌ってことはなかった。家族も、人間関係も普通だった。何も変わらなかった。
でも、不安になることがあった。このままでいいのか、と。ずっと自分だけ、出口の見えん暗い道を歩いてたんや。
でも、自分のとこに段々と光が集まってきてる気がしたんや。
くまのみだって、そすけだって、ぶるーだって、SQは死ね。
皆それぞれ暗いとこもあったけど、光ってた。明るかった。そうやって救われてったんやないかな?俺は…
だから…だからここでは死ねへん!
俺が死んだら動けんそすけまで殺してしまう…
そんなこと…
「させへん!!!」
「おんどらぁぁぁぁ!!!」
azは全身の全ての力を足に込める。意識が朦朧となっても、足だけは耐えていた
「ぶっ飛べぇぇぇぇ!」
そして、鯨を思いっきり吹き飛ばす
「っしゃ…あとは…くまのみを…あー…意識がハッキリせん…」
そすけ「!!!!!」
az「そすけ…何か言うてる…」
そすけ「!!…ろ!!」
az「ダメや…足に力込めすぎて…聴力も安定せん…」
そすけ「よけろぉぉぉ!!!」
az「…え?」
次の瞬間。azはくまのみに刺されていた
az「…っ」
そすけ「az?!?!!」
くまのみ「人間…いや、az。正直驚かされた、私の能力を身体能力の一つだけで押し勝つとは…」
「正直残念だけど、ここで死んでもらう」
az「くまの…み…」
azは優しくくまのみの背中に手を添える
くまのみ「!?」
az「お前はくまのみじゃ…ないかもしれん。でもお前の脳はくまのみや…。」
くまのみ「違う!私は!!」
az「お前は…俺の光やった…いつも、どんなときも…」
くまのみ「やめろ!離せ!」
az「だから…今度は俺が…お前の光になりたかった…」
くまのみ「…!」
az「俺らはもう…元には戻れんかもしれん…。でもそれも仕方ないんや…だから…3人で…帰ろう」
くまのみ「az…?」
「私…私…」
くまのみの目から涙が零れ落ちる
「うわぁぁぁぁん!!!私って!!!私ってぇ!!!」
そすけ「くまのみ本人…?」
くまのみ「az…わたしっ、わだじぃぃ!!!」
az「はは…泣きすぎや…」
くまのみ「ごめんねっ。ごべんねぇぇ!!すぐ応急処置するからぁ!!待ってぇ!」
数分後
くまのみ「これで…血は止まったはず…」
az「ありがとな」
そすけ「一件落着、?ですかね」
くまのみ「ごめんね…私ったら…」
az「もーいつまで泣いてんねん笑俺らは【おともだち】やろ!」
くまのみ「…うん!」
「ピーーーーーーーー」
az「ん?何の音…」
くまのみ「数分前に人間的感情を感知。強制シャットダウンします。」
az「…え?」
「くまのみ?くまのみ!?」
そすけ「な、何が起こって…」
az「おい!?返事しろよ!返事しろって!!」
くまのみ「反逆者処罰コード作動。5秒後に爆発します。」
az「は…?」
そすけ「よけろ!」
そすけは咄嗟にazをくまのみから離す
瞬き1回の間に、くまのみの首は壮絶な音と共に吹き飛んでいた
az「あ…あぁ…」
おともだちの姿は、そこにはなかった。
ただ機械だけが鉄臭い匂いを放って燃えているだけだった。
続く




